微量栄養素と健康

自然食ニュースが提唱する 『日本人の食事指針』について16

バイオミネラル研究所所長 仙石紘二

(9) 以上は、健康な生活の実現に必要ではあるが、微量ながら有毒金属で慢性的に中毒させられる
公害社会で、高ストレスにさらされ、何かと活性酸素の毒性に痛めつけられている現代では、これらさえ守れば充分だとはいいきれない。ミネラル・ビタミン等の微量栄養素、アミノ酸等の不足分は適切なサプリメントで補うことが望ましい。ミネラルバランスをチェックし、調整していくために、最低年1回、誕生日に毛髪分析を。(その二)

高ストレスにさらされる 現代人

 単に自然食をしているから安心だとは言えないのは現代人の生活があまりに高ストレスにさらされているからです。ストレスにさらされると生体は体内にストックしている栄養素や生体成分を動員してストレスの緩和とダメージの修復につとめます。
 ビタミンもミネラルもストレス下では湯水の如く費消されるのです。
 現代人が高ストレスにさらされる一番の原因は、時間に追われること、同じ時間内に同時にあれもこれもしなくてはならないと、あせらされることだと言われます。
 しかし、医学的には、このように進退きわまる事態に立入らせ、パニックに陥らせるような場合だけでなく、生体に打撃が加えられた状態(セリエ博士の提唱)を広くストレスと呼びます。
 そうすると、有毒金属による微量慢性中毒、食品添加物から医薬品まで含めた化学物質の体内侵入、病原菌の侵入、過労、つらいほどの寒暑、けがなど実にさまざまなものやことにさらされる状態は全てストレス下にあるというわけです。
 なんらかの事情でストレスにさらされていると、微量栄養素はどんどん不足するようになってきますが、そうなると、今度は微量栄養素の不足自体が生体に打撃を加えることになりますから、これが新たなストレスになります。
 今の世はたいへん便利になりましたが、同時に何事もスピーディーになりました。のんびりしていては、たちまち取残されてしまうことになります。うまくやっていかないと、いつも時間に追われてストレスがたまります。昔の時代に比べて現代を特徴づけると、微量ながら有毒金属で慢性的に中毒させられていることと、微量栄養素が不足しがちであることが二大特徴だと私たちは考えています。

何かと活性酸素の毒性に 痛めつけられている

 ストレスにさらされると、血液中の活性酸素のレベルはあがります。一つには生体の恒常性(ホメオスターシス)を維持・挽回するため、自律神経のほかに、脳下垂体ホルモンの刺激で副腎ホルモンが分泌され、その作用で糖代謝が昂進します。この糖をエネルギー源とするために、また、複雑な生化学変化を高速で処理していくために、各現場での酸素は活性型に転換される率が高くなるからです。
 活性酸素は不飽和脂肪酸でできている細胞膜などの生体膜にとっては、過酸化脂質化という困った生化学反応をもたらす元凶です。余分な活性酸素を素速く安定型の酸素に戻す為にも微量栄養素は活性酸素がつくられる現場でどんどん費消されます。
 局所的ストレスは第一次的に微量栄養素の局所的費消を招きます。血液の流れなどで近くから局所に動員されてきますが、時間差ができるのはやむをえません。また、最初は局所的ストレスであっても、生体は防御反応である全身ストレス反応をおこすので、全身で微量栄養素の需要があるようになります。そこで、いつまでも局所だけへの微量栄養素の動員を期待するわけにはいかなくなります。
 私たちが用意できる解決の方法は予め、どこで局所ストレスが生じても、即時うまく対応できるよう、常日頃から微量栄養素を十分に摂り、全身を飽和状態にしておくことです。
 活性酸素は出来てからいつまでもウロウロしているということはありません。酸化力が大変強いので、生まれた瞬間に周囲の何かを酸化せずにはいられないのです。一秒の何千分の一というオーダーの寿命です。この強力な酸化力から酸化されては困る生体膜を守るために、自然食ニュースはミネラル・ビタミン・アミノ酸などの微量栄養素をサプリメント(栄養補助食品)で補うことが望ましいと考えています。

自然食だけでは難しい 微量栄養素の確保

 もともと自然食は加工度が少ないので、微量栄養素は多めに摂れるという利点があります。しかし一方で健康のためには少食が望ましいのです。いくら自然食をしているといっても、絶対量の確保は少食にすればするほど難しくなりますし、また、何かとストレスにさらされやすい現代では、微量栄養素は多く摂る必要がありますので、自然食だけでは微量栄養素の確保は難しいのです。それに食養の先達がよく嘆いて「昔の玄米の方がパワーがあった。昔なら玄米食をするだけでこんな病気なんかすぐなおってしまったのに…」と言われます。今は、酸性雨などの全般的な環
ォ汚染もあって、いくら自然農法をしても、昔ほど野生のパワーのある玄米にはならないのでしょうし、具合を悪くする人間の体の程度もタチが悪くなっているのでしょう。
 ですから、私たちはこういうものは栄養学の先進国アメリカに良い物があるのだから、それを手に入れて毎日、いや、毎食愛用しましょうといっているわけです。宇宙食ではありませんが、人間に必要な微量栄養素を研究し、一粒の中に、四十数種の微量栄養素がセットで入っているマルチタイプのものなんかは、実に重宝です。自然食で蛋白質、糖質、脂肪、食物繊維といったマクロな栄養素を確保し、同時にサプリメントをその都度摂って、ミクロの栄養素をセットで確保する。これが私たちが提唱する望ましい食事の方法です。
 よく、自然食をしている人の中には、サプリメントだなんて、そんな薬みたいなものがどうして自然食なの?と素朴な質問を投げかけてくる人がいます。
 しかし、サプリメントは薬ではありません。良質なそれはケミカルなものは全く使わず、天然の
素材だけから作っていますから、まさに食品そのものです。
 但し、サプリメントもピンキリです。良質な物を選ぶ必要があることは食物でも良い物を選ぶ必要があるのと同じです。日本製のものは薬事法の制約で良いものがないのが現状です。
 形が薬みたいといっても、お菓子にもマーブルチョコレートみたいに、糖衣錠タイプの風邪薬と形だけは良く似ているものがあるじゃありませんか。問題は形状ではなく中身ではないでしょうか。