動脈硬化対策はお早目に
死因の2位、3位は 動脈硬化性疾患
日本人の死亡原因の第2位と第3位は心不全と脳卒中です。この両者には患部近辺の大事な動脈がトラブルをおこしていることが多いという共通点があり、それを血管の重大障害ということで一つにくくると、第一位のガンの死亡数を上まわります。
年はとっても、血管を若い時と同じように、しなやかに保つということは、健康と長寿を保つのにとても大事だということになります。
この血管のトラブルの最大原因は動脈硬化です。
静脈には硬化ということがなく、動脈にだけ硬化が問題となるのは、静脈には酸素がほとんどなく、動脈は酸素に富んだ赤血球を運んでいるということと重大な関連があるといわれています。
多くの動脈硬化はレントゲンで写すことが可能といわれますが、これは血管の内側にカルシウムがとりついてしまったことを意味します。結核がそうであるように、カルシウムがついて石灰化したところがレントゲンで写るからです。こうなると、血管はポキッと折れる程になるので、文字通り「硬化」をおこしたといえるのでしょう。
脳出血などは動脈硬化のせいと一般的には思われがちですが、脳内で出血を起こしているところは、そのほとんどが動脈とはいえない毛細血管の破れで、このあたりは混同しないようにしましょう。出血現場に動脈硬化がみつかることはまずないとのことですから、直接的な原因は高血圧なのです。高血圧をもたらす一つの原因として、確かに動脈硬化はあげられますが、相当離れたところの動脈硬化も、高血圧を招きますから、動脈硬化は間接的な原因になることがあるということになるでしょう。
活性酸素が もたらす動脈硬化
動脈硬化の第一歩は、その付近の血管を流れる血液中に大量の活性酸素が発生したことといわれています。
これには様々なケースが考えられますが、何らかの事情で、血液の流れがいったん止り、その後再灌流があったときに、血中に活性酸素が相当多量に発生してしまうのです。
たとえば、激しい運動で一時的に血液循環に無理がいって血液繰りがつかなくなって、大事な血管なのに虚血が生じてしまったときとか、
手術の時、出血予防のため血管をクリップして、手術終了とともにクリップをはずし、血液を再灌流させたときとか、
顔も青ざめるようなストレスが加わって、血流がとどこおり、やがてリラックスとともに再灌流したときとか、
様々なケースがあるのでしょうが、その時、血中で多量に発生してしまう活性酸素は、血中の脂質(例えば、コレステロールとか中性脂肪とか)を過酸化脂質化するとともに、血管を内側からいためつけます。具体的にはその血液と接している内皮細胞を過酸化脂質化し、ボロボロにしてしまいます。電子顕微鏡写真などでみるとまるでかなりの範囲でヤケドのあとのケロイド状になることがあります。
いったんこうなると、マグネシウムの摂取が不足したときに軟骨中のカルシウムが過剰に血中に溶け出した時など、それが箔状につきやすくなったり、過酸化脂質化した血中脂質が付着したり、それがそこでマクロファージに貪食されて、血管中に入りこみ、やがて粥状になったりします。
これが俗に動脈硬化されるということの本質とプロセスです。
レントゲンを撮影するときのX線なども体を透過するとき、体内の水に悪影響を及ぼしヒドロキシラジカルというタイプの活性酸素を相当量産生してしまうので、その消去能力が落ちこむ50歳をすぎたら、なるべくならレントゲン撮影はパスした方が良いといわれるのはそのためです。
動脈硬化がおきたときは、血管が弾力性を失い、血管の通り道も粥状付着物が塞ぐので、どうしても高血圧がおきやすくなるのですが、弱り目にタタリ目とばかり、その状況をひどくするものとしてはマグネシウムの不足があります。
マグネシウムが不足をすると、血管を構成している細胞自体がむくみやすくなり、その結果、むくんだ分だけ血液の通り道を細くして高血圧にします。実際に脳出血をした個所の血管を調べてみるとマグネシウム不足が顕著にみられるとのことです。
クロムの不足と動脈硬化
また、様々なミネラル不足のうち、特に動脈硬化と関連があるのはクロムの不足です。
日本人は毛髪分析等で調べてみると、クロムが不足している人が多いのですが、クロムの不足は、糖代謝がうまくいかなくなることと、動脈硬化の原因になることが知られています。
日本人に糖尿病が六百万人と多いことも、このクロム不足が関係している可能性が濃厚です。食生活の欧米化が原因の一つとされていますが、欧米は日本ほど糖尿病が多くないのです。糖尿病は合併症がこわいのですが、その合併症の多くは動脈硬化がもたらすものです。普段の食生活でクロムを充分に摂っておくことは必要なのですが、これは言うはやすく行いにくいというのが実情です。
動脈硬化を防ぐには、まだ動脈硬化がおきてないうちから、ライフラインのようにクロムも充分含み、かつ体内で活性酸素からうまれにくくなるように考えられた微量栄養素が総合的に摂れるサプリメントを摂るというのが賢い対処の方法です。こういうものを毎食ごとに摂っていると、もし、活性酸素がうまれた時でも、すぐその消去に役立ってくれるからです。やはり、こういうことが動脈硬化対策の決め手ということになると思います。