免疫力を高める合宿 K

高濃度炭酸ガス温浴

 熱海のお元氣食育養生所は、お風呂をリフォームし、浴槽を二つに増やしたのを機会に、奥の浴槽を交流還元水生成装置を使った、よく温まる還元温浴としました。
 奥の浴槽に約10分入っていただいた後、手前の浴槽で1000ppmを超える高濃度炭酸ガス全身浴を約5分していただくことで、今までの単なる炭酸ガス足浴より、さらに調子が良くなるとご好評をいただいております。
 そこで、改めて高濃度炭酸ガス温浴についてご紹介させていただきます。

高濃度炭酸ガス 温浴で起きること

 まず気がつくのは何とも言えない心地良さでしょう。
 炭酸ガスが自律神経に直接作用し、リラックス効果が得られるからです。そして単に気持ちが良いというだけでなく、浸けたところの皮膚が明らかにパッと赤味が増します。これはそこの血管が拡張し、血行が良くなった証拠です。
 しかし、実は血行が良くなったのはそこだけでなく、全身の血流量が著しく増加しているのです。抵抗が多かった末梢部分の血管が拡張し、全身の血行抵抗が軽くなるからです。
 どうやら炭酸ガスが皮膚から吸収されると、体は酸欠状態になったと錯覚し、より沢山の酸素を取り込むために血管を拡張させるメカニズムにスイッチを入れるようです。
 ぬるい温度なのに血管拡張作用が見られる生理メカニズムの一つには、高濃度の炭酸ガス温浴をしますと、血管内皮細胞がごく微量の一酸化窒素(NO)をつくり、これが副交感神経に働きかけて細動脈血管壁に仕込まれている細動脈を締め上げるコイル状括約筋(これがその先の毛細血管の血流量を決めるバルブの役割をしているわけですが)を緩めて皮膚の血管を拡張させることもあります。
 このようにして細動脈が拡張されれば、末梢血管抵抗が減少するので血圧も下がります。
 そして血液循環が著しく改善されれば疼痛物質や痒み物質、老廃物も上手に排除され、活発な新陳代謝をサポートしてくれます。
 たいして高い温度でもないのに体の芯から温まるので、湯船からあがってもかなり長時間ポカポカしています。
 炭酸ガスが溶けているのでpH4・5〜5程度の弱酸性水質となっていますから、アストリンゼンの肌の引締め効果もあり、しっとりすべすべの美肌効果に驚く方が多いのです。

ヒートショック プロテイン誘導
温熱法としての 温浴法

 体の芯からポカポカと温まるということは、ヒートショックプロテインも誘導できる温熱療法が成り立つということでもあります。
 大分県長湯温泉などの比較的低温での高濃度炭酸泉温泉は、副交感神経優位になるので疲労回復、筋肉痛・関節痛・腰痛などの疼痛緩和、高血圧症、動脈硬化症、リウマチに有効とされています。
 それにリンパ球の数・割合および活性も増しますから、自然治癒力が引き出され、大概の生活習慣病に有効と考えられるのです。
 弱酸性のpHは、外部からの細菌感染を防いでいる皮膚のpHとほぼ同じで、いろいろな方が入るお風呂で心配な肺炎を起こすレジオネラ菌の増殖も抑制されます。
 また、単なる生活習慣病程度ではなく、もっと深刻な身体トラブルを抱えている方には、別途、炭酸ガス等の実費をいただいて38〜41度・30分間の特別入浴法もできるようになりました。これは人工高濃度炭酸ガス温浴装置の良いところでもあります。
 高濃度炭酸ガス温浴治療はドイツなどでは健康保険適応になっており、高血圧、血流障害、心臓療養などの循環器の機能向上、難治性で出血のない外傷、褥瘡、潰瘍などの治療に使われています。
 日本でも、500を超える医療機関に人工高濃度炭酸ガス温浴装置が導入され、その中には人工高濃度炭酸ガス足浴で糖尿病の合併症である閉塞性動脈硬化症による下肢の壊疽の治療に積極的に使い、月間数百症例もの治療を行い、生活指導とも併せて炭酸ガス足浴で手術適応症例の8割程度を治癒している病院もあると聞いています。しかし、ほとんど使われていないのが現状ということです。
 なぜならば、現在の健康保険制度では壊疽の標準的治療法は切断手術であり、人工高濃度炭酸ガス温浴による方法は現状では健康保険制度では認められていないので病院側に経済的なメリットがないからです。残念ながら高濃度炭酸ガス温浴治療は、先見的で良心的な医療現場で細々と行われているのが現実です。

お元氣養生所の モットー

 熱海のお元氣食育養生所では、次の五項目をモットーとしています。
1. ヒトはもともと爪や歯や腸の形でわかるように草食動物系に属し、動物性食品の消化は苦手な生き物なので、その遺伝子に逆らわないよう、食べるものは基本的に米、豆、野菜中心など植物性のもの限定でいく。毎日一兆個もの細胞が新陳代謝で入れ替わる流れこそ病変部が治ってくる原動力であり、毎日一兆個もの細胞をつくる材料の確保という意味で食物はヒトの食性に従い植物性限定でいきつつ順調な新陳代謝に必須である微量栄養素を過不足無く確保するため微量栄養素が総合的にとれるサプリメントを食事のたびに活用する。
2. ミトコンドリアを壊し病変の原因となるウイルス・細菌・バクテリアによる細胞内感染をもたらす大量侵入は冷えた腸と乾いた扁桃腺から起こるのであり、42度以下の低温飲食物は避け、睡眠時も口呼吸は避ける工夫をする。
3. 細胞内蛋白質の異常修正を期待しヒートショックプロテイン多量出現を促すマイルド加温や、併せて遺伝子修復遺伝子の活性化も期待できる222ラドンによる微量放射線ホルミシスを活用する。(貴石の間)
4. 十分な酸素を肺から取り入れるため横隔膜呼吸法を活用する。
5. 自然治癒をサポートする免疫力を最善の状態に持っていけるよう、精神面でも肉体面でも、手当法面でも知識面でもあれこれ工夫し、病苦を乗り越えて元気で天寿が迎えられるようにする。
 そのため食事、貴石の間、遠赤外線ドームとの総合効果を期待して高濃度炭酸ガス温浴が全身浴でできるようにしたのです。この設備の整備を是非皆様の健康づくりと満足のいく人生のための充電基地として生かしていただきたいものと念じております。