糖尿病はこうすれば合併症を防げる!(5)

合併症を防ぐ食事

 合併症は、血糖値が高いために過剰な活性酸素を抑えられず起こるケースが多いのですが、糖尿病ではなくても、餌の中の亜鉛とマグネシウムをゼロの餌で飼うと、動物は亜鉛・マグネシウム欠乏症になってきます。そして、糖尿病の合併症とそっくりな病気を起こすことがわかっています。
 糖尿病の人はおしっこをするたびに、亜鉛とマグネシウムを気前よく捨てているわけですから、どうしても亜鉛・マグネシウム欠乏症になってくるわけです。これこそが合併症の原因です。
 だから、カロリー制限中心で亜鉛とマグネシウムのことを考えない食事療法を一生懸命やってるうちにどんどん亜鉛・マグネシウム欠乏症になって合併症が進行するケースが多いのです。
 しかし、ほとんどの関係者がこの事態にも気がついていません。医学は進歩したといわれながら、年々糖尿病が増える原因はここにもあると考えられます。
 二分づき米の麦ご飯(麦2〜4割)に納豆で蛋白質を確保し、おかずはいろいろな野菜を入れた味噌汁、海草の酢の物、そして芋を基本にし、サプリメントを毎回の食事に取り入れた多くの人は、現にこの合併症からの回復の道をたどっています。
 糖尿病の合併症を防ごうと思ったらば、とにかく、亜鉛・マグネシウムがたっぷり入っている上に、微量栄養素が総合的に入ったサプリメントを毎食事にきちんと摂ることです。
 糖尿病が治るまでは、亜鉛・マグネシウムがどんどん尿から出ていくわけですから、出ていく以上の量を摂取する以外に、充足していく方法はないのです。糖尿病が解決するには、おおむね数ヶ月はかかります。糖尿病を本格的に治すには、ポイントになるサプリメント摂取だけでは不十分です。

グルコーストランポーターを増やす

 ・型の糖尿病が治ったというためには、グルコーストランスポーター4が安定的に普通の人なみに増えることが必要です。

1.運動で増やす

 ここでしっかり心に留めていただきたいのは、運動の目的はグルコーストランスポーターを人なみに増やすことであって、一般にいわれている1日に200キロカロリーを消費して血糖値が下がるのを期待するための運動ではないということです。
 運動はお金も道具も要らず、どこでも誰でも出来るというとやはり"歩く"のが一番です。しかし漫然と歩いたり、犬の散歩のついでにというのでは駄目です。
 グルコーストランスポーターを増やすには強さが要求されます。運動の強さは脈拍のテンポでわかります。脈拍が1分間に120〜130になる位の強目の運動を毎日1時間して下さい。ただし、糖尿病の方は体が疲れやすいので、1時間を1日2回か3回に分けて1回20〜30分を目安に運動して下さい。
 さらに効果をあげるにはタイミングが肝心です。血糖値が上ってインスリンが出ている時に一番効果があがるので、スタートは食事終了30分後、最低20〜30分間は続けて大股速足で歩きます。歩幅を大きくとり、また手を大きく振ったり軽目のダンベルなどを持ったりするのも有効です。歩行時の足底からのショックを防ぐには、今、流行の靴底に空気クッションのある運動靴がおすすめです。
 そして、毎日継続することが大事なので、雨や大風の日など外で運動ができない時のためには室内でできる運動具があると便利です。階段のぼり同様の運動ができるステッパー、その上を歩くことができる歩行ベルトなどなど。電動モーター付歩行ベルトでは時速5〜7km位で歩きましょう。
 合併症が進んで強目の運動を禁止されている人は、ストレッチ(静止してする筋肉の伸縮)をして下さい。たとえば両掌を合わせて左右から全力を込めて押すようなストレッチは8秒間持続がコツです。NHKでおすすめのダンベル体操やゴムひも体操もおすすめです。これらはスポーツ用品店に用具を売っていますし、本屋さんにテキストが売っています。
 膝や足首などが痛くて速歩ができない人は、プールの端を全力で水中歩行するのも有効です。体重負担のないプールでの運動は、泳ぐのでなくとも糖尿病の方に特におすすめです。
 最後に、これだけの運動を食後にしますと食事は最低でも30〜40分かけてゆっくりよく噛まないとお腹が痛くなったりしますから、糖尿病の人は特にゆっくりよく噛むことを心がけて下さい。
 また、微量栄養素のサプリメントをとらないでこれだけ運動しますと、運動時やその晩に足の腓返りがおきてしまうこともあります。筋肉がキュッとつる腓返りは細胞内にマグネシウムが足りなくなるからです(マグネシウムが不足するとカルシウムが筋肉細胞の中に入ってきて攣縮をおこす)。毎食ごとに総合的サプリメントを摂っているかぎり、腓返りやギックリ腰そして狭心症などのマグネシウム不足のトラブルは起きなくなります。

2.サプリメント

 網膜症など合併症が進んでいるなどで運動は控えた方が良い場合もあります。動脈硬化が進んでいる場合も過激な運動は禁物です。
 こうした合併症が進んだ人や、また、体力がなかったり、心臓疾患などの病気を併発している人は、食事指針を守り、ミネラルやビタミンなどが総合的に入っている微量栄養素のサプリメントを毎食欠かさずとって、さらにDHEAのサプリメントも試す価値があります。
 セレニウムやバナジウムはグルコーストランスポーターの働きに関係するという研究報告が、また、DHEAはグルコーストランスポーターの数を増やす効果があるという研究報告があります。

牛乳は飲まないで…

 さて、・型はトラブルのもとが膵臓です。これは牛乳によるアレルギーの疑いが濃厚です。
 妊娠中母親が牛乳を飲むだけでも、また、生まれてから粉ミルクを飲ませればなおさらのこと、子供に牛乳に対する抗体(IgE)ができることがあります。これが膵臓にアレルギーの打撃を与え、ベータ細胞が壊れることが多いのです。皮膚組織に打撃を与えればアトピーです。
 ・型の人も牛乳・乳製品はキッパリとやめ、蛋白質は納豆・豆腐など毎食植物性のものでしっかりと摂りましょう。
 病気を治そうというときは、食事は三食とも純植物食にするのがコツです。
 カルシウムはサプリメントでマグネシウムとともに必要充分量摂ります。
糖尿病は治る病気です
 今まで申上げた方法で合併症を防ぎ体調がすっかり戻った人はすでに沢山いらっしゃいますから、糖尿病で悩んでいる人は誰でも試してみる価値は大いにあります。今まで糖尿病といわれていた人でも空腹時血糖値は安定して100を切り、2時間値も糖尿病のように高くならず、グリコヘモグロビンも5・8を切るのは可能です。インスリンの注射をしていた人でも、血糖値計を使って自分で測定して、自分が危険な血糖値になっていないことを確認しつつ徐々に注射量を減らして、ついにゼロにすることも不可能ではありません。決してあきらめることはありません。どうぞ頑張って
、生きがいのもてる人生を全うするまで、お元気で楽しんで下さい。
 合併症の恐怖からも解放される筈です。
 それを楽しみに是非実行してみてください。