健康セミナー健康講座

─ヒトはなぜ生活習慣病になるのか
その1 生活習慣の何が問題になるのか ──細胞内感染B

ヒトの腸は 草食動物型

 人間の遺伝子の97%以上は、一千万年前のヒトのルーツである草食動物のゴリラそっくりだっていいます。
 人間の腸はクネクネクネクネ、皆さんの腸は8メートルから9メートルくらいありますからね。もう明らかに草食動物の腸です。
 つまるところ、ヒトは草食動物の遺伝子をもち、爪も歯も腸も、明らかに草食動物の形態をしています。
 肉食動物はトラやライオンもネコ科の動物ですが、ネコが肉食動物のチャンピオンです。だから爪の形、歯の形は、ネコに肉食動物の特徴がよく出ています。ネコの爪ってえらいとがっていますし、歯は全部牙ですよね。
 けれども、皆様の奥歯は牛や馬とよく似ていまして、臼のような平らな歯。前歯は草しか食べないウサギの歯にそっくりなんです。
 このように、皆様の爪も歯も草食動物の形をもち、腸も、遺伝子も草食動物。ですから、一万年以上の雑食の歴史を積んできたと言っても、動物性食品を食べても上手に消化をする消化液・消化酵素が肉食動物ほど出てこないんです。
 腸に棲みついている腸内細菌も動物性食品を食べると、悪玉菌が優勢になりやすい。

オナラの悪臭こそ 生活習慣病の元
〜悪臭ガスが 腸を障害する〜

 特に日本人は、野菜と穀物と少々の魚で暮らしてきましたから、腸も、より肉食を多くしてその食事に適応してきた西洋人に比べると長いままだし、動物性のものを食べても上手に消化ができない人が多いんです。
 消化がうまくできないというのはオナラや排便のにおいが臭くなるという結果を招きます。卵を食べた後は、多少とも腐った硫黄臭がします。そのにおいですね。
 硫化水素って、洗剤を組み合わせるとできるんですね。それを使って、この頃自殺をする人が増えてきたっていうのをご存じですよね。あれで自分も死ねるし、人殺しをした犯罪人も現れました。
 百年前の第一次世界大戦では、塩素の毒ガス弾を使いました。打ち込まれた兵隊さんの皮膚は、劇症型のただれ、つまり炎症が起きました。
 硫化水素だってただれます。皆さんの腸は、臭いオナラが出るような状況だと、腸が炎症を起こし、ただれてくる危険性があるということです。
 お肉を食べ過ぎて消化能力を超えた部分が腸内で腐敗をはじめればアンモニア系の臭いにおいがするようになります。冷やしたり、動物性の食品を摂取していると、臭いオナラがするほど腸を荒れさせる。腸が荒れたり冷えたりしたらどうなるんでしたか?
 腸内細菌が100兆から1000兆個も、体外ではあっても腸管内に棲みついてますし、動物性食品が腐敗すると悪玉菌が勢力を増やしますから、それがバリアが働かなくなった腸の粘膜をすり抜けて、わーっと大量に人間の体の内部に入ってきます。迎え撃つ白血球にとっては多勢に無勢となる。抑えきれず全身内に回られて細胞内まで感染する、これが病気、つまり多臓器にわたる細胞内感染つまり生活習慣病の元なんです。
 だから私どもは皆様に病気になりたくなければ、「臭いオナラをするような生活習慣は見直さなければ駄目ですよ」と声を大にして叫び続けているのです。
 食べ物の選択が良くて、腸内細菌の状態も良ければ、排便のにおいはうっとりするほど好ましいにおいがします。「そんなにおいの排便でないと危ないぞ」と言っているのは、腸の壁が冷えたり、炎症を起こすようになると、バクテリアや有害菌やウイルスだけではなく、いろんな有毒分子が腸の壁から多量に入ってくるからだと言っています。
(つづく)