それでも、薬を飲み続けますか?
「薬を使わない」薬剤師からの警告
薬剤師・栄養学博士宇多川久美子先生
「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後に薬」
著書『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)で世間に衝撃を与えた宇多川久美子さんは、現在、「薬を使わない薬剤師」として、著作、講演、健康指導などを通じて、安易な薬使用に警告を発しながら、身体に備わっている自然治癒力を引き出す「健康づくり」に活動されています。
病院の薬剤師時代は、高血圧や糖尿病の患者さんに「このお薬は一生のお付き合いですから、欠かさず飲んでくださいね」などと、何の疑問も持たずに薬を出していた宇多川さんが、なぜ「薬を使わない薬剤師」になったのか。
ある時、「病気を治すために薬を出しているはずなのに、なぜみんな治らないのだろう」、「薬が本当に効くなら、どうして病気自体がなくならないのだろう」、「病人が減っていかないのだろう」という疑問が次々わき起こり、それまでは当然と思えた光景を奇異に感じるようになったといわれます。
では、どうすれば、病気はなくせるのか、病人を治せるのか。
それをひたすら考えていた折、厚生労働省のホームページで見つけた「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後に薬」の言葉に、答えを見つけました。
アメリカに留学し栄養学博士の資格を取るなど生活習慣改善のノウハウを広く学び、その実践により、自身も若い時から鎮痛剤を手放せず「薬漬け」だった身体から解放され、さらに、多くの人々の健康づくりに役立てていかれるようになりました。
現在、自らの経験と食事・栄養療法などの豊富な知識を活かして、感じて食べる「感食」・楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている宇多川久美子さんに、今回は「薬」に焦点を合わせてお話をお聞きしました。
薬は身体にとって異物であり、毒である 薬は症状を抑えるもの 病気は治せない
――薬はプラスチックと同じ
宇多川 ほとんどの薬は症状を抑えるためのもので、病気を治すことはできません。病気を治すのは身体に備わっている「自然治癒力」です。
薬学部で最初に教わることは、「薬は身体にとって異物であり、毒である」ということです。
つまり、薬とは異物が身体に起こす化学反応の力を借りて、症状を抑えたり、ウイルスや細菌などの病原体の力を削いだりして病気の力を抑え、自然治癒力をサポートするものなのです。
医薬品の多くは石油を原料に化学合成されたものです。つまり、プラスチックと同じ素材からつくられているのです。
プラスチックは土に埋めても土に帰ることはありません。身体と薬の関係も、それと同じようなことがいえると思います。
自然界には存在しないものを、自然の一部である身体に馴染ませるのは至難の業で、身体にとっては大変な負担です。使用を誤れば、自然治癒力を落としたり、毒性(副作用)を発揮したり、体に害を与えます。
また、たとえ自然物(生薬)が原料の漢方薬でも、長い歴史の中である程度安全性が確認され、作用も西洋薬よりは穏やかとはいえ、安全とはいえません。煎じて煮詰め濃縮することで薬効を引き出すので、それだけ強いエネルギーがあり、アレルギーや副作用が出ることもあります。そして、漢方薬にしても自然治癒力をサポートするもので、病気を治すものではないのです。
主作用と副作用
――薬は全身を巡って随所に作用する
宇多川 薬には患部に働きかけるプラスの作用(主作用)と、患部以外に作用するマイナスの作用(副作用)があります。飲み下された薬は、腸から吸収されると、肝臓から血流に乗って体中を巡り、薬を必要としている個所だけではなく、随所で作用を及ぼすからです(図1)。
