安保徹先生の著作に学ぶ 『体温免疫力』

安保徹先生の新理論! 体温免疫力

 仕事柄、毎日のように数多くの健康食事相談を受けますが、話を良く聞いてみると、生活習慣病の方は、実に多くの方が病院などで処方された薬を飲んでいるにも関わらず一向に回復せず、なかばあきらめの心境になっていて薬を飲み続けることにあまり疑問を持たない人が多いのに気がつきます。病気だから薬を飲まなくてはならない、やめるのは怖いという思考回路が出来ていて、中には1日10錠を超える薬を飲まされている方も珍しくないのが現状です。「勝手にやめてはいけません」といわれ、つまるところ、治る見込みのないまま死ぬまで薬漬けにされる人が
スいのには同情を禁じ得ません。「そんなに薬を沢山飲んでいたら、夜もよく眠れないでしょ? 体温も低くなって冷えるでしょ?」と聞くと大抵当たっています。眠れないというと、この薬を飲みなさいといわれ、また薬が増えるのです。このような薬は交感神経を刺激するので、血管が締め付けられ血流も悪くなり、ミトコンドリアでの熱産生も減り、体温が落ち、免疫力が下がるので、まだ若いのに思わぬ感染症とかがんとかで命を落とすことになりかねません。
 このような薬害の蟻地獄に引きずり込まれないように、体温チェックという簡単な方法で免疫力が落ち込むのを防ぐ手だてを立てられる知識が得られるのが本書です。
 今まで何冊も安保先生の本を学んできた人も、新しい視点を得るためにも是非本書を購入して座右に置きたいものです。
 以下のページは書評ではなく、この本を買って読む気になっていただくための紹介手引きです。そして11月14日の日本綜合医学会大会での安保先生のご講演に耳を傾けていただきたいと思います。

「目次」より

序章人生は免疫細胞に支配されている
"カラスの行水人間"は免疫力が低い
夫婦はいっしょに病気になる
第一章 病気と闘う免疫のしくみ
 免疫とは?
 病気から体を守るシステム
 自律神経のバランスがだいじ
免疫細胞の戦術
 免疫をつかさどるのは白血球
 バイ菌の侵入を防ぐ顆粒球
 リンパ球は連携プレーで撃退
 はしかに二度かかりしないしくみ
 あなたの個性をつくるMHC
 年をとっても免疫力は衰えない
ウイルスと闘う
 変身するインフルエンザ・ウイルス
 戦略のうまいHlV
アレルギー
 現代社会の過保護病
 臆病なリンパ球
第二章 低体温が万病をつくる
体温‖体力
 平熱が高いほど元気がある
「冷え』の正体
 まちがった生活が体を冷やす
熱の力
 熱が出ると免疫力が高まる!?
第三章 発熱させて病気を治す
つらいリバウンド
 アトピー性皮膚炎の炎症を起こす
自然消滅
 まずはがんを受け入れる
三九度Cがカギ
 エイズを発症させない
治すのは自分
 免疫療法の医師を探す
第四章 血流不足が慢性疾患をつくる
薬の使いすぎ
 老化のせいだとあきらめてはいけない
生活習慣病
 まちがった努力をつづけてはいけない
身近な疾患
 心の訴えに耳を傾ける
どうしてもつらいときに
 薬のじょうずな選び方・使い方
第五章 実践!自分で鍛える体温免疫力
入浴法・
 体温+四度Cの入浴体温上昇法
入浴法・
 体のバリアー‖脂を守ろう
運動・姿勢・呼吸法
 血行をよくする工夫
食事法
 玄米菜食で自律神経を刺激しよう
ストレス解消法
 ストレスの正体を知ろう
男女別長寿法
 長生きのための免疫学的アドバイス
本書
「はじめに」より がんでも、リウマチでも、アトピーでも、じつは、病気になっている人はみんな低体温です。平熱が36℃ありません。そして、快方へ向かうにつれて体温が上がり、36℃を超えたときには、どんな病気も治っています。
 西洋医学では「冷え」という概念を軽視しているようで、冷えがあるからといって患者さんにとくべつアドバイスすることはありません。東洋医学では、以前からこの「冷え」に注目し、体を温めることの大切さを説いています。
 そこで今回、東洋医学の「冷え」という概念を、西洋医学の手法で解き明かしてみました。私はこの研究を「体温免疫学」と名づけ、体温から自分の体調を管理する力を「体温免疫力」と呼んでいます。
 入浴や姿勢、気のもちようで体温は上がり、免疫力を高めることができます。体温計一本で自分の健康状態を知り、いまなにをすべきなのかを、読者の方にもぜひ自分でわかるようになってほしいと、具体的な方法を示したつもりです。本書が少しでも「体温免疫力」を養う指針となればと願っています。

ダイジェスト
「第二章 低体温が万病をつくる」より
体のなかは37・2℃に保たれる

 ウイルスや細菌に感染すると熱が出ることでもわかるように、体温は免疫システムとひじょうに密接にかかわっています。
 ヒトでいうと、さまざまな生命活動に欠かせない酵素がもっとも活発に働ける体内環境が37・2℃のため、だいたいこの温度を維持しています。
 これは体表ではなく、脳や内臓などがある、体の深部の温度です。体温は体のどこも同じというわけではなく、外気に触れている体表は低くなります。通常、体温はわきの下で測ることが多いので、36・2〜3℃くらいが平熱ということになります。
 本書でもとくに注意書きをつけずに「体温」という場合、わきの下で測った温度を指します。
 酵素が活発に働けるだけの体温が保たれていないと、恒温動物である私たち人間は病気になってしまいます。
 低血圧の人が朝に弱いのは、血圧が低いというより、体温が低いせいなのです。
 体温が低いのは、なにも低血圧のためだけではありません。じつは、がん、膠原病、アレルギー、胃かいよう……、病気という病気のすべてが、体温の低い状態で起きています。

冷え性は病気ではない?

 体の表面が冷えるというのは、大切な体の深部の体温を下げないための防御反応です。冷気に触れる環境では、体の表面の血管を収縮させ、毛穴も閉じて、放熱をできるだけ避けることで深部の体温を維持しています。
 後述するように、こうした調整は自律神経が行っていますが、いつもいつも強い冷気にさらされていると、自律神経が冷気に過敏に反応するようになり、ちょっとした寒さでも強い冷えを感じるようになってしまいます。冷えが更年期障害の代表的な症状になっているのも、自律神経の乱れが関係しています。
 たしかに、体の表面だけが冷たいだけならまだしも、それがつづいていると、やがて深部体温にも影響するようになるので、早く改善しておくにこしたことはありません。
 東洋医学では、冷えると病気になる、体を温めると病気は治る、健康が維持できるという考え方をしています。これはまさに、私がこの本でいいたいことです。