病気はこうして治る

遺伝子の傷害と修復

生活習慣病の背景

 現代人にとめどなく増える生活習慣病は、その背景にストレス過多の生活があると多くの方々から指摘されています。
 そして、そのストレスの多くは問題のある生き方から来る、その第一は長時間労働であり、次に心の苦悩から来るというのが安保徹先生が教えておられる考え方であり、私もその通りだなと感じております。

活性酸素が 増えてしまう

 無理に無理を重ねた生き方をしていると、次第に交感神経の慢性的興奮から、血管も細くなり血流障害も生まれ、顆粒球が増えてしまう免疫構造となり、三日の寿命しかない顆粒球が死ぬときに大量にまき散らす活性酸素だけでも様々なトラブルが起きます。
 ましてや冷えた腸やら、睡眠時の口呼吸で乾いた扁桃腺から細菌類が体内に多量に入り込めば顆粒球がその退治のために活性酸素を浴びせかけ、そのソレダマがまともな細胞膜にあたれば酸化傷害を連鎖的に引き起こし、細胞ひいては組織・器官が壊れていくきっかけになります。

血栓症と動脈硬化

 たとえば、この活性酸素で血管の内皮細胞が傷つけば、それを修復しようとして血栓ができはじめ、食生活の欧米化が関わって血栓ができるスピードと溶けるスピードのバランスが崩れて順調な血流を妨げるようになれば血栓症。
 血流中のコレステロールが活性酸素で酸化されたものが血管中に埋め込まれている免疫細胞のマクロファージに食べられて血管壁の中に引きずり込まれれば、やがて動脈硬化になり、そうすると、血流断面積が減りますから、当然高血圧になり、高血圧症は様々なさらなるトラブルを引き起こし、明らかに全身規模の生活習慣病になっていきます。

遺伝子格納庫・ 核の傷害とがん

 そして細胞膜を酸化させて傷つけたり破壊したりしたあと、さらに核膜も酸化傷害して核の中に入っている遺伝子も傷つけると、やがてがん化遺伝子になってしまうものも出てくるし、その修復が間に合わずがん化した細胞がとめどなくハイスピードで増えればがん腫瘍となります。
 できたての頃は異常細胞として体液中をパトロールしているナチュラルキラー細胞などに攻撃されて死滅するものが多いのですが、免疫細胞側も調子を崩したりしてまともに働けなかったりすると、そのスキにがんが仲間を増やして一つの体制をつくり、周辺にネバネバを出したりして免疫細胞が近寄れないようになると、がんは細胞分裂で身内を急速に増やしグングンと大きくなります。
 免疫力に期待する程度では手がつけられなくなり、現代医学では手術、抗がん剤、放射線、特殊な免疫療法でその体制を崩そうとします。
 また、代替療法では、キノコのベータグルカン、海藻のフコイダン、温熱療法、断食、セレニウムなどがんにとっての弱毒投与療法、ミネラル・ビタミン・ファイトケミカル・核酸など抗酸化微量栄養素の大量投与、ラジウム温泉浴による低線量率放射線によるホルミシス効果、サムシンググレートに感応するような心の回帰による自然治癒能力のグレードアップなどで対応しようとします。

遺伝子の異常と 新陳代謝

 生活習慣病を含む全ての病変は、突き詰めていくと活性酸素が悪さをした結果としての遺伝子の異常があるのです。
 だから新陳代謝もうまくいかなくなり病気が簡単に治らないのです。
 遺伝子の傷が元に戻れば、新陳代謝で異常になった細胞はそのコピーをつくることなく姿を消します。遺伝子に異常があればがんではなくても異常をコピーする新陳代謝が起こり続けるから病気は治らないのです。この遺伝子異常さえなければ、本来病気は新陳代謝のおかげで簡単に治るのです。
 簡単に治らないときは、その遺伝子修復を第一順位で考えてみましょう。病気が軽いうちは生活習慣を改めることで自然と治ることがあるのは、まだ遺伝子修復がその程度の生活習慣改善対策で行えたからと見ることができます。
 一定程度以上の壊れ方をしていると、単なる生活習慣の見直しでは、遺伝子の修復までいかず、なかなか治りきらないのです。

