微量栄養素と健康

自然食ニュースが提唱する 『日本人の食事指針』について
―肉・牛乳・卵などは、アレルギーのもと―

バイオミネラル研究所所長 仙石紘二

増えている アレルギー

 最近、アレルギー症が特に子供に多くみられます。息を苦しそうに、ぜいぜいヒューヒューいわせる小児性喘息。慢性鼻炎。目がかゆい慢性結膜炎。蕁麻疹。アトピー性皮膚炎。これらがアレルギー性疾患と呼ばれることは、もう既に御存知ですね。大人の花粉症もアレルギーです。
 アレルギーとは端的に言って異蛋白から身を守るための免疫反応の結果です。
 私たちの体の構造は主として蛋白質によって組み立てられていますが、この蛋白質は腸から吸収されたアミノ酸を主原料として、細胞内の遺伝子情報の指令で、自分特有の蛋白質として組み上げられます。自分の体制を維持・防衛するため、異分子・異蛋白に対しては厳しい拒絶反応をするように体自身がしくまれているのです。
 体の構造が蛋白質を中心に組み立てられているからと言って、例えば蛋白質に富む卵を食べたとしても、卵の蛋白質がそのまま腸から栄養として私たちの体に入ってくるわけではありません。もし、入ってきたとしたら、それは異蛋白ですから防衛反応の対象になり、アレルギー反応を引起こす元になります。普通は胃腸で消化され、アミノ酸段階まで分解され、その後吸収されます。蛋白質のままでは原則として吸収されません。

アミノ酸の 重合体が 蛋白質

 もともと、蛋白質というのは、アミノ酸の重合体です。アミノ酸とアミノ酸が連結器で幾つも幾つも繋がっている列車のようなものです。蛋白質の消化とは酵素がはさみのように働いて、この連結器のところで切り離しアミノ酸の浮遊液にすることです。
 蛋白質には動物性蛋白質とか、植物性蛋白質というのがありますが、アミノ酸段階にまで切り離されると、もう、動物性アミノ酸とか植物性アミノ酸というのはありません。皆、共通項です。アミノ酸は約二十種類あります。この内八種類は人体では合成されないので、どうしても食物からとらなければなりません。この八種類を必須アミノ酸といいます。
 一般的に動物性食品は蛋白質が多いとか、必須アミノ酸に富むとか思われていますが、必ずしもそうではありません。この誤解が動物性食品を多食させる動機を形成させます。動物性食品をほどほど摂らないと、蛋白不足になるのではないか、という恐怖感が先立ってアレルギーを起こしてしまっているにも拘らず、まだ、動物性食品と縁を切れないお母さんが多いのには、困ったものです。
 植物性食品にも蛋白質は結構入っていますし、その蛋白質の構造は動物性のそれと比べて分子量が少なく、単純なものが多いのです。どっちみち、腸の中で、いったんアミノ酸段階まで消化されないと使い物にならないのですから、分解・消化が簡単な植物性蛋白質のほうが、人間にとっては価値が高いのです。必須アミノ酸も玄米を中心になにかの豆や芋をほどほど摂っていれば不足するということは、まずありません。更に加えて、私たちは必須アミノ酸のサプリメントをすすめていますから、これを適当に食べていれば、動物性蛋白質などは全く食べなくても、およそ蛋白質不足で
子供の成長に悪影響があるなどということははありえないのです。

断固やめるべし 肉・牛乳・卵

 現にアレルギーをおこしていようといまいと、肉、牛乳、卵などは断固やめるべきです。というのは、こういうものを食べますと、大人でも実は未消化のまま、蛋白質分子が微量ながら腸から体内に入って来てしまうのです。それは、免疫システムでマークされ、抑えられたうえ、排除されているのです。激しいアレルギー反応はおこさないまでも、免疫系にとってダメージを与えています。その犠牲の上に見掛け上の平安があるだけです。子供の場合は腸壁も未成熟で、未消化の蛋白質の透過率も高い上、免疫系が黙って処理する力も弱いので、どうしてもアレルギー反応で苦しむケースが多くなる
フです。
 悩まされているアレルギーをさっぱりと解決するには、元を断てばいいのです。
 よく、ラジオの健康相談を聞いていると、アレルギーの子供を持つ親の相談に対し、卵、牛乳などは子供の食生活から完全に排除するのは難しいし、違った食べ物を自分だけ食べさせられると、性格が歪むかも知れないなどといって、大きくなれば自然と治るし、成長には肉も卵も牛乳も役にたつから、完全にはやめないで、量を減らして様子を見ましょうなどと言っていることが多いのです。
 冗談じゃありません。休み休み言って欲しい。アレルギー体質が自然と治るわけがありません。形をかえて、より深刻なアレルギーになってあらわれるのです。アトピー性皮膚炎は姿を消しても、喘息になってあらわれます。この発作で窒息して、大病院といえども手の打ちようもなく死亡するケースが結構あるのです。
 そういえば、ラジオの健康相談でよくでてくるのが、おねしょです。答えはアレルギーとおなじ。ある程度大人になれば必ずなおりますから、ほおっておきましょうと、まあ、無責任な回答をしています。
 類推力のある人はここでハッとしたはずです。そうです。おねしょもアレルギーの表れ方の一つなのです。だから答えも一緒なのです。即刻、動物性蛋白食品と縁切りしましょう。あしたの晩からおねしょはなくなります。
 日本人は動物性蛋白質でアレルギーを一番おこすのですが、大豆アレルギーも意外と多いのです。植物では小麦、米がアレルゲンになるケースも残念ながらあります。
 怪しいと思われる食品を一週間遮断すると症状が消え、再開すると再発するのであれば、その食品はアレルゲンと考えてよいでしょう。