例えば咳止め薬は、喉に作用するだけではなく、胃腸や脳など内臓諸器官から手足の末端に至るまで作用します。
その上、薬の感受性は、例えばお酒(アルコール)に強い人、弱い人、全く受けつけない人がいるように、個々人によって違います。同じ人でも、体調の良し悪しや、加齢によっても変化するので、長年飲んでる薬でも、いつ副作用が出るかはわからないのです。
薬の組み合わせによっても、体内での化学反応は違ってきます。種類が多いほど予測不可能で、作用が強く出たり、逆に効き目が薄れたりもします。高齢者では常用薬が10種を超え、1日30錠以上飲む方は珍しくありません。そして、律儀に飲む人ほど、体調不良を訴えられます。
副作用は、効き目が強いほど大きく、特に、今までの薬より高い効果が期待される「新薬」は、診療実績データが少なく、何が起こるかわかりません。インフルエンザの特効薬といわれる「タミフル」では、保険適用になった時には誰もが予想もしていなかった「異常行動」という副作用が相次いで、自殺者まで出て問題になりました。
自然治癒力・免疫力を破壊する
――酵素の大量消費と交感神経の優位
宇多川 病気を治すのは「自然治癒力」であり、その主役は「免疫システム」です。その免疫力を薬は確実に落とします。多種多量に飲むほど、長期常用するほど、強い薬ほど、自然治癒力、免疫力は破壊されていきます。
例えば、風邪のウイルスが身体に侵入すると咳、喉の痛み、鼻水、嘔吐、下痢などの症状が出ます。こうした症状は免疫細胞がウイルスと闘って排除している証です。それを薬で抑えれば抑えるほど、ウイルスは体内でくすぶり続け、すっきり治りません。風邪をひいたら、体を温めてゆっくり休んでいれば、自然に治ってしまうのです。
生命活動の原点は「代謝」(新陳代謝)です。食物を分解して栄養素に変え、細胞をつくったり修復したり、エネルギーを生み出したり――等々、生命活動は化学反応(代謝)の連続で起きています。
代謝には触媒として「酵素」が使われますが、特に、異物であり毒物である薬の代謝(図1)には、大量の酵素が消費されます。その結果、生命維持に使える酵素は少なくなり、そうなると全身の代謝が悪くなり、代謝が悪くなると体温が下がります。体温が1度下がると免疫力は13〜30%低くなるといわれます。
また、薬は生命維持の原点である自律神経のバランス(図2参照)を崩します。多くの薬は交感神経を優位にし、交感神経が優位になると血管が収縮し血流が悪くなり、これによっても体温は低下します(顕著な例が解熱鎮痛剤、ステロイド剤、抗がん剤など)。
さらに、薬で交感神経を優位にして身体にムチを打って無理を続けていると、しまいには自然治癒力が破壊されてしまうことにもなりかねないのです。
こんな薬に気をつけよう 身近で気軽な「市販薬」こそ要注意
――風邪薬は最たるもの
宇多川 市販薬(一般用医薬品、OTC薬とも呼ばれる)は安全と思われがちですが、私は気軽に用いられる市販薬こそ要注意と考えています。
市販薬は医師の出す処方薬(医療用医薬品)に比べて、副作用を避けるために成分を少なくしてあるので、作用は穏やかですが、副作用は当然あります。
2009〜13年の5年間にメーカー側の報告例だけでも、市販薬の副作用は1225例(総合感冒薬400例、解熱鎮痛消炎剤279例、漢方薬134例)、そのうち死亡例は15例(風邪薬8例、解熱鎮痛消炎剤3例、鎮咳去痰剤2例、漢方製剤1例)もあり、後遺症も15例報告されています。
最もお馴染みの風邪薬(総合感冒薬)には、1錠に一通りの風邪症状を抑える成分が入っているので、自分には不適な成分が入っている可能性も高く、「用法や用量を守っていれば安全」とはいえません。鼻水を止める抗コリン薬は汗止めの副作用があり、それが原因で熱中症を起こすケースもあります。高齢者が風邪予防に気軽に飲んだり、風邪薬を飲みながらスポーツするなどは、命取りにもなりかねません。
