体を温めるあの手この手

体温を常時、 理想値に!

 「夏だからといって冷たいものは飲んだりしない」「(温)水分は十分とりながら、積極的に体温を36・5度目安に上げる工夫をする」これが熱海のお元氣養生所の指導方針です。東京近郊、地元の静岡県は勿論、遠くは北海道、九州、四国からわざわざ来所されるのは、ともかく体の不調を正常化したいから、その方法をつかんで帰りたいからではないでしょうか?
 養生所では食事内容を重視し、主食は発芽玄米で統一し、動物性食品は殆ど使わず半断食に近い内容の三食です。対症療法との対立概念でもあるさまざまな根本療法の実修をしていただきますが、その中で一番重視しているのが免疫力を上げる体温の上昇です。養生所でお貸しする体温計では舌下温を測るわけにはいかないので、脇下温度で測りますが、免疫学の安保徹先生はこれが36・2度以下の人はガン体質とおっしゃっています。
 何か病気を解決したいと望んでいる方は、少し無理をしてでも一週間、できたら二週間継続して滞在していただきたいと言っているのは、その位居続けている間に、少食に体がなれて帰宅後も続けられるようになる食習慣が身につくと同時に、低体温の人でも脇下で安定的に36・5度になれるほどの正常体温体質にしてご帰宅願えるための設備を多くのご理解者のご協力で備えるに至ったからです。
 全国的に展開されているNPO「根本的食生活改善をすすめる会」(根食改)の健康セミナーでは個人的な相談がゆっくりできないので熱海でということで私がいることが多い土日にこられる方が多いのですが、折角いらっしゃるのですから、その土日を含めて、せめて一週間居続けていただくと、体温が安定的に上がって免疫力を上げてお帰りになれるのにといつも思ってしまいます。
 一度これがうまくいって自信がつけば、あとはご自宅でもできるので、一生病苦知らずになれるはずなのですが。

酵素風呂と 温滝式股関節温浴

 養生所のすぐ近くには、妙樂湯さんという温泉付きの酵素風呂があり、ここでは徹底的に体を深部から温めることができます。
 一方、養生所では、普通のお風呂を使って湯滝式股関節温浴が随時できます。これは酵素風呂より長時間気持ちよく入ることができ、全身をホットになった血流によってまんべんなく温めることができます。額から脂肪酸が溶け出したようないつもとは違った汗が止めどなく出て来ることは驚きです。43度の湯滝式股関節温浴に入り、10分過ぎますと殆どの方が、ご自分の体温計で舌下温を測っていただきますと、何と38度に到達しています。人によっては39度近くまで上がっています。
 この位まで体温が上がった時に、普段は細菌は顆粒球に、ウイルスはリンパ球に任せて、それらを働かせるマクロファージという白血球も、高熱の影響で猛然と細菌・ウイルスそしてガンとも自ら闘い出すことが期待できるのです。
 これこそ免疫力の飛躍的パワーアップが得られるというストーリーです。
 温かい水分を十分とりながら15分たってあがったらバスタオルまたはガウンに身を包み約一時間、特殊電球による太陽可視光線熱や遠赤外線装置などを使った暖かいベッドで休んでいただきます。
 はじめは次第にいつもの体温まで下がってくる人が多いのですが、この一時間の保温を、一週間から二週間ほど連日繰り返している内に、平熱が0・5度、うまくいけば1度ほど上がってくることが期待できるのです。

低体温の悪循環を 断ち、免疫力アップ

 冷え性の人、低体温の人は酵素活性などいろいろなレベルの代謝が悪いので、体熱も十分につくれないし、体熱を全身に運んで全身を温める仕組みも十分働けないという悪循環が起きている人が多いのです。
 たとえば35・5度の人に外から熱を与えてエネルギーレベルを36・5度に上昇させると、その後も、その差の1度分のエネルギーをどこからか持ってこないと36・5度は維持できません。それが食事からであったり、運動で内臓や皮下についた脂肪を燃やしたりすればそのエネルギーは得られますが、連日、酵素風呂や湯滝式股関節温浴で外から十分な熱を与え、その後の保温を上手に続けていると、エネルギーレベルが上がってきて常時、免疫力が十分発揮されている36・5度になれるようになってくるわけなのです。

H・S・Pも 安定的に増やす

 私たちが平熱を36・5度に保つために外から熱を加える目的は免疫力を上げるとともに、全ての病気を治すというヒートショックプロテイン(H・S・P)を十分量増やすためです。  
 ヒートショックプロテイン(H・S・P)については『自然食ニュース』の380号に愛知医科大学・伊藤要子先生・インタビュー記事で詳しく報じられていますから、関心のある方はコピー版(一冊300円)をお取り寄せになり、お勉強ください。
 人が病気になったり、ストレスに晒されたりしたとき、細胞の中にある蛋白質は障害を受け、構造が崩れますが、体を加温すると、この蛋白の構造異常を見つけて修復してくれるヒートショックプロテインが増加して、多彩な病気が根本から治ってしまうきっかけになるというのです。
 食べ過ぎや、冷たい物の飲食をやめて多量の大腸菌が腸から体内に入るのを防ぎ、睡眠時にも鼻呼吸をする工夫をし、人は本来、植物食性という考えから動物性の物はできるだけ食べないようにし、活発な新陳代謝やエネルギーを生み出すミトコンドリアを活性化するための微量栄養素が総合的に摂れるサプリメントを食事の度に摂り、ヒートショックプロテインを増やすあの手この手で全身を徹底的に温める時間を確保する、そして楽農泉コーヒー洗腸を毎日、こんな生活習慣が身についたら、人生は健康面では鬼に金棒になれます。
 一応、どんな方法が有効かを実修するためには二泊三日でも何とかなりますが、低体温で病弱な人が実際に免疫力に自信が持てるほど体温を常時上げるためには、どんなに短くても一週間、できるなら二週間は居続けて養生所のメニューをこなしてもらいたいものです。