難病と格闘・ある医師の気づき
そこに活性乳酸があった!
星合産婦人科病院 星合敏久副院長
健康機能を正常化し免疫力をバックアップ
活性乳酸(環状重合乳酸)は1982年、がん細胞を高密度溶液で培養中に、がん細胞の増殖が抑制され致死効果を示すことから発見されました。
乳酸はもともと人間の体内でも生成されますが、普通の乳酸が直鎖型であるのに対し、がん細胞の培養液中に発見された活性乳酸はリング状になって重合していました。
この発見から、乳酸を重合させ飲みやすくした活性乳酸が生まれ、活性乳酸は今、健康機能を正常化し、加齢につれて衰えてくる免疫力をバックアップするものと知られています。
そうした活性乳酸の働きにより、アンチエイジング(抗加齢)はもとより、がんをはじめ、多くの生活習慣病、アレルギーから自己免疫疾患まで、多くの症例で予防・改善効果が認められています。
産婦人科医師がご専門の星合敏久先生は、父上の末期がんに対して活性乳酸を活用したところ、QOLが向上し、死後の病理解剖で転移がんが壊死していたことがわかり、活性乳酸の効果を確信されました。
さらに、叔父上の末期がんにも有効だったことから、ご自身や患者さんにも活用されるようになり、生理痛、子宮内膜症、卵巣嚢腫、不妊症等の婦人科疾患だけではなく、アレルギーや自己免疫疾患等にも効果を見出されています。
実践的に活性乳酸の効果を確かめられ、「何より副作用のないことが素晴らしい」と活性乳酸を高く評価されている星合先生に、活性乳酸についてお話をしていただきました。
活性乳酸との出合い
末期がんの父親に投与
病理解剖の結果、
肝臓への転移がんが壊死していた
星合 活性乳酸との出合いは平成5年4月、写真週刊誌に掲載された記事がきっかけでした。
当時、父親が末期の胃がんで、肝臓にも転移し、手の施しようのない状態でした。黄疸も出て、尿の出方も悪く腎臓も悪い状況にある。そういう人間に抗がん剤を与えてもかえって肝臓や腎臓に負担をかけ、死期を早めてしまう結果になります。
抗がん剤に代わるなるべく体に負担のない自然な治療法はないものかと探していた時に、写真週刊誌で「新しい抗がん物質が発見された」という記事を見つけました。その物質が活性乳酸でした。記事の内容は、活性乳酸を肝臓がんのあった犬に投与したところ、がんがなくなったというものでした。
薬には必ず副作用があります。特に抗がん剤は効果の反面、強烈な副作用が心配されます。抗がん剤で命を長らえるよりも、副作用で命を落としてしまう危険性があります。特に、身体が弱っている場合はその恐れが強い。
その点、乳酸はもともと人間の体にある物質で、副作用のない安全な物質と考えられました。それががんに効果があるというのなら試す価値はある。私は「これだ」と思い、すぐに雑誌編集部に電話し入手先を聞きました。
当時私は神奈川県の病院に勤務しており、たまたま開発者の長主陽一朗氏がすぐ近くにおられることがわかり、電話でこちらの事情を話したところすぐに活性乳酸を届けてくれました。
活性乳酸は今とは違い、当時は点滴タイプでした。薬でないものを点滴するためには「患者側の同意」の上ということで父親に点滴させてもらいました。
結局、父は活性乳酸を2週間投与して亡くなったのですが、がんに対して効果があったことが解剖してわかったのです。
肝臓に転移したがんは大小無数に散在していたのですが、その全てのがんの塊が壊死していました。中心壊死といって、がんの塊の真ん中の方から腐って溶け落ちているということでした。
乳酸摂取後のQOL向上
星合 QOLの向上も見えました。
父親の胃がんは、肝臓に転移し黄疸も出ていた状況でしたから、当然食欲もなく食事はほとんどとれない状況でした。ところが活性乳酸を投与して2〜3日後、食欲が一時的にも回復し、食事をとることができたのです。
また、痛みも出ていたのでMSコンチン(モルヒネ硫酸塩水和物)という医療用麻薬で痛みを抑えていたのですが、活性乳酸投与後、痛みが緩和されたというので麻薬を止めて、通常の痛み止めで抑えることができました。
このように私の父親においては
@がん塊が壊死していた
A痛みが緩和された
ということで活性乳酸ががんに対し非常に効果があったことがわかりました。
ただし、薬として認められていないものを点滴するわけですから、医師である私が末期がん患者の家族本人の同意があれば暗黙の了解で許されても、医療行為としての治療はできない。患者さんには使えないと思い、父が亡くなってから活性乳酸の活用は封印していました。
余命3ヶ月といわれた 叔父の胃がん。 15年後の現在も元気に
星合 父親が亡くなった3年後の平成8年7月、叔父が胃がんになり、同年夏、築地のがんセンターで手術したところ、「大きなものは摘出したが、お腹全部に播種(種をばらまいたように点在)して広がっている。今年中はもたないだろうから、患者さんには好きなことをさせてください」といわれました。ある意味見放された状況となって、私の脳裏に浮かんだのが、活性乳酸でした。活性乳酸ならば副作用もなく体に負担を与えることもない。
