ミネラル各論b{カルシウムCa、銅Cu、亜鉛Zn}

カルシウム(つづき)
骨粗鬆症

 この状態がもしつづいていると、骨がスの入った大根のようにスカスカになり、ちょっとしたことで骨折しやすくなっていた筈です。
 これを骨粗鬆症といいます。
 老化にともない、体(骨格)がちぢみ、背骨が曲がってくるというのも骨粗鬆症の進行を示すものです。
 これが悪化して足の骨などを折ると、寝たきり老人になるもとになります。
寝たきりになると老人ボケが急速に進行するおそれがでてきます。
 老人ボケと床ずれの予防(治療)のためには、とりあえずビタミンCを何回かに分けて最低1日2グラム程度サプリメントでさしあげてください。
 毛髪分析で骨粗鬆症の危険がわかったときは、骨折予防にサプリメント等でカルシウムを1日1・000ミリグラム、マグネシウムをその半量を目標に摂取します。

マグネシウム

 細胞内液に多いミネラルです。
 カルシウムと一面で拮抗し、一面で協力しあって、骨などをつくりますが、何といっても細胞内
で外から入ってきたナトリウムを、大急ぎで外に汲み出すナトリウムポンプを動かすのに必要なミネラルとして知られています。
 山登りやマラソンなどで急に運動しすぎると、やがて筋肉がこわばって動かなくなります。
 これはマグネシウム不足のため、ナトリウムポンプが正常に動かず、筋肉収縮時に細胞内に入ってきたナトリウムが細胞の外に出ていかないためのケースがほとんどです。
 足がつったり、心臓発作(狭心症)をおこしたりする時も、マグネシウム不足が関係しています。
 神経に対しては、その興奮を鎮める作用をしますので、マグネシウムが不足をしてくると、神経が高ぶってしまうことになります。
 循環器疾患との関係でもマグネシウムは大事な役割を果たしており、不足すると動脈硬化になりやすいのです。
 そのほか、エネルギーの生産、ホルモンの分泌、体温の調節にも深い関係があります。
 成人男子で、1日300ミリグラムは必要ですが、実際にはその半量程度しか摂れていない人がほとんどです。
 昔の人はおおむね疲れ知らずで馬のように働くことができました。
 これは、主として当時の塩からマグネシウムを十二分に摂取していたためと考えられています。
 今の食塩は、ニガリ(塩化マグネシウム)を抜いているのでマグネシウムは殆ど摂れません。
 マグネシウムが不足するとどうしても慢性的につかれやすくなります。

 銅は体の中で命とりになる過酸化の進行にストップをかける酵素、スーパーオキサイド ディスムターゼ(SOD)を活性化させるのに、どうしても必要なミネラルです(亜鉛と協力しあう)。
 このほか、銅が不足すると血中のコレステロールが増量し、動脈硬化や心臓病の心配が出てきます。
 毛髪分析で銅の相当な不足がみつかったら、クロムも見てください。
 両方とも少ないと(銅だけの人もいますが)、何らかの有効な手を打たない限り、数ヶ月〜数年内に、心臓に過大な負担がかかるようになるおそれがあります。
 これは、どの検査より早くその危険性をキャッチできるので、銅やクロムのサプリメントを毎日摂取する等の対策で、その危険を回避できる時間が得られます。
 銅不足は血管が破れやすくなるほか、骨のもろさも招きます。
 また、鉄欠乏性の貧血といわれた場合は、鉄とともに銅も補給することが大事です。
 鉄剤だけだと、貧血も回復しないことが多いのです。
 日本人の摂取量は一般的にいって少なく、新生児用の粉ミルクには銅と亜鉛を強化したものもあります。
 また、白髪にも関係しています。
(カルシウム、銅、モリブデン等の不足が、白髪を招く)
 寝ている時、呼吸がとまってしまう人なども銅不足のことがあります。

亜鉛

 銅とともに、SODの活性化に必要な大事なミネラルです。
 亜鉛は別名「愛のミネラル」とも呼ばれています。
 亜鉛不足だと満足すべき愛情生活は営めないからです。
 亜鉛は他のどのミネラルより多種類の酵素の活性化に幅広く関与しており、生命の維持
にどうしても必要なミネラルです。
 虚弱体質の人の多くは、胃の働きが充分でないために、亜鉛不足の悪循環におちいっています。
 胃酸(塩酸)は亜鉛によって活性化される酵素が働いて、胃の粘膜で合成されます。
 胃酸が充分にあり、その酸性の度合が強いと食物中のミネラルがイオン化し、腸に行ったときに吸収されやすくなるのです。
 食物から入ってきた亜鉛も一緒です。
 もし、胃酸が弱いと亜鉛もイオン化されず、吸収が悪くなります。
 そうなると、胃酸もうまくつくれなくなるのです。
 この悪循環がつづくと虚弱体質になってしまいます。
 特に40才すぎの女性の半数は無胃酸症かそれに近い状態といわれます。
 胃下垂の人などはこのタイプです。
 胃を強くすることが健康づくりのポイントです。
 それには亜鉛の充分な摂取がかかせません。
 毛髪分析をしてみると、大事なミネラルがズラッと低く出る人がいます。
 その人は亜鉛不足が引きがねになっているミネラル吸収不全症を疑ってみる必要があります。
 また、亜鉛は毛髪を伸ばす活動に働く酸素を活性化させるミネラルをしても知られています。
 亜鉛が不足していると髪の毛の伸びが悪くなるのです。
 また亜鉛が不足はこの意味で薄毛やハゲの一要因ともなっています。
 毛髪は有害ミネラルをよく摂り込み、体外に排泄する働きをしてくれています。ハゲの人はそれだけ有害ミネラル排泄のチャンスが少ないともいえます。
 いろいろ工夫をしてハゲた部分の毛髪を再生させることはミネラル栄養療養法からも意味のあることです。
 有害ミネラルの多い人は仮にフサフサしている人であっても養毛剤を利用して、より多くより速く毛髪を伸ばすのも有効です。(つづく)