免疫力を高める合宿

正常体温の確保 その2
〜貴石の間、HSP、炭酸ガス風呂など〜

 先月号では低体温だと危険、「冷え」の概念がない西洋医学、「ミトコンドリア」博士西原克成先生の教え、「ヒト」の食性を重視すべしの四項目について述べさせていただきました。今月はその続きで、熱海のお元氣食育養生所で実際成果を上げている「冷え性」対策について述べてみます。

冷え性の方もアッと 驚く「貴石の間」
秘密は質量数222の 微量微弱ラドンガス

 先月号で述べた事を踏まえた上の話なのですが、養生所の「貴石の間」って凄いなぁという体験が次々得られるようになってきました。体温が34度台の方が「貴石の間」を一日ご利用になっただけで体温を測ってみたら36・5度になっていてビックリということもありました。
 「貴石の間」にずらりと400枚並べたドールストーンが持つウラン系ラジウムというのは、街で最近よく見かけるトリウム系ラジウムの岩盤浴とは違い、それが壊変して得られる気体元素ラドンの質量数が222あり、半減期が3・8日なのです。
 つまり、ラドンガスが吸気によって血液やリンパ液の流れに取り込まれて全身を循環して回り、至近距離から細胞膜や遺伝子にアルファー線、ベータ線、ガンマ線で好ましい作用をする時間的余裕があるということです。街の岩盤浴などで見られるトリウム系のラジウムでは、得られるラドンの半減期が58秒しかないので、このような経路での好ましい効果を上げることは期待できないということです。(もちろん、放射線が外部から照射され細胞膜や酵素、遺伝子などに当たって好ましい効果が上がることはありますが、内部からの働きかけが期待でき
ないので効果はウラン系の半分もあれば良いということになります)
 微量微弱なラドンガスが全身の内部に入り込んで循環し、ホルミシス効果が上がれば酸化してしまった細胞膜も還元されて透過性はよくなり、遺伝子修復遺伝子の活動も放射線の衝撃を受けて活発になり、体内酵素の活性度もグンと上がり、ホルモンバランスも高いレベルで整えられるというのですから、ミトコンドリアも順調にエネルギーの渦を回転させるようになるわけです。それらの好ましい影響で、体温も次第に上がり、正常化して、冷えも自然と消えるケースが増えたとしても何の不思議もありません。
 ガンの放射線治療の百分の一程度の放射線を、長い時間をかけて浴びる微量放射線ホルミシスでは、体内の抗酸化酵素が数倍、数十倍以上も活性化するので活性酸素も悪さができないようになるとか、体内で働く160ものホルモンが2割増し、3割以上増しとなるものもあるので、体の活性化が半端でなく調子がよくなることが期待され注目を浴びているのです。結果として奇跡と思えることが起きても、ちっとも不思議ではないのが「貴石の間」での深呼吸、横隔膜呼吸をしながらのメディテーションや音楽療法です。
 養生所に泊まりがけでいらっしゃれば、お一人で約二時間弱の標準的「貴石の間」入室時間も、ご希望で大幅に増やすことも可能です。
 さらに、養生所では、確実に効果を上げていただくために六泊七日の一週間コース(特別サービス料金・45000円)を設定しました。最近になって、一週間コースを毎月定期的にご利用になる方がぼちぼち出始めたことは、免疫力も確保できる正常体温を維持できる人が増えてきたということでもありますから、誠に喜ばしいことと考えております。
 次第に日照時間も減り、これから冬に向かいます。如何に地球が温暖化してきたとはいえ、油断したら体の芯まで冷える寒い日が続くことを考えなくてはなりません。体の冷えも悪循環の要素がありますから、冷えが冷えを呼ばないよう、冷え性になるきっかけを作らないよう、おしゃれ心で度を超した薄着などされないよう、また、体温より低い温度の飲食物を摂らないよう特にお気をつけください。多くの人は何故か冷たいものが大好きです。ビールとかアイスクリームとか。こういうものに遭遇してしまったら、原則「飲み食いしない」、例外、「
一口だけであとは捨てる」という生活信条を作ってしまいましょう。

遠赤外線ドーム装置 によるHSPの産生

 それでも、体温がスムーズに正常化しない人はどうしたらよいのでしょうか?
 養生所にはそのきっかけをつかんでいただく奥の手があります。各部屋に一台ずつ設置してある遠赤外線ドーム装置です。
 ベッドに寝ながら、この装置を働かせれば、体を包み込む広い面積のドームで、体外から満遍なく遠赤外線照射を受けることができ、骨の内部など体の深部まで温まります。
 従って一時的に誰でも冷えはなくなります。冷え性の人は装置から出れば、はじめはしばらくするとさめてしまいますが、毎日一時間程度の遠赤外線全身ぬくぬく法を繰り返しているうちに、一週間も続ければ体熱を正常範囲にいったん落ち着かせることが期待できます。つまり、冷えの悪循環を断ち切ることができるのです。
 この方法で舌下で計る体熱が38度程度を毎回一時間程度維持できれば、ほとんどの細胞内にヒートショックプロテイン(HSP)ができ、このことで体の調子がガラッと変わることも期待できるのです。おびただしいHSPの産生とその働きで、細胞内蛋白質の構造異常が正常化して、すべての細胞が本来の働きができるようになるからです。
 この方法で冷え性を含む、ほとんどの病気が快方に向かうことが期待できるのです。

お風呂作戦
高濃度炭酸ガス風呂・ 交流還元風呂・ エレン温浴

 養生所には月並みな温泉の効能を越えた「高濃度炭酸ガス浴」や「交流還元風呂」、「エレン温浴」があります。
 一人の人に6万キロ以上もあるという毛細血管は、細胞に栄養と酸素を供給し、細胞から老廃物を取り去る現場です。
 その毛細血管は内径が6ミクロン程度といわれ、直径7ミクロンの赤血球を折り曲げて通すのが精一杯です。この現場での血液の流れが悪いと手も足も冷たくなり、冷え性に輪をかけます。ところが、1000ppmという高濃度の炭酸ガス風呂に入浴すれば、皮膚呼吸で炭酸ガスが吸収され、毛細血管はその影響で、およそ二倍の内径に拡張するので、赤血球の通りはたいへん良くなります。毛細血管の循環が良くなったことは、どなたの肌も、このお湯に浸かったところはピンク色になることでわかります。一番抵抗性の強かった血管の血の巡りが良
くなるので、当然全身の血流が良くなり、細胞への酸素供給は抜群になりますし、老廃物の取り去りも俄然良くなります。
 また、白血球の追求を免れていたバイ菌、バクテリア、ウイルスの類も勢力を大きくそがれることが期待できます。白血球は本来体内の異物の存在を許さないのでガンとも戦って何とか消滅させようとしてくれるのです。
 私たちの体は、しっかりした栄養供給と老廃物ぬぐい去りをして、正常体温で免疫力を上げた血液が内臓内深部までしっかり巡れば、居付いていたバイ菌・ウイルス・バクテリアも居付き続けることはできなくなるようにできているのです。
 そして毎晩成長ホルモンの分泌に応じて新陳代謝が活発になり、ボロになった細胞群が脱落して新品同様の細胞群に入れ替われば、内臓も血管も年相応の若さまでは若返り、百歳を回った天寿を全うするのに王道が開かれるわけですね。