私もその一人でしたが、鎮痛剤を常用している人は多いと思います。しかし、薬は常用するほど耐性ができ、次第に量が増えたり、強い薬に移行するようになります。最近は「スイッチOTC薬」といって、医師の処方が必要だった薬が薬局でも購入できるようになったものもあり、その一つ、消炎鎮痛剤のロキソニンは、昔は「劇薬」扱いでした。それだけ、体への負担は大きい薬です。消炎鎮痛剤は、胃粘膜を刺激するので胃炎や胃潰瘍の原因にもなりかねません。頭痛などでは重篤な病気が隠れている可能性もあります。
胃腸薬には大別して、胃酸の分泌を抑える薬と、胃酸を中和したり胃粘膜を保護したりする薬があり、原因を見極めて薬を選ぶことが大切ですが、それ以前に、薬に頼っていると、本来の胃の働きは低下してしまいます。胃もたれや胃痛は、ストレス過多や暴飲暴食などへの危険サインです。日常生活を省みて、思い当たることを改めることが最重要です。
どうしても薬が必要な時は、医療機関で処方薬をもらう。それも難しければ、薬剤師のいる薬局で症状にそった薬を教えてもらうことが大切だと思います。
ステロイド剤など
――リバウンド(離脱後のぶり返し)
宇多川 薬は、離脱する時に起きるリバウンド(ぶり返し)の問題もあります。
最たるものが強力な抗炎症剤で知られるステロイド剤です。ステロイド剤は免疫系を抑えて炎症を鎮めるので副作用もひどく、長期連用していると組織に沈着し、全身悪化反応をきたしたりもします(図3参照)。薬の止め時を誤ると、リバウンドで、薬を使う前よりも症状がひどくなり、患者さんを苦しめます。
ステロイド剤には市販外用薬もあり、中には抗生物質を配合しているものもあります。使用はくれぐれも慎重に、ステロイドに理解の深い医師のもとで使うことを強くおすすめします。
抗菌薬(抗生物質)など
――なれ・耐性の恐ろしさ
宇多川 農薬、抗生物質、麻薬などでよく知られているように、薬を使い続けていると、その薬の作用に対して身体は耐性(抵抗性)を持ち、次第に効かなくなります。そこでさらに強い薬を用い、それにまた耐性ができる――イタチごっこです。
日常、頻繁に用いられているのが抗生物質です。ウイルスが原因の風邪にも、抜歯や怪我、中耳炎などでも、肺炎予防や化膿予防などの理由で抗生物質が出ます。しかし、ほとんどの場合は身体に備わる免疫システムがうまく処理してくれますし、炎症が起きてから用いても遅くはありません。
抗菌薬は体内の善玉菌もやっつけるので、腸内細菌叢にもダメージを与えます。胃潰瘍・胃がん予防にピロリ菌を駆除する前に、生活習慣の改善が先決です。
抗生物質の乱用では、体内の菌も耐性を獲得して「耐性菌」が生まれます。さまざまな抗生物質を扱う医療現場では「多剤耐性菌」というやっかいな菌も生まれ、その菌に耐性(免疫力)がついている医療従事者が病院中に菌をまき散らし、「院内感染」が起きるという悲劇が起きています。
細菌やウイルスなどの病原体だけではなく、がん細胞も薬剤耐性をつけ、それによっても抗がん剤が効かない、効きにくくなることが生じます。
抗生物質に限らず、抗菌作用をうたうグッズも、徒らに免疫力を低下させるので要注意です。
ワクチンは劇薬
宇多川 病気を未然に防いでくれるワクチン(予防接種)は、医療の最大の叡智の一つですが、病原体を身体に入れてあらかじめ抗体をつくって感染症を防ぐというのはまさに「毒をもって毒を制す」。恐ろしい副作用のリスクがあります。それに対して国は救済措置を設けているほどです(表)。
例えば、インフルエンザワクチンでは、アナフィラキシー(即時性アレルギー)、ギラン・バレー症候群(末梢神経に障害が起こる難病)、黄疸、肝機能障害、ぜんそく、脳炎、脳症といった深刻な副作用が報告されています。日本では症状が重くなりやすいとして、お年寄り、子ども、乳児、妊婦などは優先的に接種ができるようになっていますが、抵抗力の弱い子どもやお年寄りほど副作用のリスクも高いのです。
