糖尿病はこうすれば 合併症を防げる! 治すことができる!(3)

細胞に入れない糖と 活性酸素…

 ところで@型でもA型でも、細胞の中に入っていけないグルコースはどうなるのでしょうか。
 二時間位するとこのグルコースは中性脂肪に変るといわれますが、グルコースはそばにあるさまざまなものとすぐ結合しやすいという困った性質があります。
 細胞の中に入れなかった、あぶれたグルコースが細胞外液や血液の中で、ウロウロ、ウヨウヨしていますと、そばにいる抗酸化ビタミンだとか、抗酸化酵素だとか、その他の酵素、こういうものに絡みついて結合し、それらの活性酸素除去機能を含む本来の働きが発揮できない状態にするのです。
 活性酸素は体内で酸素の構造が変化してできるとても酸化力の強い酸素分子種です。特に大事な働きをしている細胞膜などの生体膜は、基本的に脂質で出来ているため酸化のダメージを受けやすく、活性酸素は今やすべての病気で、それがおきてしまう過程で決定的な因子になっているといわれます。
 特に細胞膜を壊し、細胞を壊死させる炎症がおきると炎症自体が活性酸素を生みだし、これが炎症を再生産する悪循環に陥りやすいのです。
 糖代謝が異常になった人は、活性酸素除去の邪魔もするグルコースを何とかしてすみやかに処理しなければいけない。これは、@型でもA型でも事情は一緒です。
 そこで、あぶれた糖をおしっこから捨てようとするので、次第に頻尿となります。細胞内に入れなかった糖は尿で捨てるのが一番簡単だからです。で、このおしっこをなめてみると甘い。糖尿の語源はこれです。
 水洗便所なのにそのハネた尿に蟻がよってきたりする。この尿を調べてみると、出ているのは糖だけではない。@型の糖尿病であれA型の糖尿病であれ、亜鉛・マグネシウムの2つのミネラルが人の2倍も捨てられています。
 そうするとどうしても亜鉛欠乏症、マグネシウム欠乏症になっていかざるを得ない。
 これはきわめて重大なことなのに、このあたりの事情について、本屋の家庭医学コーナーで手に入る糖尿病に関する本で触れている本は全くありません。
 このことは医師や栄養士も殆ど知らないので患者にも教えてくれません。関係者の認識がまだ全く足りないというのが現状です。糖尿病の専門医でありながら自分も糖尿病で治せないという医師が案外多いといわれるのも、この情報についてまだ知らないからでしょう。このあたりが時代の制約なのでしょうか。

合併症を誘引する従来の食事療法・運動療法

 糖尿病の人は、医者のところに行きますと、食事療法と運動療法をしましょうと言われます。
 しかし、この食事療法・運動療法というのが今申上げた情報を知らない人達が、学問とはいいかねるクラシックな栄養知識に基づいた指導をするわけですから、とにかく血糖値を下げようということで摂取カロリーの制限を最優先して言ってくるのが普通です。
 「今まであなたは食べ過ぎだったんですよ、2500カロリー、3000カロリーも食べてるじゃないですか。これではいけませんよ。これからは1500カロリーとか1200カロリーにしなさい、そうしないと血糖値は下がりません」とくる。
 たしかに沢山食べれば、糖尿病の人はたちまち血糖値は上がります。だからカロリー制限は糖尿病が治るまでは受入れざるをえないと思います。
 だけれども、少食に徹すると必然的に欠乏してしまう亜鉛・マグネシウムの摂取については何も指導してくれない。
 しかし少食一辺倒では合併症のリスクが増してしまうのです。われわれは、一昔前の不十分な栄養知識しか持っていない医師、栄養士の被害者にならないよう用心しなくてはいけないのです。
「真理が我らを自由にする」とはギリシャ時代から言われていますが、真理を知らないでいたために、もうすぐ21世紀という今、糖尿病で生存の自由を失うこともあるかもしれない人が690万人というのですから驚きです。良いと思って本当は良くないことをやっているからこんなにも悲劇が広がりつつあるのではないでしょうか?
 現在のこういう状況で、食事療法をしたらどうなるのでしょうか。今までご飯2膳食べていた人が、1膳とか半膳とか。従っておかずもぐっと少なくなる。
 厚生省もマグネシウムは、1日300ミリグラムは摂りましょうといっています。亜鉛はまだ摂取規準すらありません。ビタミン・ミネラルは野菜とか海草とかエネルギーにならないもので摂りましょうなどとお茶を濁しているのが実情です。
 これらで必要量の亜鉛・マグネシウムが現実には摂れるわけがない。全体にまだそういうレベルの時代なのです。
 現在、日本人が摂っている亜鉛は、1日に6から8ミリグラム程度。マグネシウムは1日に200ミリグラム程度です。
 殆どの人が不足しています。それなのに、血糖値をさげるための食事療法で大幅な減食を余儀なくされたら、一日の食事からは亜鉛は3〜4ミリグラム程度、マグネシウムも100ミリグラム程度しかとれなくなるわけです。
 しかし、これがもたらす低亜鉛・低マグネシウムこそが糖尿病の合併症の原因になると知らなくてはなりません。