健康セミナー健康講座

─ヒトはなぜ生活習慣病になるのか
その1 生活習慣の何が問題になるのか ──腸内細菌による細胞内感染症

イノチの定義と 病気の概念

 本誌で長期連載をお願いしている西原克成先生は、ヒトを含む高等生命体のイノチとは何かについて次のように定義づけておられます。
 「高等生命体は、蛋白質・核酸・糖・脂質等の高分子物質のコロイド状の水溶液から成り、リン脂質の膜に境された細胞の集合体であり、ミトコンドリアが行う細胞呼吸のエネルギー代謝とともに自らの個体をリモデリングしてエイジングを克服するシステムです。」そして病気についても、この定義から考察していかれます。
 結論は「疾病を細胞レベルで考えると、病気とは、何らかの理由で細胞呼吸のミトコンドリアの働きが障害された状態を言う。」とされます。

ミトコンドリアの 機能障害

 西原先生は、「恒温動物のミトコンドリアの活動には湿度依存性と、すべてのビタミン・補酵素・ミネラル・アミノ酸・脂質・糖質などの栄養素に深く依存している。」とされた上で、「ミトコンドリアは太古の原核生物の細菌が真核生物に寄生したものであるから、非病原性の腸内常在細菌やウイルスは自在に細胞内に入ってミトコンドリアとともに生き続ける事ができるのである。これが細胞内感染症である。これが進行するとミトコンドリアの機能が障害される。」とされます。

五種の障害と 病因の特定

 そして、細胞レベルの病気の原因となるミトコンドリアの働きの障害を
@温熱・気圧・重力エネルギー
A栄養欠乏
B毒性物質
C病原微生物の感染症
D常在菌の細胞内感染症
の五種類に整理されておられます。
 そして
@は問診で、冷たいもの中毒・短眠による骨休め不足などが見つかればそれが病因と判断する。
Aはサプリメントとの共鳴で判断する。
※この共鳴共振は、「せせらぎ」のスパイラルMK5でも判定できますし、Oリングテスト等の各種キネシオロジーでも判定できます。西原先生はOリングテストを主に使っておられます。
B毒性物質は解毒物質との共鳴共振で判断できる。
C細菌毒性は抗生物質との共鳴共振を調べればわかる。
D腸内常在微生物の細胞内感染症は、ビヒズス因子・微量の抗生物質や抗ウイルス剤との共鳴共振現象で判定される──としておられます。

免疫病の正体!

 そして、がんを含めた難病とされる免疫病は、──自分の腸内常在菌による細胞内感染症(40年前には、すでに医学界ではその存在が知られていた)で発症する疾患──のことであるとされます。
 腸内常在菌による細胞内感染症は慢性風邪症状の疾患群であり、軽症例としては、大人では日和見感染症と呼ばれた病気、子供では自家中毒症といわれた病気のことで、重症例ではサルコイドーシス・好酸球肉芽腫症等の疾患が知られています。
 冷たいもの中毒と口呼吸では腸内常在菌が白血球にかかえられて血中を巡り、種々様々な器官の細胞内感染症を発症するので、これを改めさせるとともに、体温の上昇(三七・二度C)をはかり、有効なビヒズス因子・抗生剤・抗ウイルス剤を投与する。
 そして、治った場合には、これらの原因で発症していたと、「治療的診断」されます。
 「これらは世界的な高度経済成長の結果のアイスクリーム・冷房等を原因とする中毒と口呼吸と働き中毒の骨休め不足により、驚くほどに劇症化した結果、原因不明の『わけのわからない難治性の免疫疾患』とされたというのが実相だったのです。ここまで究明されれば、手遅れにさえならなければ治療も予防も可能になります。」と喝破しておられます。

私どもの奮闘

 私どもは、以上記述させていただいたこうした西原先生のご見解に賛同して、何とかこの疾病観、健康観を国民の共通認識にもっていこうと奮闘しているつもりです。
 腸内細菌は、腸の壁が健全性を保っているならば、大便とともに体外に排出され、腸の壁をすり抜けて人間の体内には入って来ないのが原則です。ところが腸の壁の温度が冷えたとき、炎症を起こしたときには、この限りではありません。

ヒトは本来 植物食性
──動物性食品の 危険性──

 ヒトのルーツは高等なサル、霊長類です。その代表格ゴリラとは遺伝子ゲノムは97%以上同じだとか。約六万年遡れば、ヒトはゴリラと生活圏を共有しており、ヒトのルーツの食べものは、アフリカに行ってゴリラの食べものを見ればおおよその見当はつくのです。
 体重百キロ、二百キロというゴリラも食べものの95%は果物、木の実、若い葉っぱといった植物です。つまり、ヒトはゴリラ同様、広葉樹の樹冠を生活空間とする植物食性の生きものとして、この地球上に登場したのです。
 その後、地上で二足歩行する生きものとしてデヴューしまして、必要に迫られて肉食も含む雑食をするようにはなりましたが、エサをつかまえる手の先の爪の形、かみくだく歯の形、そして腸の形は植物食性の名残りをよくとどめています。したがって動物性食品は本来的に消化がスムーズに行かず、少し量が増えると腸内で異常醗酵をしてしまう人が多いのです。
 つまり消化されれば栄養になるものも、腸内で腐敗してしまえば、悪玉菌の温床となり、アンモニアガス・硫化水素ガス・インドール・スカトール等の腸の粘膜に炎症を起こさせる毒ガスのもとになります。
 腸壁は炎症が起きれば腸内細菌を透過させます。そして全身をめぐるリンパ液や血液などの流れにのって全身の器官、それを構成する細胞内に入り込めば、これが病気の定義にある「腸内常在微生物の細胞内感染症」そのものということになります。

万病があっても…
──豚・鳥 インフルエンザ につけても──

 どこの器官のどの細胞が、数百種はあるといわれるどの種類の「腸内常在微生物」に侵略されるかによって病名は様々となります。病名は何万種類あろうと、共通項は意外と少なく絞られます。
 腸に炎症を起こさせない、腸を冷やさないという二つを守るだけで、病気の悲劇はグンと減ります。
 ヒトは植物食性の動物であるという認識をもてば、卵・肉・乳製品に栄養があるという、小さい頃からなされてきた教育は全くの間違いであったということは誰でも気がつくことは可能です。
 薬でも食品でも、巨大な利権構造になってしまった今では、教育体系というか洗脳体系というか、しっかり出来上がったものになっており、それをひっくり返すのは至難の技といわれますが、鳥インフルエンザ・豚インフルエンザで、数千万人の死を予測でき得るほどになってしまった今、肉食・動物食を是とする「常識」をガラガラと音をたてて崩れさせることは決して不可能ではありません。
 あのベルリンの壁さえも壊されるときはアッという間でした。命とりの慢性疾患に悩まされる人が増えざるを得ない今のヒトの食性を「雑食」とみなす公認食教育体系がひっくり返るのは時間の問題と見るのは甘すぎるでしょうか?