物忘れ・認知症N

認知症とオルゴール療法

 最近、オルゴール療法なるものが私どもの視野に入ってきました。詳しくは来月号のインタビュー特集をお読みください。
 従来、オルゴールというと、食堂のバックグラウンドミュージックとか玩具の宝石箱にセットされている「エリーゼのために」、そして浜松の楽器博物館といくつかの観光地のオルゴール記念館くらいしか頭に浮かばなかったのですが、オルゴールをひたすら聴くことが、現代医学でも見放されたような難病を含む様々な病気を、目覚ましく治す力を秘めていることや輝かしい実績を積んできていることを知り、オルゴールの響きがまず脳に好影響を与えていることから、この稿のテーマである認知症にはどうか? ということを今回のテーマにさせてい
ただくことになりました。

「せせらぎ」で 体験可

 熱海の保養所「せせらぎ」でも、これは、認知症やウツ・不眠症を含め、あらゆる健康上の悩みに対処し得る療法らしいということで、オルゴール療法に使われている権威あるスイスのリュージュ社製のオルゴールをはじめ、様々なオルゴールを用意し、希望者がオルゴール療法をじっくり味わってみる道を早速開きました。大いに試してみる価値があるとの判断が得られたからです。

オルゴール療法が 病気を改善していく メカニズム

 生のオルゴール演奏には耳で聞き取れる音をもとにした可聴範囲も越えた複数の倍音を含む高周波・低周波が豊富に含まれているという特徴があります。これは必ずしも耳を経由して脳に響いてくるわけではないので、ツンボのように耳が聞こえない人の脳深部にも好ましい影響を及ぼす力があるとのことです。これは全身の体温が1度程度上がることで証明されます。
 この高周波の響きが脳幹と視床下部の働きを活発にして、そこを流れる血流を大いに促すことがPET(陽電子放射断層撮影法)でも解明されています。耳に聞こえない高周波を含む音の波動が、脳の深いところに配置されている血管を流れる血流を活発にし、脳全般に好ましい影響をもたらすわけなので、認知症に関係する海馬も扁桃体も、少なくともその血流が関係するので、当然その好ましい恩恵を被るはずです。

倍音の秘密

 従来からも、様々な音楽療法というのがありました。それなりに科学的根拠があり、実績も上げてきています。「せせらぎ」でもこれを積極的に取り入れています。しかし、オルゴール療法には、これらとも一線を画す素晴らしい効果が期待できるようです。オルゴールの響きはたいていの人に好かれます。オルゴールの倍音を豊富に含む音の波動は、脳全般の働きを活発化させ、脳にホルモンやら神経の働きでコントロールされている人体全体に好影響を及ぼすようです。特に現代人の多くが愛用している電気的な再生音では、脳の深部に共鳴を起こさ
せる周波数が省略されていることが多く、従来の技術では、オルゴールを生で聴くほどの効果がなくなっていることが多いといわれます(将来はきっと道が開かれるとは思われますが…)。
 オルゴールの音の響きは、気持ちの良いときに出る脳波・アルファ波を検出させ、心身に大きな好ましい影響を与えることも解明されています。私たちに衝撃的な情報を与えてくれたのはオルゴール療法研究会が発行している『オルゴール療法症例集』です。オルゴール療法で改善された症例が実に多岐にわたって収録されています。2002年に『オルゴール療法 原理と実践』として初版が出版され、その後、多くの実際の症例が追記される形で出版されています。オルゴール療法研究会の会員相互間で利用される目的の出版物ですが「本書を読まれ
ることで勇気と希望を得て明日への糧としていただきたいと思います。」という趣旨なので、許可を得てご参考までにアルツハイマー病・認知症の項を転載させていただきます。
 今号では誌面の都合で一例の紹介だけにさせていただきます。

〈症例〉アルツハイマー型痴呆症を解消して元気な顔になりました

 80歳を過ぎた父がアルツハイマー型痴呆症と診断されました。アルツハイマー型痴呆症はMRIで検査するとはっきり分かるそうです。「脳の萎縮が始まっています。記憶が段々薄くなり、計算も難しくなり判断力に異常が現れます」と言われました。事業も多く手がけ成功した元気なおじいちゃんはどこへ行ってしまったのかと思う程に随分と変わりました。これがアルツハイマー型痴呆症、もう歳だから仕方がないと思いました。おばあちゃんの疼痛と筋肉痛を治す為に、広島から二人を呼んで、1ヵ月間オルゴール療法に通いました。おばあちゃん
の治療の為でしたが、アルツハイマー型痴呆症のおじいちゃんを広島に一人でおくことが出来ず一緒に毎日通いました。療法が始まるとすぐに、暑がって、洋服を脱ぎ出してランニングシャツだけになります。
 時には裸になり暑い暑いと療法ホールの一番うしろの長いすに横になり、退屈すると歩き回りました。4週間毎日のようにオルゴール療法に通いました。ある日突然おじいちゃんがいなくなり大騒ぎになりました。見知らぬ土地でどこへ行ったのか当てもなく途方に暮れました。ところが夕方になって本人から電話があり、広島の自宅に戻っているよと言われて驚きました。新幹線で2時間も離れた自宅に、バスと地下鉄と新幹線とタクシーを乗り継いで一人で戻っていたのです。その後、医師の診断で簡単な計算をしましたところ、即座に正確な計算が
出来て驚きました。娘の私より早く引き算が出来たのです。医師から「この方はアルツハイマー型痴呆症から抜けている」と言われて驚きました。この1ヵ月間オルゴールしか聴いていませんから、他からの影響は思い当たらない。 MRIで検査すれば誤診はないと聞かされていましたから誤診ではないと思うのですが信じられないのです。それにしても痴呆の時と表情が全く変わって、事業をやっていた頃の元気なおじいちゃんに戻って驚きました。
40歳代女性 吹田市

コメント

 脳の萎縮が進み、痴呆の症状が起こる原因が未だ不明の病状だそうです。この方はオルゴール療法が始まると、すぐに洋服を脱ぎ出す程暑いのは、全身の血流が促進され、脳の末梢血管にまで酸素と栄養素を運び、血流量を大きく変化させて、細胞を活性化させ、その結果、脳の萎縮が止まり、快復の兆しを見せていると想像されます。
 他の症例も、常識では考えられないものを多くオルゴール療法が輩出していることからこのアルツハイマー型痴呆症の症例もオルゴール療法の顕著な例として上げてみました。どの段階のアルツハイマーが1ヵ月で治ったのかの検証が急がれますが、あるドクターが「末梢血管まで血流が大きく促進され細胞を発芽させることは考えられないことではない。直ぐには信じられないが」とのご意見です。ご希望を持って取り組まれることをお奨めします。