開発者の長主さんに連絡したところ「今は粉末になり口から摂取できる」とお聞きし、それならば食品として口から摂取できる、本人に飲みたい意思があれば十分対応ができると思い、叔父に勧めました。
退院後、抗がん剤と整腸剤が出ましたが、抗がん剤は飲まないようにして、整腸剤と活性乳酸を1日15〜20g程度飲んでもらいました。1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月経っても再発の兆候や具合が悪くなる兆候が全くありません。その後もがんセンターでフォローアップしていましたら、何事もなく無事にすごし、主治医も驚く結果となりました。
叔父は15年後の現在も元気でおります。お腹の中にあれだけがんが播種していたのがクリアされた。活性乳酸は、がんに対しかなりの効果があったということでとても感謝しています。
希望する患者さんにも応用 がん性疼痛
星合 活性乳酸が健康食品タイプとなったことで、症状に対し効果の予測が立てられる患者さんに、「こういうものがある。食品なので飲むか飲まないかは自由意志で決めてください。病気を治したいという気持ちがあり、私を信じてくれるなら、あとは自分の責任で飲んでみてください」と説明し、本人に飲む意思があれば飲んでもらうようになりました。
最初に応用したのは、末期がんの強烈ながん性疼痛です。
60歳代の女性患者さんの訴える痛みは尋常ではなく、私は「それほどつらい痛みなら、活性乳酸という健康食品が効果があるようなのでよかったら飲んでみてはどうですか」と従来の鎮痛剤との併用を勧めました。
驚いたことに、活性乳酸を飲んだ翌日、にこにこしながら廊下を歩き「お蔭でこんなに楽になりました」というのです。
この患者さんはしばらくして、また痛みがぶり返し再入院してきました。聞いてみると、知人に勧められた他のサプリメントを飲んでいたために活性乳酸の摂取量が少なくなっており、また、他の病院でワクチンを用いた免疫療法を受けたといいます。開発者の長主陽一朗氏がいっていたのですが、他の免疫療法を行うと活性乳酸の構造が壊れ、単なる乳酸になってしまい、それが除痛効果を妨げることにつながったのではないかと思います。
がん性疼痛とは、神経にがん細胞が侵入、あるいはがん塊が神経を圧迫することで生じます。作用機序はよくわかりませんが、活性乳酸を飲むことで、がんの成長を抑え、同時に除痛作用も発揮するのではないかと思われます。
一般的ながん化学療法は、がん細胞の分裂を阻止することでやっつけます。効果のある間は問題ありませんが、効果が減少してくるケースが多く、化学療法には限界があるといえます。
一方、活性乳酸は、@がん細胞を死に至らせながら、同時にA患者さんの免疫力を上げていき、がんの再発を防いでいくという相乗効果が大きいと思います。さらに、Bがんは活性酸素が大きく関与していますが、活性乳酸は活性酸素を除去することで病変部を治癒することもわかってきています。
生理痛・子宮内膜症
星合 がんのひどい痛みに効果があるならば、私の専門の婦人科には生理痛の方も来ます。そこで、生理痛の方たちに飲んでもらいました。殆どの方が薬を減らすことができた、あるいは活性乳酸だけで薬を飲まずに済んだ等、症状が軽くなったのです。
では、生理痛がひどい子宮内膜症にも効果があるのではないか。実際に、子宮内膜症がある人で、腫瘍マーカーCA125(特に卵巣腫瘍に特異的に高値を示す)がどんどん値が下がり、痛みも大分取れて、飲み薬も痛み止めもあまり飲まなくて済むようになったケースもありました。
活性乳酸が子宮内膜症だとか生理痛のひどい人に応用できるということで、それ以降、通常の治療でなかなかうまくいかない人に紹介するようになりました。
子宮内膜症と不妊症の38歳の女性のケースでは、活性乳酸を飲むことで子宮内膜症による生理痛が和らぎ、その後、不妊治療を始めるつもりでしたが、その前に妊娠が確認されました。活性乳酸を勧めて7ヶ月後のことでした。
副作用がなく妊婦さんにも安全 ──便秘・妊娠中毒症・不妊症
星合 私が患者さんに活性乳酸を勧めるようになった背景には、父や叔父の末期がんへの効果と、副作用がないことが大きくあります。
実際、飲んでもらった方たちに副作用をいう人はほとんどなく、かなり安心・安全な物質ということで、妊婦さんに対しても勧めるようになりました。
便秘がある妊婦さんがいたので飲んでもらったら便秘が治った方もいます。
1人目を妊娠した時に妊娠中毒症でかなりむくみが出て大変だった人に少し飲んでもらったら妊娠後期のむくみが出なくなり、血圧も安定して普通に出産することができたという症例もありました。
他にも、不妊に悩んでいる方ではかなりの確率で妊娠が確認されました。
活性乳酸(環状重合乳酸)とは
活性乳酸の発見・開発
──がん細胞の培養中、
がん細胞が突然死!
