物忘れ・認知症43

 11月23日・24日、NHKテレビがスペシャル番組と銘打って、「T認知症800万人U時代」というタイトルの1時間ドキュメント番組を放映しました。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
 万年青年気分の私も、早71歳となり、肉体の老化の徐々なる進行を、この世の定めとして塩っぱい思いで味わいつつ日を送る身なので、人ごととは思えず、自分も下手したら、近未来はこうなっていくのかという思いで認知症の現実を切り取って見せてくれる番組に引き込まれていました。
 認知症は普通は老化に伴って起こる何らかの病気を原因とする脳機能の低下で、記憶力、計算力、言語力、判断力が年齢不相応に、かなり衰えてしまうことです。中核症状と周辺症状に分けて考えられますが、傍目には、さっきまで認知症とは思えない振る舞いをしていた人が、ちょっとしたことでいらだって激高し、心を閉ざしてしまう場面には思わずハラハラしてしまいました。
 普通の人でもいらだちや反感は心の奥に積もります。認知症の人も一緒です。その時のことだけを考えると、なんで?と思えるような行動でも、ご本人の心の底に積もったマイナス感情を察すると、立派な訳ありなのです。ただ、以前のいらだちや反感の元になったことは、認知症ですから覚えていないので、周りの人が認知症のことを学習していただいて適切に対処していけば、どうしようもなく困る事態になることは、それだけ少なくてすむことが期待できます。
 突然激しく怒り出すなどの困った周辺症状を見せる人を、ご家族やお世話する立場になった番組にも出てきたようなケアマネージャーや介護にあたる方々のご苦労は大変なものがあると思います。
 お・も・て・な・しの心がある人だと、介護が仕事になれるのかも知れないなぁと思って見ていましたが、小さい頃から年長者に一目おき、お年寄りを大事にする風習が強い日本人・アジア人は認知症介護に耐えられる資質に富んでいるのかも知れません。
 「老年症候群」
 多くの人は年をとると「老年症候群」といって、老化が原因で様々な身体症状や精神症状を呈することが知られています。
 認知症の前段階には、老年性ウツが出る人が多いのですが、これも「老年症候群」の一つです。俗に「お年のせいでしょ」といわれるものですが、臓器のほとんどは高齢化で機能が低下してきます。そういう人が、夜間に多いのですが、突然精神的な混乱を来して、突然怒り出したりする「せん妄」という状態になることがあります。すでに認知症になっている人に出現しやすく、今回の番組でも数回、この場面がありました。風邪薬を飲んでも、その中のある成分のせいでご老人は「せん妄」を来すこともあるそうです。
 認知症にとっては周辺症状の一つですが、お世話くださる方にとっては、心も体も消耗させられる「突然の激しい怒り出し」です。大元の原因は高齢化なのですが、普通そこに、さらに複数の原因が積み重なって老年症候群の一つの「せん妄」が出現するのです。