子宮頸がんは若年層を中心に増加しているなどの理由で2013年に定期接種(表)になりました。その後、子宮頸がんワクチンでは接種後、20%以上という高率で、発熱、嘔吐、関節痛などの一時的な副作用の他に、四肢の運動能力低下、歩行不能などの重大な副作用が出て問題になっています。子宮頸がんの病原体、ヒトパピローマウイルスは昔から・どこにでもいるウイルス・で、これまでも無数の女性が感染しているはずですが、大部分の人はがんを発症したりしません。近年、患者が増えているとしたら、それはウイルスのせいではなく、現代
人の免疫力が低下しているせいとも考えられます。
感染症の予防はワクチンを打つことより、まず免疫力を高める生活を心がけるべきです。
ワクチン接種を迷っているなら、厚生労働省の「予防接種後副反応報告書集計報告書」などでリスク情報をよく調べて、保護者を含めて自己責任で打つことが望まれます。
副作用が怖い 抗うつ薬・抗精神薬
――抗うつ薬でうつ症状 高依存症等々
宇多川 抗うつ薬を長期に飲んでいると、うつ状態、自殺願望、自傷行為、攻撃的になり人に暴力を振るうなどの副作用があります。
うつ状態があまりにも強い場合は薬の服用も仕方ないと思いますが、原因は取り除けません。やはり、生活習慣を変えることが遠回りに見えて一番の近道だと思います。原因となる外的要因を取り除けなくても、自力でセロトニンやノルアドレナリンを出せるようになれば、同じ事態に遭遇しても気分の落ち込みも少なくなります。
具体的には、セロトニンはリズム運動で放出が盛んになるので、意識して深い呼吸をする、しっかりよく噛んで食べる、リズムを感じて歩く――等もリズムを刻むことにつながり、効果的です。うつの人は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れていますから、睡眠や食事をきちんと取る、規則的に排便する、朝起きて太陽の光を浴びる、ゆっくり入浴するといったことも大事です。
最近は、昔なら個性として捉えられていた子ども達に「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」という新たな病名をつけて、向精神薬を処方したりしています。その一つ「リタリン」はヘロイン並みの高依存性が報告されています。アメリカの少年による銃乱射事件の背景にはリタリンの副作用が疑われ、コロラド州では使用規制を設けました。日本では2007年にリタリン依存症のうつ病患者さんが自殺するまで、うつ病にも使われていました。
その他、日本では小児期ADHDに、覚醒剤と似た作用のあるメチルフェニデートの徐放剤(コンサータ錠)が用いられています。
「生活習慣病」は、生活習慣を改めない限り治らない
生活習慣病の薬は最も不要
宇多川 抗生物質にしてもワクチンにしても、ステロイドにしても、人によっては、また環境によっては、使い時、使い道というのはあると思います。
私が最も不要と思う薬は、生活習慣病の薬です。生活習慣によってなる病気は、生活習慣によって防げるし、治せるからです。
タバコ、アルコール、甘い物、ジャンクフード、暴飲暴食がどうしても止められない、控えられない、運動は嫌い――という方は、薬に頼るのもいいでしょう。病気は治せなくても、ある程度は悪化を防いでくれると思います。けれど、生活習慣病を治そうというのであれば、薬に頼るべきではありません。
メタボリックシンドローム
宇多川 降圧剤、抗コレステロール薬、血糖降下薬、どの薬をとっても、病気は治りません。数値は下がっても、症状を抑えているだけで止めれば元に戻ります。そして、生活習慣を正さない限り、一生つき合わないといけない薬です。
今、降圧剤で脳への血流が抑えられることで認知症になることも問題になっています。
血圧は加齢により高くなっていく傾向がありますが、それも自然のなせる業で、むやみに薬で血圧を下げると、かえって日常生活が不活発になります。
