物忘れ・認知症20

歯周病と糖尿病と 認知症

 最近NHKニュース(10月27日朝7時の「おはよう日本」)でも取り上げられましたが、歯周病を糖尿病の合併症として捉える気運が生まれ、例えば徳島県などでは糖尿病の人に歯科医師と医師の両者が協力し合って歯周病を治療すべく当たっていく協働関係が生まれているということです。
 歯周病は糖尿病の人だけがなるわけではありませんが、大人の7割近くの人がかかっているともいわれ、2000万人超といわれる糖尿病の人の多くが歯周病になっている実情があるようです。
 今回は歯周病があると糖尿病になりやすく、認知症にもなりやすいので、認知症になりたくなければ糖尿病・歯周病を治しましょうという話です。
 糖尿病と歯周病を解決するために、医師と歯科医師が協働して下さることは、それはそれで結構なことですが、歯周病にならないようにするのに一番大事なのは、医師や歯科医師にかかることではなくて、各々の正しい歯磨き習慣ではないでしょうか?
 生活習慣病とは腸内や口腔内の常在菌による全身の細胞内感染症であるという西原克成先生が喝破され、本誌が共鳴しつつ国民に広めようとしている考え方では、歯周病は糖尿病だけでなく認知症のもとでもあるということになります。
 口腔内におびただしい雑菌が棲みついていない人はまずいませんが、その中にPg菌(ピージー菌)とかAa菌(エイエイ菌)とかいわれる歯周病菌が勢力を張っていると、その人は遠からず歯茎に炎症が発生してしまいます。これが歯周病の始まりで、歯と歯茎の間の歯周ポケットが次第に深くなると歯槽骨もやられ、歯もグラグラしてやがて抜け落ちていきます。
 もしこのような歯周病があれば、それだけで脳動脈は次第に硬化が進行し、脳内血流もそれにつれて悪くなり、脳梗塞や脳塞栓のリスクが大きくなり、認知症も時間の問題となっていくのです。
 よく、高血圧は動脈硬化の原因になり、動脈硬化があれば、高血圧は増悪するといわれますが、このような悪循環な関係が、歯周病と糖尿病の間にも見られるともいわれるようになってきました。
 つまり、歯周病があると、そこの歯茎の炎症を抑えるために免疫細胞から出てくる消炎物質TNFαが、困ったことに血中を流れるインスリンにも作用して、その効きを悪くしてしまうので、血糖が細胞内に取り込まれにくくなり、血糖値が長時間高止まりになるという流れで、糖尿病と判定されたり、重症化したりして合併症を次々に引き起こしていく要因になるのです。
 インスリンは出ているのですが、その働きが悪いのですといわれた人は、歯周病を治すことが先決です。
 歯周病になると、歯垢や歯石に発生するPg菌とかAa菌と命名されている悪玉歯周病菌がとても増えています。これが歯茎に炎症を起こすとともに、炎症部から容易に血液の中に入り込み、時には顆粒球の中に潜んだりして全身に回るようになります。血液のいかない内臓はありません。膵臓のランゲルハンス島に、この悪玉菌が到着すると、そこに炎症を起こさせたり、炎症をひどくさせたりして、インスリンの量を減らしたり、はたまた消炎物質がインスリンにくっついてその働きを妨害して糖尿病を発症させたり、悪化させたりするのです。
 Pg菌やらAa菌という歯周病菌は血液の中を流れながら、動脈の内側から血管に取りついて動脈硬化を本格化させることも知られてきました。この歯周病菌は心臓内では弁に取りついて疣をつくらせ血液の流れを乱したり、それがはがれて脳内に運ばれていくと、脳塞栓を起こすので、これがまた認知症の原因になったりするのです。
 げに恐ろしきは歯周病ということですね。

万能清潔剤 シーエナジー

 ちなみに、こうしたことが視野に入ってきた頃、「シーエナジー」という万能清潔剤を歯磨きとして使用すれば歯垢はもちろん歯石もきれいに姿を消してしまうという情報が飛び込んできました。
 認知症になりたくない古稀を迎えた一人として、早速愛用。味はとてもじゃありませんが良くないです。しかし、これが我慢できる方は、歯ブラシに少々つけて軽く磨いたあと、しばらく口の中でクチュクチュしてみられたら良いと思います。
 衣類の洗濯にシーエナジーを使う時でも、この万能清潔剤は浸け洗いが基本なので、歯と歯の間をこの泡液が通るようにクチュクチュして時間を稼げば、その間に、歯と歯の間や歯周ポケットの浸け洗いが自然とできて、そのあたりを清潔にするのにも、とても良いと思われます。

ヒトの食性に合った 食生活を!!

