糖尿病・

・糖尿病の代表的症状は口渇、体重減少、視力低下、慢性疲労等です。
・動脈硬化、腎機能低下、眼底出血、細小血管障害、神経障害などの合併症が進行しやすいので要注意です。
・若年に多いI型糖尿病と、中年以後に多いインスリン非依存型の・型糖尿病、その他の病気が原因で引き起こされる二次性糖尿病(膵疾患、内分泌異常疾患、遺伝によるもの、その他)などに分類されます。
・ブドウ糖の代謝異常がおきている―というのが各種糖尿病の共通点です。それは耐糖能テストで大体わかります。
・これは食事をしてある時間がたつと、血液中の糖分や尿中の糖分の値があがり、さらに時間が経過すると減少してくるという性質を利用して測定するものです。
・診断の基礎となる判定基準を国際的に統一するため、日本でもWHOの基準にあわせ、ブドウ糖の負荷量を75グラムとし、空腹時と二時間後の値を測定します。
・この基準をオーバーしていると、糖尿病と診断される程度の糖代謝異常をおこしているということになります。
・この耐糖能テストで、ギリギリ近くの境界型の人が加齢とともに増えてきます。そういう人が一番注意しなくてはいけないのは高インスリン血症の結果としての動脈硬化です。
・加齢による耐糖能の低下は、運動量の低下、筋肉の減量などの他、ミネラルのうちセレニウムやバナジウム、クロムの摂取不全によるインスリンに対する感受性の低下が原因なことが多いようです。
・細小血管障害は腎機能低下、眼底出血、痴呆などを引き起こしますが、一般的には糖尿になって十年位がすぎてから本格化します。
・薬物過剰摂取などで低血糖が起こるさいには、自律神経が機能亢進の反応を起こし、そのせいで動悸、ふるえ、冷や汗などが出ることがあります。
・血糖値の空腹時の値を60〜110mg/dl、食後二時間値で200を超さないこと、体重を標準体重の上下一割内にコントロールすることを目標とします。
・食事の摂取カロリーは成人以降で一日一八〇〇キロカロリー〜二〇〇〇キロカロリー程度で、規則正しく摂ること、砂糖・果物など急に血糖値を上げるものは控えることが大事です。
・全体として脂肪の摂取を抑え、繊維の多い食品を多目にとることがすすめられます。
・ビタミンではB群全般、なかでもビオチン(B7)、ピリドキシン(B6)が不足していると耐糖能が低下します。ナイアシン、B12の多目の摂取が耐糖能を向上させるケースがあります。
・細小血管障害を予防するにはビタミンCを摂取することがポイントです。
・神経障害の予防のためには血糖値を下げることがポイントです。この鍵は運動です。食後30分に30分の強めの運動、例えば脈拍が120〜130になる位の歩行を合計1日1時間以上しましょう。
・食事療法は複合炭水化物(精製加工していない穀物、例えば麦ご飯など)を中心とします。これは砂糖などは摂るべきでないということも意味しています。
・食物繊維は大いにとるべきです。これらは単に腸からの糖分の吸収の急上昇急降下を避けられるという以上の効果が期待できます。
・豆類の繊維も特に有効です。麦ご飯に納豆を添えればアミノ酸スコアも理想的になるでしょう。
・多年にわたる調査からみても、米国で菜食中心の食事を守っていることで知られるセブンスデーアドベンティスト教団の信者は、普通のアメリカ人に比べると糖尿病発生率は約半分です。
・白砂糖はそのままでも糖尿病の引き金になるとみなされており、白砂糖が直接の引き金にならなかった人々の間でもコレステロールの増加や中性脂肪化のもとになるという型で危険因子になっています。
・白砂糖が駄目でも果糖なら良いと思う人がいますが、糖尿病にとっては果糖も白砂糖同様に良くない結果をもたらします。
・糖尿病患者の尿中の亜鉛・マグネシウム排出量は約2倍に増大しています。
・合併症の対策には、亜鉛、マグネシウムの不足がないようにすることが大事です。眼の網膜は体内で一番亜鉛を必要としているからです。
・活性酸素を抑制するビタミン・ミネラル・植物性生理活性物質が総合的に入ったサプリメントで、亜鉛、マグネシウム、クロム、ビタミンB群などを毎食摂取することは耐糖能をあげるとともに免疫能をあげ、創傷治癒を促進します。そしておこるかも知れない合併症を予防します。(つづく)