糖尿病ですか?(1)

こんなにもある 糖尿病合併症

 日本の糖尿病患者は年々増加傾向にあり、今や六百万人以上が糖尿病になっているといわれます。
 糖尿病の人は尿中に、相当量の糖分、マグネシウム、亜鉛が捨てられるため、尿が泡立ち、一種独特の匂いを発するので、多くの人が自分で「これはおかしい」と感づきます。喉がとても乾きやすくなるので、水をガブガブ飲みますし、夕方頃になると疲れがひどくなり、周囲の人がみても、正常でないと思うことが多いのです。
 おかしいなと思ったら、尿を自分で調べられる試験紙がありますから、早目に薬局などで求め、ご自分で調べてみると良いでしょう。
 それで糖尿病の疑いがもたれたら、一度信頼できるお医者様のところへ行き、しっかり血液検査等をしてもらい、進行状態を把握しておくと良いと思います。
 血糖値が高いと、その過剰な糖鎖は血中で種々の生理活性物質や酵素等にからみつき、その本来の仕事がうまくできないようにしてしまうので、様々なトラブルに巻き込まれていくようになります。
 よく知られている糖尿病の合併症としては、動脈の硬化、心筋梗塞、脳卒中、網膜剥離による失明、手足の壊疽、腎臓障害、神経のトラブルゥゥなどがありますが、詳細に述べていけば、こんなものだけではありません。
 血液の中では、血栓がとてもできやすくなり、血液の循環が各所でうまくいかなくなります。命とりになる心臓発作や脳卒中は糖尿病でない人に比べ、少なくとも2倍のリスクを負うと考えられています。
 糖尿病の人は、a少食とb運動と、cインスリンの注射で血糖値のコントロールさえうまく行なえば、糖尿病でない人と比べても、マイナスはあまりないかのように言われることがありますが、これは甘い幻想に過ぎません。

ミネラル不足が、 合併症を悪化させる

 何故なら、これだけでは尿からマグネシウムや亜鉛という大事なミネラルが、普通の人より多く排泄されるのに対し、ストップがかけられないからです。
 ストップがかけられない以上、少なくとも出ていく以上のマグネシウムや亜鉛を摂って、うまく吸収しない限り、今述べたような合併症のリスクは高いままです。
 少ないインスリンに見合うよう、少食に徹して、血糖値をあげないように気をつけることは必要ですが、それだけだと必然的に消耗していく、マグネシウムや亜鉛は、入ってくる食物が少なくなるので不足に輪をかけてしまいます。
 少食にした上に、ミネラルやビタミンが総合的に入っている総合微量栄養素サプリメント(栄養補助食品)でマグネシウム・亜鉛を補わない限り、これは不可能です。
 すでに糖尿病になった方は、糖尿病は治らない病気と諦めていらっしゃる方が多いと思います。我々は、決してそんなことはありませんよ、案外簡単に治るんですよ、ということを申し上げてきました。現に多くの方がみごとに回復していらっしゃるわけですが、治る・治らないということを心配する前に、糖尿病の人は如何にして進行しつつある合併症を食い止めるのか、それを目先の問題として解決して下さい。治る治らないというのは、その先の問題ですよ、ということを申し上げたいのです。
 仮に治らなくても、もともとじゃないですか? うまく治ればめっけものです。今はその先のことを思いわずらわないで、とにかく尿から糖と共に捨てられてしまうマグネシウムと亜鉛を食事ごとに補給する、そして、その不足からくる合併症を防ぐことを最優先にして考えて下さい。

マグネシウムが 不足した場合

 糖尿病の人は夕方になると、目に見えて疲れてきます。これはマグネシウム不足が一番影響しています。
 糖尿病でなくても、マグネシウムが不足してくると疲れやすくなります。立ち仕事の多い人は、夕方になると足がむくんできますが、これもマグネシウム不足が原因です。足を酷使した日の夜中など、コムラ返りなどが起きることがありますが、あれは「筋肉の攣縮」といって、とても痛いものです。これもマグネシウム不足から起きます。
 同じことが腰筋で起きればギックリ腰。生理痛、胃痙攣、狭心症なども同様のメカニズムで起こります。
 糖尿病の人がマグネシウム不足で一番警戒しなくてはいけないのは、目が見えなくなってしまう網膜症です。20年以上糖尿病でマグネシウムと亜鉛を尿から過剰に捨て続けた人は、10人のうち8、9人が網膜症になるといわれます。
 今の日本人は、20数年前に製塩法を変えられてしまった結果、塩からマグネシウムが入ってこなくなったため、調査をしてみると一日200mg程度しかマグネシウムを摂っていないことが分っています。塩から除去したニガリには、マグネシウムが多かったのです。豆腐も最近はニガリを使わないで製造するため、マグネシウム源にはなりません。
 マグネシウムは日本の栄養所要量では1日300mgということになっていますが、現実には200mg平均しか摂っていません。多く摂れる食物が見当らないのが現状です。
 糖尿病の人は、尿からマグネシウムが普通の人より大量に排泄されてしまう上に、厳しい食事制限を強いられますから、おそらく、100mg程度も摂れてはいないのではないでしょうか。
 欧米のマグネシウムの1日の所要量は、殆どの国で350mg〜400mgという基準になっています。その基準からしても、我々のマグネシウム不足が如何に深刻かということに、早く気づいて欲しいのです。
 国立健康・栄養研究所で、糖尿病と栄養の関係を研究している江崎治先生は、糖尿病の人は合併症にならないために、マグネシウムは毎日500mg程度摂った方が良いと勧告しています。
 それに比べ、わずか5分の1程度のマグネシウムしか摂れないというのが糖尿病の人の現状です。
 しかも、少食に徹すれば徹する程、優等生であればある程、失明の危険が増えるというのは何ということでしょう! 人間は危機を自覚していない時こそ、危機に近づくといわれます。糖尿病の人こそ目覚めるべきです。かのゲーテも死に臨んで「もっと光を!」と言ったと伝えられていますが、もっと光が欲しければ、少なくとも糖尿病とわかった時から、マグネシウムと亜鉛を摂るべきだったのです。
(続く)