免疫力を高める合宿 C

ダイエット志願者 歓迎

 熱海のお元氣養生所では、ダイエットしたいという方の応援も積極的にしています。失敗なく健康的に体重を落としたい方は、是非お出でになると良いでしょう。目標達成まで居続けるというのも時間と経済が許す限り結構なことですが、たとえば2泊3日を1ヶ月に2回とか来られているうちに、目標を達成することはそんなに難しくないと思います。
 人間の体は、時として悪循環に陥りやすいので、たとえば何かのストレスを癒すために、おいしいものを食べてストレス解消(新入社員さんとか学生さんなどは5月頃が一番危ないとか)をしているうちに次第に体重が増え始め、そうなると体を動かすのが余計におっくうになり始め、運動不足で太りに加速度がかかるとか、いろいろありますね。
 面白いテレビで夜更かしして、おなかがすくと眠れないというので、寝る前になにか食べてから休んでいたうちに太り始めてしまったとか。
 こうやって太ってしまった人は、わかっちゃいるけどやめられないタイプですから、余程覚悟を固めて意志を強く持たない限り、なかなか太りにストップがかけられません。

太るわけ

 日本の成人の太り具合はおおむね三人に一人が肥満傾向といわれますから、かつてローマが滅びたように、国家の大破産前の金満状態の一つのあらわれなのかもしれません。
 誰でも消費カロリーより摂取カロリーが多ければ、過剰栄養は脂肪として蓄えられますから、どうしても肥満気味になってきます。この脂肪の蓄積は皮下脂肪ならば大して有害ではないと考えられていますが、腸周りにつく内臓脂肪となると、一定限度を超えると健康に悪いことばかりと考えられています。その限度は体重(kg)を身長(m)の二乗で割って25くらいまでといわれています。普通は22か23くらいに維持しておくのが良いといわれています。

痩せ方は ゆっくりが原則

 摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やせばいいわけですが、一気に落とそうとして無理をして運動に重点を置きすぎると、どうしてもおなかがすきますから、思わず沢山食べてしまい、痩せようと努力したつもりが結果的には逆効果になるということも多いのです。また、急激な体重減少には、遺伝子の監視プログラムにスイッチが入ってしまい、本能的に食べて元に戻そうということになりますので、これは気がついたら、つい余分に食べてしまっていたということになりかねません。これは、よくリバウンド(揺り戻し)といわれるのでご存じ
の方が多いでしょう。
 また、急激なダイエットは免疫力を下げることがわかっています。
 これを避けるためには、1ヶ月1kgとか2kg程度の痩せ方を辛抱強く続けて一年以上の長期計画で痩せていくというのが、うまくいくようです。結局は急がば回れということになるのでしょう。

急激に痩せたい 場合は

 何か事情があって、どうしても急激に1ヶ月に10kg痩せなくてはならないというときは、まず健康を維持するということを一番大事にして、微量栄養素のバランスを保ちつつ、脂肪・タンパク質・糖質の三大栄養素をオフバランスにする半断食が良いでしょう。
 日本人は糖質(デンプン系食品)を大幅にカットすると体重がガクンと減るタイプが一番多く、次にタンパク質の大幅カットで痩せるタイプが多いといわれます。
 いずれにしろ脂肪分は大幅に少なくするのがうまくいきますし、健康にも良いのです。
 だからまず小手調べに主食をいつでもどこでも半分にしてみます。とりあえずおかずはそのままにして。
 これで様子をみます。

こまめにチェック

 チェックは1日1回100gの変化がキャッチできる体重計に乗って、その記録をグラフ化します。最近では50gの変化もわかるデジタル体重計(たいてい体組成計を兼ねている)が、一万円を切って手に入ります。
 これで一週間やってみて、お通じも良く、順調に痩せ始めたら、あなたはデンプン系食品を大幅にカットすると体重がガクンと減るタイプとみて、まず間違いないでしょう。最初は空腹感で口寂しくなるでしょうが、ここは目標達成の暁まで我慢が大事です。間食は厳しく自制しましょう。「茶腹も一時」といいますが、暖かい糖質が含まれないお茶系の飲み物くらいにしておきましょう。紅茶・ホットコーヒーなども、しばらくはミルク・お砂糖をカットしてブラックでいきましょう。
 これであまり痩せない方は、ご自分はタンパク質の大幅カットで痩せるタイプかなと思って、主食は普通に食べてタンパク質系のおかずは一口だけにして、後は残して一週間、体重計とグラフつくりで様子をみてください。これで順調に痩せる傾向がみられたら、それをとりあえず5kg痩せるまで続けてみます。

目標の半分で

 目標の半分までいったら、体の調子全般をチェックしてみて、大丈夫そうだということになったら、後半戦をがんばってみましょう。
 無事、急激に10 kg痩せられたら、その後、一年間は絶対に油断してはいけません。回復するために食べなくてはという遺伝子にスイッチが入って本能的に食べる衝動が繰り返し襲って来ます。これに負けてはいけません。本能を甘く見てはいけません。これに負けたら「元の木阿弥」どころでない、減った分の倍は簡単に太る勢いとなりますし、あなたも中途挫折の精神的ダメージを受けることになります。
 ご自分だけの意志の強さを信じて、ご自分だけでこの急激体重減少法に取り組むのは、おやめになった方がいいのです。どうしてもという事情があるなら、それこそお元氣食育養生所に一度お出でになって、無事に健康を保ちつつ無事に急激に痩せるコツの伝授を受けてからおやりになることです。ビフォアケア・アフターケア付きですすめてください。

アディポネクチン

 それはそうと、体内脂肪の付き方が多すぎるメタボリックシンドロームがちょいちょい話題になっています。ガン・糖尿病から始まって、動脈硬化・高血圧・中性脂肪・高コレステロールなどの数値が高い人は、特にぽっこりおなかに注意してください。
 これに関連して、最近「アディポネクチン」がだいぶマスコミで取り上げられるようになってきました。これは内臓脂肪などからつくられる善玉物質(生理活性物質・サイトカイン)でメタボリックシンドロームや動脈硬化を防いだり改善したりする働きがわかっています。それも多すぎる内臓脂肪からは極めて少量しか出ず、食生活改善や運動などで内臓脂肪が適量まで減ってくるとグンと増えるというから面白いですね。善循環が起こるのですね。ガンが進行すると血中のアディポネクチンが増え、減ると乳ガンなどは予防効果が指摘されるようにな
ってきました。今やアディポネクチンは抗ガン作用も期待される時代となったのですね。ちなみにアディポネクチンを増やしやすい食物の代表は大豆で、内臓脂肪が落ちるような運動でも、よく増えるそうです。喫煙はやはりアディポネクチンを減らし、お酒も飲みすぎは駄目とか。
 肥満対策として、ウエストを絞るといろいろな生活習慣病が好循環的に治り出すのですね。ぽっこりおなかの人は、考え時ですね。