加齢による高血圧でも、生活改善で是正されます。40歳の時は59歳だった私の血管年齢は、56歳の今26歳です。大量に飲んでいた薬を40代になって全て止め、食事を見直し、ウォーキングで正しい姿勢を身につけ、筋肉を鍛えるなど、生活習慣を大きく変えた結果、全身の細胞が若返ったのです。
抗コレステロール薬の常用では、コレステロール値と共に免疫力も下がってしまい、かえって病気を招いてしまう危険性があります。最近の研究では、コレステロール値が下がると免疫力が低下し、感染症やがんになりやすくなったり、また、コレステロール値は高目の方ががんになりにくいこともわかってきました。
血糖降下薬の副作用で怖いのは低血糖障害です。エネルギーが減少し、めまい、昏睡、ひどい場合は死に至ります。インスリン療法(自己注射)は血糖の乱高下を招く危険性も高く、血糖が乱高下すると血管を障害します。
2型糖尿病は、一にも二にも、食事・運動・笑い(ストレス対策)です。
がん
宇多川 がんの三大治療、手術・抗がん剤・放射線は身体を大きく痛めつけます。特に抗がん剤は、正常細胞にまでダメージを与え、免疫力を著しく低下させ、身体を徹底的に弱らせます。免疫学の安保徹先生は、がん細胞は低体温、無酸素の状態で増殖し、抗がん剤は体を冷やし、無酸素状態を招くといわれています。
ストレスや冷え、運動不足などで身体が低体温、低酸素状態になっている人は、がんを発症しやすく、がんを防ぐには、運動、食事、笑いなどの生活習慣で、低体温、低酸素状態を解消することが重要です。
民間療法、食事療法、代替療法でがんが治った人もいます。試して自分に合っていると確信すれば、劇的に免疫力が上がり、がんが自然退縮することは十分考えられます。
「薬ありき」の日本の医療
――薬の安易な使用は自己規制するしかない
健診・検診を受けても、病気の罹患率も死亡率も下がらない
宇多川 日本ではメタボ健診、がん検診など、多くの検診が自治体の補助で行われています。人間ドックに入れば、さらに詳しい検査が多種類受けられます。
けれども「健診には病気を防いだり治したりする効果はない」というのが世界的評価の趨勢です。2012年に国際研究グループのノルディックコクランセンターは、「一般健康診断は、病気の罹患率と死亡率のいずれの低下にもつながっていない。心血管疾患やがんによるものをはじめ、すべての病気について同様だった」と結論づけています。
むしろ健診によって、病気が増え、薬の服用が増えている側面があります。血圧値やコレステロール値、血糖値の基準値は結構変わりますし、レントゲンやCT、MRIなど放射線や電磁波に被曝する検査でがんをつくるということもあるのです。
現在の日本は、医療界によって意図的に、あるいは薬の副作用によって、理不尽に病気、病人がつくられている側面があるのです。
自分の身は自分で守るしかない
――身体の声をよく聞く
宇多川 日本では医師も薬剤師も、処方した薬はすべて飲みきるよう指導しています。
確かに最後まで飲みきった方がよい薬もありますが、患者さんのためというよりも、医療従事者側の「薬を飲む習慣を身につけさせたい」という意識があることも否定できません。日本では、薬を出さないと報酬点数を稼げない制度になっているからです。
処方された薬で体調が悪化したり、薬を飲まなくても症状が良くなった――など、自分の身体の調子で「飲まなくていい」と判断したのなら、その理由を医師に伝えましょう。自分の身体が「これは嫌だ、合わない」と言っているのなら、自分の身体の声が何より正しいのです。
診断や薬について自分の意見を述べた時に、不機嫌になる医師がいたとしたら、その医師に身体を任せるのは危険すぎると私は思います。
治療法や処方薬については、きちんと説明を受けた上で、医師と患者さんが合意して治療を進め(インフォームドコンセント)、医師の診断や治療方針に疑問を感じたら、ほかのお医者さんにも再度、意見を求めることです(セカンドオピニオン)。
健診や人間ドックを受ける際にも、どのような検査が実施されるかをきちんと見極めて、危険な検査は止めるなどの対策を講じることをおすすめします。