食性の原則

 何でも食べる雑食動物として育てられた私たちの多くは、ヒトは本来植物食性の動物だという自覚なしに、美味しいし、やる気が湧いてくる栄養がとれるとして肉食を重ねているうちに、消化能力を超えてしまえば、便秘は起きるし悪玉菌は増えるし、肉が腐敗した分子が臭いガスに化けたりしつつ体内に吸収されて、「せん妄」も含むトラブルを起こすリスクになるからやめた方が良いと本誌は一貫してアピールしています。
 日本人は時代の流れの中で、南方の島、中国大陸、朝鮮半島、北方シベリアなどから、バラバラに時期をずらして日本列島にたどり着いて、混然と生活してきた様々な民族出身者の集まりですから、遺伝子も個性に富んで一様ではありません。出発地は同じ中央アフリカでも経路・生活環境はマチマチでした。出身民族によって動物性食品に対する消化力も一様ではありません。消化力の強い人々はきっと丈夫で長生きしています。弱い人々は虚弱な体質といわれているかも知れません。肉をもりもり食べている人が長生きといわれることがありますが、
肉を食べてもうまく消化できるタイプの人が消化能力の範囲の肉を食べている場合には、と理解した方が良いでしょう。しかし、日本人全体としては、歴史的に肉食が多かった西洋人に比べて、胴長で腸が長いという、よりヒト本来の植食動物型の特徴が強く残る腸の持ち主が多いので、動物性食品は上手に処理できかねる人が多いのです。こういう人は、少々の肉でもガスや排便は臭くなります。
 また冷たいものの飲食習慣が良くないのです。肉や卵の摂取量に応じて増える腸内悪玉菌が腸内で白血球に食べられたが、冷たい飲食物のせいで白血球の温度が下がり、腸内悪玉菌は、仮に白血球に飲み込まれたとしても、白血球に消化に必要な温度がないのでうまく消化されず、つまり白血球内部で死なないで、白血球にくるまれる形で腸壁を通過してしまえば血中に流れ出し、見かけは白血球なので血中でも他の白血球に攻撃されません。そして体内深部に入り込み、たどり着いた先の臓器や血管に炎症を起こさせたら、様々な生活習慣病の原因にな
るし、あるものは血液脳関門がない脳下垂体を経由して扁桃体や海馬に悪さをして認知症の原因になり、あるものはそこから自我意識が育まれる帯状回に侵入して悪さをすれば、ひどい周辺症状を伴う認知症になるから気をつけるべしと繰り返しアピールしているのが本誌です。
 このことが膵臓に起これば糖尿病です。本来の植物食性を意識せず、肉食が増えるに従い生活習慣病が増え、それに検査と投薬で儲かる経済を成り立たせているのがいわゆる西洋医学の医療の世界で、医者の数も増え、国の財政を疲弊させるほど医療費はうなぎのぼりになっているのに、治らない病人は増える一方というのが現状です。
 今回の番組も厚労省が今年の6月に、日本に認知症の患者が予備軍を含めると800万人を超えていると発表したのを受けての特番でした。
 1年前の6月、同じ厚労省が「我が国の認知症は305万人を超えた、10年前の2倍になっている」と発表したのを受けて各テレビ局が昨年秋、認知症特集を盛んに組んだことを思い出すと、認知症の更なる急激な増加には本当に驚かせられます。
 夏が暑いと冷たいものを飲食する人が増えるので、今年の猛暑後の来年今頃、認知症は予備軍も含めると1千万人を超えているという発表があっても不思議ではないのではありませんか?

「肉食は危険」の もう一つの根拠

 日本人同胞の劣化がここまで進んでいる背景には、日本人に合わない肉食の増加があるのです。しかも偽装というかなんというか、中身は粗悪な肉を高級肉と騙されて食べているのが現状です。偽装ではなく、まともに見える肉でも、ひどい餌で育てられているものがほとんどです。草で育てるべき牛も、早く安く肥育させるため、上手に消化できない穀物を与えるのです。ひどいケースでは肉骨粉のごった煮で狂牛病。とにかく安くというので、体というか健康に良くない肉しか大衆の口には入らない流れが作られているのです。
 認知症にしても全身の血管が動脈硬化を起こし、血流が悪くなって酸素が脳に十分回らなくなって、認知症になってしまう人がかなり多いのです。動脈硬化になれば血圧が上がります。今の西洋医学万能の医療の世界では、
そうなった人に検査と高血圧薬をすすめますから、血圧は下がるかも知れませんが、薬で全身の血管が拡がるので、当然、下半身の血管も拡がり、血は重たいので体内で下に下にと落ちて来ますから、脳にいくべき血液量が減ってしまい、結果、認知症は余計増えるのです。脳の血液の流れも血圧が下がって穏やかになれば、血栓という血管内のゴミを勢い良く流せなくなり血管を詰まらせるので、認知症増加に輪をかける方向にいきます。
(後半来月号につづく)