免疫力を高める合宿Q
発芽玄米ご飯について
玄米の発芽の仕方も 変わりました
熱海のお元氣保養所「せせらぎ」(お元氣食育養生所より改名)は、新年よりの改名と同時に、ご飯も、玄米そのままを数時間で釜の中で発芽させてからそのまま炊き上げる「発芽電気圧力釜」で炊く方式に切り替わる運びとなりまして、その発芽玄米ご飯をいただくことになりました。
今までも主食は発芽玄米ご飯でしたが、家庭用精米器で玄米の糠にホンの少し傷がつく程度搗いて、糠が破れたところから水を浸透させ、短時間で胚芽に水分を到達させ発芽させて普通の炊飯器で炊いていました。これも発芽玄米ご飯ではありましたが、その問題点は発芽率が不安定であったところでした。
今回の方式は炊き上がる六時間以上前に炊飯器に玄米と水をセットして自動的に発芽最適温度にして約四時間で発芽させ、その後、引き続き何も手を加えず自動的に炊いて蒸らす方式ですから、発芽能力のあるコメはほとんど発芽してくれるわけです。
ほとんどの方が 美味しいと評価
玄米ご飯は、白米ご飯になれている現代人にとっては、初めて食べるとき、コクがあって美味しいという人もいれば、口触りがモソモソするのでやっぱりイヤという人もいます。炊き方が下手だとボソボソしますし。
美味しく感じるかまずいかは、お好みですから、人それぞれ違うと思いますが、新しい方式で上手に炊いた発芽玄米ご飯は、口の中であまりモソモソせず、普通の玄米ご飯が好みに合わないという人でも、これなら無理なく美味しく食べられるという程度になっていると感じる方がかなりおられるようで、召し上がった方の評判もお蔭様で上々です。
案ずるより産むが易しで、結果論としてはこの切り替えは大成功だったと自賛しています。今回はこの発芽玄米ご飯の話をさせていただきます。
発芽玄米ご飯の効用
私どもの自然食ニュースで大々的に発芽玄米について取り上げたのは今から八年前、当時、信州大学教授であられた茅原紘先生のインタビュー「美肌からボケ予防まで発芽玄米の驚くべき効用」からです。
玄米ご飯と発芽玄米ご飯では、その中に含まれる機能成分が大幅に違い、ボケを防ぐPEP阻害物質や血管を若返らせるギャバ(ガンマアミノ酪酸)もかなり増えているというお話でした。
増える機能成分の他に、発芽の過程で、姿を消したり減る成分もあり、これはむしろ好ましいのだという話も語られるようになりました。
また、この話は同時に、発芽させていない単なる玄米を炊いた玄米食は好ましくない成分を含むが故に、やめた方がよいのだという説の論拠にされたりもしてきました。
アブシジン酸の問題
その姿を消す成分の代表格が発芽抑制因子としても知られるアブシジン酸です。
時期が来るまで発芽・成長をさせないようにブレーキをかけている植物ホルモンのアブシジン酸は雀でも人でも消化過程に邪魔となり、下痢気味にさせる微弱毒性物質の一つではないかともいわれています。雀は稲の稔りの種である玄米を食べますが、雀に食べられて遠くまで運ばれて、消化がうまくいかなくて発芽能力が残った種子はフンとしてまかれるので、一度は食べられてあわやとなっても一粒万倍の基となるタネとしての本願が、何とか達成されるということがあるわけです。
食べられたリベンジに雀の胃腸での消化を妨害して雀に結果的に種まき協力をさせ、種の保存、子孫繁栄というタネの本願を達成するという自然界の妙を見せられることがあります。玄米ご飯を食べていて消化が悪いとか嘆いている人がたまにいらっしゃいますが、よく噛んでいるのに消化が思わしくない方は、玄米ご飯に含まれているアブシジン酸その他の類似発芽抑制因子のせいかも知れないと考えられないでしょうか?
この発芽抑制因子は条件が揃って発芽しはじめると自然と構造が変わり消えていきます。つまり発芽玄米には含まれていないのです。玄米食は一度はやってみたが美味しくないし消化も悪かったという人は、是非、この発芽玄米ご飯を体験していただきたいものです。
茅原先生のお話
自然食ニュースの茅原先生インタビューによれば、発芽玄米は血圧調整作用(高血圧も自然と下がる)や神経の鎮静、中性脂肪を抑えるギャバ(ガンマアミノ酪酸)が豊富、便秘解消・大腸ガン予防の食物繊維もたっぷり、アルツハイマー病の予防・改善が期待できるPEP阻害物質もかなりあり、その上イノシトール、フェルラ酸、トコトリエノール、フィチン酸などの強力な抗酸化物質の摂取も期待できるというのです。
これらは単なる玄米食では得難い成分で、発芽玄米にして初めて摂取が期待できる成分です。
これらの成分は、互いに協力しあって血液をサラサラにした上、動脈硬化を防いで血管を若返らせてくれる成分でもありますから、主食に常時、発芽玄米ご飯をいただくというのは、とても大事な選択なのです。
ぜひ、熱海お元氣保養所「せせらぎ」で、百パーセント発芽玄米ご飯って、こんなに食べやすくて美味しいのだという体験をしていただき、以後ご自宅でも続けていただくきっかけにしていただけたらと念じております。
ミネラルの吸収が スムーズに
最後にもう一つ、ミネラルの摂取しやすさが格段と向上していることも発芽玄米の良さを語るとき落とせません。高血圧を防ぐカリウム、骨粗鬆症を防ぐカルシウム、動脈硬化を防ぐ亜鉛、心臓病を防ぐマグネシウム、貧血を防ぐ鉄分など、玄米には大事なミネラルが結構含まれていますが、フィチン酸などでブロックされて食べた人間や動物がうまく活用できないという問題があるのです。
それが発芽の過程でブロックがほどけ、遊離してくるので、発芽玄米ご飯を食べると、これらのミネラルの吸収がスムーズにいくことが期待できるのです。ミネラルは宝です。持ち腐れさせないで吸収・活用するには、種子を発芽させて食べるというのは本当に良い方法なのですね。