気管支喘息

 激しい咳や痰、呼吸困難、「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という喘鳴を伴う喘息の発作は、大変苦しいものです。発作がひどくなると、やがては呼吸停止に陥り、年間約6千人が喘息で命を落としていると言われます。
 喘息の患者数はアレルギーの増加と共に増え続けています。また、特にこの季節は、風邪をこじらせて気管支喘息になってしまう人も少なくありません。
 気管支喘息とは 気管支喘息は主に、aアレルゲン(アレルギーの原因物質)の刺激によっておこる「アトピー型喘息」、b風邪や気管支炎などに続いておこる「感染型喘息」に大別され(表)、この他、c大気汚染、ストレス、運動、一部の薬物なども引き金になり、またこれらの要因が複合して起きるケースもあります。
 いずれにしても、気管支が刺激に対して過敏になっていることが原因で、気管支をとり巻く筋肉(平滑筋)が収縮したり、粘膜がむくんだり、痰などの粘液がたくさん分泌されることで、空気の通り道(気道)が狭まって発作がおこります。
 発作は夜中から明け方に多く、一年の中では、春先や秋口などの季節の変わり目に多くみられます。

アレルギーマーチ スタートは牛乳、卵から

 アトピー型喘息は、"アレルギーマーチ"の一環としておこります。
 アレルギーマーチとは、小さい頃からアトピー性皮膚炎、小児喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、成人型喘息――と、さまざまに形を変えながら次々とアレルギーがおこることを言います。
 このアレルギーマーチはそもそも、母親が妊娠中や授乳中に牛乳を飲んでいたり、母乳の出が悪いからと子供に粉ミルクを与えたりすることから始まります。
 赤ちゃんの腸は未熟なので、異種の蛋白質である牛乳をアミノ酸に分解できないまま吸収してしまい、牛乳に対してアレルギーをおこす抗体がつくられてしまうのです。
 1歳を過ぎると、今度は卵が強力なアレルギー源になると言われます。
 未消化の蛋白質が腸から吸収されると、腸はやがて慢性的に炎症をおこすようになり、大人になってからも腸管から血液に異物が侵入しやすくなって、皮膚、鼻腔、気管支などに一連のアレルギー反応をおこしてしまうのです。つまり、卵、牛乳などから始まる食物アレルギーは、すべてのアレルギーの引き金になると言えるでしょう。
 今現在は喘息にかかっていなくても、アトピー性皮膚炎や花粉症など、何らかのアレルギー症状に悩まされている人は、すでにアレルギーマーチのコースに乗ってしまっている可能性があるので要注意です。

食事・栄養療法

 喘息の治療法として、病院では気管支拡張剤や抗アレルギー剤、吸入ステロイド剤などを用いています。しかし、中には強い副作用が指摘されているものもあり、また、こうした対症療法では病気の発症を抑えることはできても、病気を根治することはできません。
 そこでここでは、食事・栄養の面から喘息対策を考えてみたいと思います。

昭和30年代の和食に戻そう

 まず、アレルギーの原因となる卵、牛乳、肉などの高蛋白食は徹底的にやめましょう。油もアレルギ
ーを招くもとになるので厳禁です。
 基本メニューは、麦・雑穀ご飯+納豆+みそ汁という昭和30年代の和食が理想的です。下関市立中央病院の永田良隆先生は、"高脂肪・高蛋白"の欧米型食生活をやめ、昭和30年代の和食のメニューに戻すという食事療法で、アトピー性皮膚炎の解決率80%という素晴らしい成果をあげておられます。
 未消化の蛋白質が腸管から吸収されてアレルギーを起こすのを防ぐには、よく噛んで食物の消化を助けることも大事です。一口最低30〜60回は噛むことを心がけて下さい。
 なお、食べ過ぎは肺を圧迫して喘息発作をおこしやすくするので、食事は腹八分目に抑えます。

栄養療法ではビタミンCが鍵
紫イペの樹皮も

 腸や気管支など、炎症がおこっているところでは過剰な活性酸素が発生しています。そこで栄養療法では、抗酸化作用のあるビタミン(ベータカロチン、ビタミンB、C、E)やSODなどの抗酸化酵素を活性化させるミネラル(亜鉛、セレニウム、銅、マンガン、鉄)を総合的にしっかりとることが大切です。
 また、風邪をひくと喘息の発作を引き起こしたり、症状を悪化させたりするので、喉や鼻の粘膜を強くしてウイルスの侵入を防いだり、免疫力を高める作用のあるビタミンCを十分にとるようにしま
しょう。風邪対策にはこの他に、ビタミンA、Eや亜鉛も効果的です。
 ビタミンCには、アレルギー症状を引き起こす化学物質のヒスタミンを抑える作用もあります。
 風邪や喘息には、南米アマゾン原産のノウゼンカズラ科の樹木「紫イペ」の樹皮サプリメントを試されるのも良いでしょう。

日常生活での心がけ
原因物質を除去する

 食生活においては、卵・牛乳・肉・油などを除去することが大切だとお話ししましたが、日常生活を送る上でもアレルギーの原因物質を取り除くように努力しましょう。
・ほこり、ダニ
 清掃が第一です。ペットを飼っている家では、ペットのダニ・ノミ対策を徹底する他、ペットの毛やフケもアレルゲンとなりやすいので気をつけましょう。また、ぬいぐるみにもダニがわきやすいので、たまには日干しをするようにして下さい。
・花粉、カビ
 スギやブタクサなどのある種の植物やカビは、季節によって花粉や胞子を飛ばします。これらに対してアレルギーをもつ人は、外出の際にはマスクをつけ、体についた花粉をきちんとはらってから家に入るなど、その時期はとくに注意が必要です。
・寝具
 蕎麦殻の枕やパンヤ(種を包む綿毛状の繊維)の布団、絹綿などはアレルゲンになりやすいので、使わないようにしましょう。

心身を鍛える

 また、日頃から心身を鍛え、発作がおこりにくい体をつくることが大切です。
・風邪をひきにくい体をつくる
 風邪は喘息につながる危険性があるので気をつけましょう。乾布まさつや冷水浴は自律神経を鍛え、体の抵抗力を強くします。また、水泳は運動が引き金となるぜんそくがおこりにくく、体を鍛えるのに役立ちます。
・呼吸法の練習
 気道の負担を和らげる腹式呼吸を心がけましょう。
・ストレスを解消する
 精神・神経的なストレスによって自律神経や内分泌系(ホルモン)が乱れると喘息になりやすいので、上手なストレス解消法をみつけましょう。また、発作に対する不安感はかえって発作を招きやすくするので、自信をもって生活することが大切です。
・規則正しい生活
 過労や寝不足は体の抵抗力を落として発作をおこしやすくします。規則正しい生活を心がけましょう。