 歯周病が良くなって糖尿病も良くなったという体験談がNHKのニュースなどでも報じられていましたが、それはそれで喜ばしいことですが、それでも、それですべての糖尿病が良くなることはないでしょう。
 食生活の欧米化、つまり日本人を含むアジアの人々がアメリカ式の肉や卵、乳製品をたくさん食べるようになるに従い、糖尿病が驚異的に増え、若者の間にも止めどもなく増えてきたというのですから、まず、この食生活の大きな傾向を伝統食の重視に引き戻すことに着眼しなくては糖尿病の呪いから逃れることはできないのです。
 この地球上のあらゆる動物には、本来何をエサとしているかという食性があるわけで、我々ヒトも食性を持っており、それは絶対に肉食動物ではなく、元々は、もっぱら植物一辺倒の食性を持っていたという、人類のアフリカでのデビューの歴史を忘れてはいけないのです。
 ヒトの遺伝子の99%は、食べ物の95%が植物であるボノボと同一であることは、本来ヒトの食性がボノボ同様の植物食である証拠なのです。
 それが、様々な歴史的事情から地上生活とともに次第に雑食になり、そして本来の食性が植物一辺倒であったことを忘れ、調理に火も使い、動物性食品の多食を当然のこととする空気の中で生活させられ、今では肉食動物もしっぽを巻くくらいの多量な動物性食品を食べる生活習慣を好むようになって増えてきたのが糖尿病なのです。
 動物性食品は消化が苦手な人類は、どうしても悪玉菌を腸内・口腔内に増やし自家中毒の危険性が増すとともに、冷たいものを好んだり、口で呼吸する時間が長引くにつれて悪玉菌が腸粘膜や口奥の扁桃腺や歯周病部から多量に血中に入り込み全身に回って様々なトラブルが引き起こされるのです。日本の糖尿病人口、2000万人といわれる現実は、まさに食性を無視した食生活のツケです。
 この糖尿病が歯周病の多発を招き、それが動脈硬化や認知症を招くということになれば、糖尿病を治す工夫にもっと拍車をかけて然るべきでしょう。

糖尿病対策には 微弱放射線 ホルミシス

 現代医学からの提言は、食事療法・運動療法・薬物療法ですが、この食事療法はカロリー制限に重点を置いたもので、ヒトの食性に着目したものではありませんから、これをどんなに一生懸命やったところで糖尿病が治ることは期待できないのではないでしょうか?
 私たちは、ヒトの食性に着目し、菜食をベースに発芽発酵玄米食、納豆や豆腐、糖尿病の人は亜鉛・マグネシウムをはじめ大事なミネラルを2倍以上尿から排泄してしまうので、適切な運動療法とともに、微量栄養素は総合サプリメントを愛用することを基本とした食事療法と、ラドンガスを吸ったりラジウム石を身につけたりして微弱放射線を浴びる療法が有効であると説いてきました。
 残念ながら、3・11のフクシマ原発事故をきっかけに、放射能に根拠なく恐怖心をもたらす暴風が吹き荒らされ、人類に光明をもたらす微弱放射線ホルミシスの灯火が見えなくなるばかりの風潮がつくられています。
 しかし、宇宙誕生とともにあったウラン・ラジウム・ラドンという放射線エネルギーの微弱なものは、浴びているうちに遺伝子修復遺伝子を活性化させたり、体内の酵素活動を5割増しにさせるほどのパワーが知られているのです。
 このパワーを活学活用することが糖尿病を解決し、歯周病もシーエナジー歯磨き習慣もプラスに働いて、結果的に認知症知らずで天命を全うできれば万々歳ですね。