セレニウムと 亜鉛とガン

 5月半ばの段階で胃カメラを飲んだらガンが見つかり、7月には手術をしましょうといわれ、手術日も決ったのですが、その直後の段階で奥様の親友から「ライフラインとセレニウム摂取でガンも消えてしまった人が何人もいる」という話しを聞かされ、早速ライフラインを毎日3回とセレニウムを毎日4回に分けて、2000μg飲んで、7月の手術日がきたので入院検査したところ、ガンが姿を消しており、医師は首をひねるばかりという「事件」が最近ありました。このご夫婦は、これはライフラインとセレニウムのお蔭とたいへん喜んで下さっています。こんなことってあり?という話しですが、事実は何よりも雄弁で
キ。ちなみに「論より証拠」ともいわれますが、この話しは「証拠」も「論」もあるのです。今回はこの「論」を聞いてください。
 これは今年の、つまり、ついこの間、皆様の目の前で進行したできごとです。とりあえずはご同慶のかぎり…というわけですが、これは、科学的レベルでのオーソドツクスな解釈が成り立つのでしょうか?
 すぐれた気功師のワザ、あるいは例のタカツカヒカルさんのワザのように、今日の科学の未発達のレベルでは、まだ解明されない世界のお話しだったのでしょうか?
 俗に非科学的とレッテルの貼られるような事象についても、実事求是の態度で臨むべきであると考えていますが、このAさんの件については、オーソドックスな科学的レベルの範囲内で充分説明がつく話しではないでしょうか?
 Aさんはライフライン友の会と縁ができ、微量栄養素が総合的に含まれているライフラインを食事のたび摂ると同時に、一粒にセレニウムというミネラル(微量栄養素の一つ)が200μg入ったセレニウムサプリメントを一回に2粒、一日4回、つまり合計8粒を最初2週間摂り、その後はその摂る量を半分ないしはそれ以下にしていますが、かなりの量を一気にドンと摂取したわけです。
 これが何を意味したのかという解釈・推理は科学的レベルで成立するのです。
 先ず、ガン予防の見地からは動物実験では、すでに知られているたいていの発癌物質とともにセレニウムを1PPM程度でも与えると、ガン腫瘍が見つかる確率が有意に低下することがわかっています。
 そしてこれを2PPM、3PPMと増量しますと、その確率はさらに下がります。
 動物実験の成果というものは、人間にストレートにはあてはまるとは限りませんが、一応推定してみますと、人間は平均一日500グラムの食物を摂るといわれますから、その1PPM(百万分の一)で、500μg、2PPMで、1000μg、3PPM、1500μgということになります。
 Aさんの場合は、ライフラインから300μg、セレニウムサプリメントから1600μg、ふだんの食物から100μg、合計2000μgのセレニウムを約2週間とり、以後その量を半分程度、さらに又、半分程度と減らしていったことになります。
 このドンと摂ったあたりで、単に予防に効果があるという段階を通り越し、治病に効果のある量に到達したことを意味したのでしょう。
 分子栄養学の立場で考えるとき、予防の原理と治病の原理には越えられない一線というのはありません。むしろ連続しているのです。
 つまり予防に効くものは当然治病にも積極的な役割を演じます。
 さらにガン腫瘍が急速に発育していくとき、その人の細胞性免疫がまともに機能していれば、それは生体内異物と認知され、拒絶反応を引き起こすのです。
 急速に大きくなっていく腫瘍に対し、まるで移植された他人の臓器に対すると同様に拒絶反応をおこす主役はT細胞とよばれる白血球です。
 T細胞は骨髄でうまれたリンパ球のある種のものが胸腺にやってきて、そこで将来パトロール中に出会うものが自己か非自己かを峻別する能力を涵養されます。
 およそ百日程度の涵養期間を経て成熟し、血流に身を投じパトロールを開始します。
 ところが、この胸腺はどういうわけかきわめてストレスに弱い。ストレスがかかることで壊れていく。ストレスの無い人はいませんから胸腺の老化は他の器官より速いのです。我々の体全体は25歳位が成長のピークで、その後、老化の道を辿ることになりますが、胸腺は15歳位の思春期にもう老化の道を辿り始め、次第に萎縮し、部分によっては脂肪に置き換わっていくことが知られています。
 こういう時には、活性酸素が悪役として一枚噛んでいることが考えられますので、その異常発生を防ぐため、特に不足しがちなセレニウムと亜鉛を十二分に補ってやることが大事になります。
 胸腺はセレニウムと亜鉛の十分な補給によって、ストレスで壊されるのが最小限度に抑えられるとともに、老化しすぎているような状況下では、その十二分な補給により、年相応の若さまでは「若返る」ことも不可能ではないことが知られています。
 もし、セレニウム・亜鉛の適切量の摂取により、これが実現したとしたら、胸腺で成熟するT細胞の働きが本来のパワーを取り戻したとしても不思議ではありません。
 そうなれば、ガン化した腫瘍と出合えば、これを非自己と認知し、まるで移植された臓器に対すると同様の拒絶反応を起こせるわけです。
 腎臓などの臓器の移植にあたっては白血球の適合性のあるものを選び出しているにもかかわらず、しばしば拒絶反応が出て失敗します。
 拒絶反応を起こすのはT細胞白血球が主役です。
 不幸にして拒絶反応がおきはじめると、免疫抑制剤と呼ばれる注射でその白血球を皆殺しにかけ、拒絶反応をおこさないようにします。
 この拒絶反応が、ガン化して急速に大きくなる腫瘍に対して起きてくれることを期待し、その条件をそろえようというのが私たちの考え方です。
 Aさんの場合は、幸いにしてうまくいったわけです。
 つまり、胃にあったガン化腫瘍細胞にAさん自身のT細胞が拒絶反応をおこしたのです。だからこそ、速やかにガンは消去されたのです。
 このように理解すればガンの自然治癒は不可能ではないということが科学的に納得できますね。
 実はライフラインはその他にもナチュラルキラー細胞を活性化させ、これもガン細胞を消去してしまうメカニズムが発動されるような仕掛けも考えてつくられています。
 これについては機会をあらためてご説明したいと考えていますが、いずれにせよ、生命の原理のきわめて根源的なところに焦点を逢わせ、自然治癒能力が発動され、免疫力があがるよう
 その人なりの価値観が充足され、充実した日々が最後まで送れるにこしたことはありません。
 いずれにしろ、人間は老化し、死ぬべき運命にあるわけです。
 人間はただ弁々と長生きをすれば良いというものでもないでしょう。
 Aさんも更に充実したお幸せな日々を奥様やまわりの方々と送られることを祈って止みません。