遺伝子の研究

 リウマチのような自己免疫疾患も、関節の滑液で発生した活性酸素が軟骨末端や関節包を構成する細胞の遺伝子に異常を発生させることが大きく関係します。
 最近は遺伝子の研究もすすみ、2000位の病気が、何番目の遺伝子のどこに異常を来したときに起こるかわかってきたそうです。
異常遺伝子の修復
 異常を来した遺伝子を持つ細胞が、細胞分裂で異常を持ったまま増殖すると器官が異常になります。生体はこの事態を防ぐため、異常細胞は免疫細胞に攻撃されて生きていけなくしたり、自殺させるアポトーシスという遺伝子上の仕組みも持っていますし、遺伝子に異常が生まれたときには、これを修復するための修復遺伝子というのもあり、これがスイッチオンになれば、これを働かせて修理につとめます。
 この活性化がうまくいけば、遺伝子が正常に戻ることがあるので、修復遺伝子のスイッチオンにつとめることは病気を治す一つの方法として取り組む価値があるわけです。
 以上をまとめると、まずストレス対策は必要ですが、それではかばかしくないときには、同時に遺伝子修復対策も考えなければ、現代の生活習慣病は解決できないことが多いということになります。

遺伝子の傷害

 何気ない毎日の生活で遺伝子を傷つけるものといえば、ヒトの食性に合わない、そして添加物など化学物質の多い食事ですが、それ以外には、タバコと水道水消毒の塩素が双璧といわれます。
 遺伝子はアデニン・シトシン・チミン・グアニンという分子で構成されますが、どうも、このグアニンが傷つきやすく壊れやすい弱点箇所だといわれています。
 従って水道水は活性炭などを使用した浄水器で濾過して使用し、微弱な放射線ホルミシスパワーのあるマイナスイオンのコスモシートを夜はふとんに敷いて寝るとか、昼はパワフル源泉バンドなどのグッズを足のアキレス腱に巻いて使用し、血流も良くして修復遺伝子も日常的に活性化させる工夫をするというのは、健康で百歳を越えたい向きには、まず取り入れる価値があるわけです。

低線量率の微量放射線 ホルミシス

 強い放射線や強い紫外線を一定時間以上浴びることは遺伝子をたいへん傷つけますが、弱い、低線量率のそれらを浴びることは、適度な日光を浴びるのと同じくらい生命の維持に必要でもあり、遺伝子が傷ついたときに修復してくれる修復遺伝子を活性化してくれるのです。また、活性酸素が増やした体内の酸化物の還元パワーもあると最近熱い注目を浴びています。
 強い放射線や強い紫外線は体内で活性酸素をとても増やしてしまいます。これが遺伝子を傷つけるわけですが、ストレスも活性酸素を増やすのでした。活性酸素対策や放射線対策や紫外線対策、ストレス対策はそれぞれ講じるとしても、活性酸素は人間などの生物が生きている以上、一定量は必ず生体で生まれます。
 体内では、遺伝子などを傷害させぬよう、主として抗酸化酵素がそれを無害化すべく動員されますが、これは亜鉛とかマンガン、セレニウムなどのミネラルがないと働けませんし、抗酸化酵素が働き続けるためには、ビタミンEやC、コエンザイムQ10が十分補給されることが必要です。
 傷ついた遺伝子の新陳代謝のためには、その材料の核酸の補給も微量栄養素として十分量とることが必要になりますが、この核酸自体、体内ではすぐれた抗酸化性の発揮もしてくれます。
 こう考えてくると、健康長寿のためには、活性酸素対策、遺伝子修復対策の二本柱は、いつも意識して具体的に活用しておくのが大変有用ということになります。微量放射線ホルミシスについては、次号の村上先生のインタビューをお楽しみに。