星合 では、活性乳酸とはどういうものか。
活性乳酸の発見は、活性乳酸の開発・研究者の長主陽一朗氏が、がん細胞培養液の上澄みから発見したものです(1982年)。
がん細胞を培養液に入れて育てる過程で、なぜか、突然死するがん細胞があり、培養液中にがんを殺す因子があるのではないかと調べたことが始まりでした。
分析した結果、がん細胞が死んだ培養液の上澄みの中に、環のような形につながった特殊な乳酸、
すなわち環状重合乳酸(Cyclic Poly Lactate)が含まれていたのです(図1)。
普通の乳酸は、分子1個の単体物質です。活性乳酸(環状重合乳酸)は構造がリング状に重なり合っていて、その違いが、がん細胞の活動を抑制するだけではなく、がん細胞をアポトーシス(細胞レベルでの自殺)に追い込む働きのあることもわかったのです。
長主氏はさらに、何とかして普通の乳酸を、リング構造にすることができないかと試行錯誤した結果、活性乳酸の合成にこぎ着くことができました(1990年)。
これをもとに、活性乳酸の機能性健康食品が開発されていき、粉末化に至ったわけです(1995年)。
がんへの効果
星合 活性乳酸のがんへの効果は
@エネルギー代謝を阻害し直接攻撃する
A免疫系が賦活する
B活性酸素の消去──の三つの相乗効果によって、がんを攻撃し、治癒する方向に向かわせてくれると考えられています。
〈兵糧攻めでアポトーシス〉
がんは非常に幼弱というか未分化というか、細胞的に単純な細胞なんですね。普通の分化された細胞と違って、エネルギーのつくり方が非常にシンプルです。
エネルギーの産生のシステムには、「解糖系」というブドウ糖を分解してエネルギーを生み出すシステムがあります。
解糖系には、@ミトコンドリアに供給された酸素を使って効率よく沢山のエネルギーをつくる「好気的解糖系」と、A酸素を使わない「嫌気的解糖系」の二つがあります。
正常細胞は主に好気的解糖でエネルギーを得ていますが、例えば、無酸素運動時には嫌気的解糖系を使うなど、どちらの解糖系も利用することができます。
一方、未分化細胞のがん細胞は嫌気的解糖系の経路によってでしかエネルギーを得ることができません。
解糖系の主役をなすのが酵素です。嫌気的解糖系では主に「ピルビン酸キナーゼ」と「乳酸脱水素酵素」と、その乳酸脱水素酵素の中の一つLDH─Kという酵素が働いています。活性乳酸は酵素の働きを阻害するのです。ということは、がん細胞の必要とするエネルギーをつくる過程を阻害してしまうので、がん細胞はエネルギーを得ることができなくなってしまい、アポトーシスを起こす。つまり、活性乳酸に兵糧攻めにされて死んでしまうという直接的な作用があるのです。
〈免疫系の賦活〉
免疫システムは大別して、@抗原を認識し抗原に対し抗体をつくって敵を攻撃する「適応免疫(獲得免疫)」と、A「自然免疫」といって、マクロファージ(貪食細胞)やNK(ナチュラルキラー)細胞などが直接外敵や標的に立ち向かうシステムがあります。また、大きくは自然治癒力も自然免疫といえるのかも知れません。
活性乳酸は、このうちの自然免疫、すなわちNK細胞やマクロファージなどの働きを活性化するといわれます(図2・3参照)。
がん細胞移植マウスに活性乳酸を投与してNK細胞の活性(NK活性)を調べた実験では、非投与マウスはNK細胞の活性が低下したのに比べ、投与マウスではNK活性低下は見られなかったことが報告されています。
NK細胞はがん細胞を見つけるとがん細胞に穴を開け、NK細胞内にある顆粒から障害性の液体を放出します。この液体からがん細胞を攻撃する活性酸素が放出されます。
〈活性酸素の消去〉
一方、活性酸素は消去がうまくいかないと、どんどん生成され、正常細胞をも傷害し、それが発がんや、生活習慣病をはじめ多くの病気や老化などの引き金になります。
活性乳酸には、この活性酸素を体外にどんどん排除していく働きがあることもわかっています。
抗がん剤の併用も可
星合 抗がん剤や免疫治療などは免疫力を低下させます。なぜかというと、骨髄に抑制をかけますから免疫担当細胞がいなくなってしまうのです。開発者の長主氏は、そうすると活性乳酸の免疫賦活作用もなくなってしまうので効果が薄れるというので「抗がん剤は使うな」といっていました。
