若返り

核酸(DNA&RNA)の スムーズな新陳代謝をめざして…

 久しぶりに昔の同級生のクラス会などに出たりすると、随分年をとったなという人もいれば、驚くほど若さを保った人もいます。
 年と共に人は老いるわけですが、そのスピードは個人差が大きいようです。
 早老化する人は成熟も早いといわれます。普通、人は成熟するまでの期間の約五倍が天寿だといわれます。
 早熟早老タイプの人は、遺伝的にそうなる因子を持ってうまれているのかも知れません。

遣伝子と環境因子

 いま、大抵の病気は遺伝因子も関係しているといわれますが、遺伝的な因子があってもそれですべて決定されるわけではありません。
 どうなるかは環境因子で決定的に違って来ます。
 例えば、脳卒中になる遺伝的因子を持って生まれてくるラットの家系があります。これに普通食を与えていたら全匹、そう年をとらないうちに脳卒中になって死んでしまいます。
 脳卒中になる遺伝的因子を持ってさえいなければ、この普通食を与えていればどのラットも天寿を全うします。
 これに塩分(ナトリウム)を少し多目に与えたら、若い内から脳卒中でバタバタ倒れます。しかし、大豆や魚の蛋白質を同時に与えると、若い時の脳卒中の死亡率は10%程度に下がりますし、カリウムやマグネシウムもそれと一緒に多目に与えたら脳卒中は最後までおこらず天寿を全うするくらい長生きします。
 このように、遺伝因子がなければ起こらない病気でも、環境面でフォローしてやれば、まるでその病気の遺伝因子がなかったかのように一生を過ごすことが可能になるのです。

遺伝子の複製が うまくいっていない…

 年相応よりも早く老化が進行してしまう人は、おそらく遺伝子そのものの複製がうまくいっておらず、細胞の代替りがきちんとされていないのです。
 それは、遺伝子を構成する成分、核酸がうまく合成されていないからです。
 核酸自体はさほど複雑な構造ではないので、従来は食べ物を原料にいくらでも体内で合成できると思われており、栄養学的にもあまり問題にもされていませんでした。
 しかし、人間の体はおよそ六十兆個もの細胞でなりたっており、毎日壊れ、作り直されている細胞の数は何と二千五百億個にもなりますから、この核酸の合成を毎日続けて行くことは凄いことなのです。どの細胞もセンターに核を持ち、そこに格納されている遺伝子はその細胞が生活していくのに必要な情報、設計図をデータベースとして持っています。この遺伝子は二重螺旋構造で小さく折畳まれていますが、もし、これを引伸ばしたら、どの遺伝子も人間の場合1・8メートルにもなるといわれます。
 これを毎日二千五百億個も新たに組み立て直し、さらにそれをもとに細胞を新しくしているということですから、私達の体の細胞って偉いんですね!

遣伝子の 組み立て部品が核酸

 それだけに、組み立てに当って必要な部品はタイムリーに供給してやる必要がありますし、組み立てるとき活躍してくれる酵素の助
手としてミネラルやビタミンが必要なのであれば、それらも適宜適量順調に供給してやる必要があるわけです。
 必要な部品としては、一般的な食物や、壊れた遺伝子のカケラも材料となりますが、他の生物の細胞の核に含まれている核酸そのものが一番良いようです。
 組み立てあがった遺伝子は自分のもの以外は全てそのままでは使いようがありませんが、バラした部品としての核酸であれば、動物であれ、植物であれ、キノコのような菌類のものであれ、何でも共通ですから構わないのです。
 この辺りはおもちゃのレゴを連想すると容易に理解できます。
 上手に核酸を摂る材料としては動物の代表はイワシ、植物の代表はタマネギ、菌類の代表はマッシュルームといったところです。

組み立てに必要な 微量栄養素

 組み立てに必要なビタミンの代表は葉酸、ミネラルの代表は亜鉛ですが、もちろんこれだけでOKというわけにはいきません。
 ライフチェーンに名を連ねている必須微量栄養素は全て適量補充することが、核酸のスムーズな合成に必要です。
 これらを必要にして充分な量摂り続けることが、自分の体の遣伝子を正常に新陳代謝させるうえで基本になります。
 これらの材料をふだんの食生活から適切に摂り続けるというのは、一見簡単に見えますが、実は至難の技です。
 それをカバーするための、良いサプリメントもありますから、積極的に使って行くことが望ましいと思います。

活性酸素消去剤も 活用を

 この正常な新陳代謝のためにも、また、作り上げたあとで活性酸素やフリーラジカルに障害を受けないためにも、活性酸素消去剤ともいうべきサプリメントも活用したいものです。
 考えて見たらあらゆる成人病は早老とセットになってわれわれを悩まします。早老だから成人病につけこまれるのか、成人病になるから早老化するのかということも考えなくてはなりませんが、おそらく両方が互いに誘引となってしまうのでしょう。
 いずれにしても本来の年までの若返りは以上のことを着実に実現していけば必ず実現できますし、その過程で多くの成人病の悩みも解決されていくはずです。
 脳神経の細胞のように、分裂をしない細胞の寿命こそ人間の天寿のようです。その寿命の尽きるまでは、他の細胞も上手に分裂をしつつ生き延びたいものです。