物忘れ・認知症70
驚異的カカオの健康効果

 本誌今号の「巻頭インタビュー」では、チョコレートやココアを治療現場で応用されている自治医科大学救命救急センターの間藤卓教授に、チョコレート・ココアの健康効果について大変有益で大変興味深いお話を賜りました。
 間藤先生は、ごく普通の入手しやすいミルクチョコレートやミルクココアを実験や臨床に用いて、素晴らしい研究成果を挙げておられます。巻頭インタビューを熟読されて、チョコレートやココアの素晴らしさをよく理解して下さい。
 一方、チョコレートやココアと健康の関係では、主原料のカカオに抜群に多いカカオポリフェノールにこだわった研究も多く見られます。
 そこで、ここではカカオポリフェノールを中心に、カカオの健康効果について考えてみました。
 また併せて、アメリカで開発された「カカオ豆を低温処理加工することで、カカオポリフェノールの力が最大限に引き出されたチョコレート」についてもご紹介します。

カカオポリフェノール

 カカオというとその優れたポリフェノールが72%とか80%含有など、それを沢山含んだチョコレートが人気です。ポリフェノールとは強すぎる太陽光線から身を守るために体を移動させて避けることができない植物が強烈な紫外線の害、つまり炎症を起こす活性酸素から身を守るために体内で作り出す抗酸化成分です。
 このポリフェノールというのは、食べた人間の中で炎症を起こして悪さをする活性酸素も消去してくれるので、ガンや認知症を避けて健康長寿を実現するのに役立つ成分として重宝がられるのです。
 しかし、カカオが美味しいチョコレートとして世に出たのはそんなに昔のことではありません。もともと苦く渋さもあるカカオが美味しく食べられるようになったのは、加工技術の進化の賜ですが、美味しくするために、活性酸素を消去する能力はかなり犠牲にされてきたのがお菓子としてのチョコレートの歴史でした。
 一番の問題点が、口の中でとろける食感を得るための高熱処理と相当量の白砂糖の投入です。苦みを感じさせなくさせるために使われる白砂糖は半端な量でないので、虫歯の原因になったり、糖尿病を引き起こしたり、太らせたりと、チョコレートは過剰な白砂糖のために不健康食品の代表格のように思う人も少なくありません。

ケタ違い、カカオの抗酸化力

 しかし、そんなチョコレートでも抗酸化力はそこそこ高く、健康力も得られているのです。
 抗酸化力とは、食べた人の体の中で発揮される活性酸素を消去する能力のことです。科学的にはオーラック(ORAC)という単位で測定します。
 トマトとかピーマンとか健康に良いといわれている野菜でも、オーラックはせいぜい500位です。しかし、例外的にこの値が高いものが二つあります。
 両方とも赤道直下で採れるものですが、一つはアサイベリーと呼ばれる椰子の実、もう一つがカカオです。アサイベリーは概ね5万程度。カカオは概ね8万以上というから驚きです。
 ガンやリウマチ、糖尿病を含む大概の病は体内でしつこい炎症を起こしています。いわゆる生活習慣病の殆どがそうです。
 これらは病のために活性酸素が次々と生まれて、周辺の細胞膜など脂肪酸組織を酸化させていくと、そこの組織を破壊していくので病気はなかなか治ってくれません。病を治そうとして飲む薬の効果は一時的かつ局所的であり、それだけに頼っていても体質が変わるわけでないので、薬の副作用で生理的バランスが崩れ、別のところで前よりもきつい炎症が起きてしまうということもありがちです。
 こうなると病は慢性化して長引き、短命化していくのです。こういう時は炎症を起こす活性酸素が消去できるほどオーラックの値が高い食品を愛用して、例えば3時間おきに食べたりして体質改善をはかり、体内で炎症ができにくくする対策が有効なのです。
 炎症は火事と似たところがあります。マッチ1本火事の元ですから、小さい火でも、大きく燃え上がる前に消してしまうことが大事です。たとえば、あっ、不調が、と気がついたら3時間おきにオーラック値が驚異的に高いものを食べておけば大事に至らないで体内の火事である炎症を鎮めることは可能です。
 これはカカオで予防医学が誰でもできるようになるということです。

カカオ効果を上げる40度以下で加工されたチョコレート

 しかし、世の中に出回っているチョコレート菓子はカカオの本来の凄さから見たら残念なものになっています。
 まず、オーラック値が驚異的に高いカカオの特性を備えたチョコレートは40度以下で加工されたものなのです。世間に出回っているチョコレートは、有名メーカーのものであっても口溶け良く美味しく加工するために、ほぼ100%、カカオ豆をコーヒー豆の様に加熱焙炒しているので100度近い熱加工の工程を経ています。
 また、チョコレートは発酵食品ですなどという向きもありますが、この発酵させたチョコレートも発酵熱は40度ではとうてい収まらない70度以上にはなるので、発酵過程を経ているチョコレートはオーラック値は数%にとガクンと落ちているので炎症止めのパワーもカカオ本体がもつものに比べると限定的になっています。

求めよ、さらば得られん!

 しかし、世界は広い。求めよさらば得られんの精神で探し求めれば、40度以下でチョコレートに仕上げたカカオは、この世にあるのです。
 それはアメリカにありました。個人輸入すれば、さほど高価でもなく、誰でも1ヶ月分単位で簡単に国際クール宅急便で手に入れられます。
 チョコレートやココアは今では現代医学の医師からも高く評価されています。しかし、それは高熱処理のためにオーラック値がかなり低いものになっているチョコレートです。それでも素晴らしい効果! があるわけです。
 さらに低温で加工されたチョコレートの効果はどれほどのものでしょうか。
 是非一度、40度以下加工で得られた、カカオマス、カカオバターで作られた凄いチョコレートに出会ってください。
 命の元は食べ物という自覚で、健康長寿の願いを実現してくれるカカオチョコレートに巡り会いたいという念願があれば、あなたの視野には遠からず手に入る縁が得られることでしょう。
 人の意識(潜在意識も含む)の力、エネルギーを信じたいものです。これがあなたのピンピンコロリの健康長寿念願を実現させてくれる決め手となるはずだからです。