しかし、がんに対しては直接攻撃する効果があるわけですから、活性乳酸の量を増やせばいいのではないかと私は思います。活性乳酸をがん細胞まで到達させて抑制を十分かけるという形(図4参照)にすれば、たとえ免疫系がダメになったとしても、それで十分まかなえるのではないかと思います。
ある患者さんに抗がん剤を投与していて、その抗がん剤がもう使えないという時に活性乳酸を使えば、活性乳酸が活性酸素をどんどん消去し、あとはがんに対しての直接攻撃を有効にするだろうということで、多量に投与したケースもありました。
抗がん剤と併用しても、抗がん剤の効果を打ち消したりはしません。抗がん剤は、細胞分裂が盛んなところを細胞分裂をさせないようにする薬です。ただし、正常細胞の分裂も止めてしまいます。
一方、活性乳酸の効果は、がん細胞のエネルギー産生を抑制することでがん細胞を攻撃するわけです。作用機序が違いますから、併用しても全く問題はないです。副作用の心配もありません。
アンチエイジングから 生活習慣病・免疫疾患などの 予防改善も
星合 活性乳酸の免疫賦活作用や活性酸素消去作用は、当然、アンチエイジングから、風邪やインフルエンザなどの感染症、生活習慣病やアレルギー、難病といわれる自己免疫疾患等、多くの病気の予防改善にも効果が期待できるわけです(表1参照)。
実際に、アレルギー疾患のアトピー性皮膚炎の方に飲んでもらいましたら、皮膚症状が非常に良くなり、赤かった顔が普通の肌によみがえってきました(図5参照)。
自己免疫疾患では、その一つに潰瘍性大腸炎があります。活性乳酸が免疫系を補正して正常な方向に向けてくれるのであれば、潰瘍性大腸炎にも良い結果が出るので
はないかと思い、使ってみました。本来なら手術をしなければいけないような状況でしたが、まず下痢が治まり、3ヶ月後には普通の生活ができるようになりました。最近4〜5年振りにお会いしたら、ヒョロヒョロだったのが太って、体重が15〜20 kg増えたといっていましたね。
潰瘍性大腸炎ではその後も良い結果を得ています。免疫が是正されたことに加えて、活性乳酸は善玉乳酸菌増殖因子として腸内細菌叢を正すので、その効果もあったのかもわかりません(図6参照)。
免疫力を向上し、 健康機能を回復する 健康維持・保健効果から 病気の人まで誰でも
星合 元々は活性乳酸を断片的、対症療法的に、いろいろな症状に対して飲んでもらったら、それらのいろいろな症状の改善が認められていったわけです。
けれども結局のところ、私が抱く活性乳酸へのイメージは、個人が持っている健康の能力を正常な方向に戻す。例えば健康の機能を100を正常とすると、50〜40辺りで病気に関わってくる。その時に、活性乳酸をとることによって60、70と、その人の持っている能力を正常な方向に持っていくのだとイメージしています。
私自身も、疲れた時など活性乳酸を飲むと、代謝が良くなって尿がよく出たりして、疲労感をそれほど覚えなくて済んだり、飲めばそれだけの効果が現れ、気分良く外来の仕事ができます。冬場に飲むと、免疫力を上げる効果がありますから、風邪をひいたとしても軽い症状で治ります。
薬は人により合う合わない、効く効かないがあったりしますが、活性乳酸はほとんどの方に効果がありますね(表2)。
ただし、効果が現れる環境をつくることも大事です。食事は飽食偏食、生活リズムは不規則、睡眠休養も十分でないという生活環境では効果もそれなりです。
私自身は、血液サラサラとAGE(終末糖化産物)を防ぐ食生活を心がけ、よく歩くように心がけています。
また、昔は活性乳酸の味は酸っぱくて苦くて、「良薬は口に苦し」ではないけれど、頑張って飲むようなところもありました。今は大分改善されて飲みやすくなりました。そうした飲みやすい環境を整えることも大事だと思います。以前に比べると、極性の突出が少なくなり、マイルドになったと思います。
では、量的にはどれくらいの摂取が適正かといえば、その時の自分の体の調子によって増減させるのが一番良いのではないかと思います。薬ではなく、また副作用もないので、自分の身体に聞いてみることが一番ではないかと思います(表2)。私自身は、疲れ度合いにもよりますが、朝昼晩の1日3回はとるようにしています。
病気が治る治らない以前に、QOL(生活の質)は、どなたも確実に高まると思います。