新バイオ発酵素液「お元氣楽農泉」誕生!

自然循環サイクルで自然回帰を

発見者 大山 一雄 さん

農薬いらずで、家庭でも美味しい野菜づくり

 原液を水で千倍に薄めて大地に撒けば土地が団粒構造のフカフカになり、浄化槽に注入すれば汚泥が減臭液体化し、米糠に混ぜれば農業用バイオボカシができ、果樹・蔬菜・草花には葉面散布すると農家がびっくりするできばえに。
 こんな「お元氣楽農泉」は魔法の水でしょうか? 今月は、この魔法の新バイオ発酵素液≠発見された大山一雄さんにとっくりとお話をうかがいました。
 大山さんは、もともとは農業を営まれていましたが、農地がゴルフ場に買収されると同時に、ゴルフ場の広大な芝生を管理するグリーンキーパーとなり、さらに、施設の浄化槽管理もまかされているうちに、微生物を応用した浄化管理を試みるようになりました。しかし、巷間喧伝されている菌剤では何をやってもうまくいかず、ご自分で工夫を重ねているうちに、遂に汚泥の分解に成功。完全液体化ができる発酵素液を編み出したのです。
 その発酵素液を農業に応用したところ、ぼかしと発酵素千倍液を程よく撒くだけで作物が概ね速く成長し、従来の2〜3倍以上の収穫となり、減農薬で肥料も約3分の1程度で足りることがわかってきたのです。
 しかも味は抜群ということで、大山さんは今、山をユンボで削り崩し、果樹園を造成中です。「桃、栗三年柿八年」と言いますが、大山式では普通の苗を植えて抜群の成長ですから、美味しい実がなるのも間近です。

浄化槽汚泥の液体化処理

大山 私はゴルフ場のグリーンキーパー、つまり芝を含めて170ヘクタールの緑化管理をやっていました。
 その中で、様々な微生物を使っての緑化管理もいろいろチャレンジしてみました。しかし、全部が失敗で、なかなか思うようにいかない中、ある時、屎尿の浄化槽の管理もまかされるようになりました。
 そこでは日量900トンの汚水を処理するので、当然汚泥の抜き取り量が凄いんです。ところがある日、その経費予算までカットするように会社がいってきたんです。
 しかし、汚泥は必然的に出てくる。お客さんが入れば入るほど、そういう雑廃水は出てきますので、どんどん経費が上がって「君のところは、こういうふうに赤字を出している」と責められるわけです。
 これをなんとか減らす方法を考えなければということでいろいろ試す中、菌の応用も試み、ある有名な菌も使いましたがうまくいきませんでした。
 そこで、自分の家の単独浄化槽で自分なりの方法を模索したわけです。その中で、どうも今までと様子が違う結果が出だしてきて、この菌群を培養して増やして大きな浄化槽に入れていく事を考えたのです。
 自宅の試験用が平成5年に出来上がり、6年には汚泥が出にくくなって、臭いも出ない、ハエもこない、むしろハチがくるんですよ。甘い匂いがするから、蜜をとりにくるのだろうと思います。だから、手を洗っても手に臭いがつかない。そういうものができました。いろいろな菌を混ぜて実験した結果そうなったわけです。
 それで、平成6年にゴルフ場の大浄化槽が出来上がり、それから今まで1トンも汚泥が出ていません。年間600トンくらい抜いていたのが、1トンも抜いていないんです。
 県の抜き打ちの法定検査でも、全部OK。リンも窒素も微量で規制数値以下になり、放流水もすごく良い水が出て、汚泥の垂れ流しはしていない。最終的に書類審査の中で、汚泥の引き抜きをどれくらいにやっているか、その伝票を見せなさいといわれた時に、「うちは実はないんです。出ない方法でやっているからないんですよ」といったら、首をかしげて帰るんです。
仙石 ゴルフ場は農薬もかなり散布してますよね。
大山 ゴルフ場では、農薬をものすごく使います。その管理も私が担当していました。
 そこで農薬をものすごく減らして、雨降りの日に、この汚泥を処理したバイオ剤(バイオ発酵素液)をトラックの荷台から、30メートルぐらい吹き飛ばす機械で空に向かって、吹き飛ばして、土の表面に落とすんです。
 微生物というのは、温度と栄養と水分があれば増殖できるので、雨の日に撒いてやる。春から秋までは、温度があるので、樹木なんかにも全部かかります。
 そうすると樹木は虫がつきにくくなるし、元気になるわけですよ。間違って建物や車にかかっても錆がきません。
仙石 還元水ですものね。
大山 スミチオン系の農薬などを撒いて車についたら、斑点になります。しかし、この液なら無差別に撒いても大丈夫です。
 こうやって農薬を減らして、緑化管理費が2億7千万くらいだったのが、今では1億円ぐらいに減っていると思います。農薬は絶対撒かないのではなく、必要に応じて撒きますけど、散布経費と農薬代は大幅にダウンします。

生ゴミや汚泥が安全な水に

仙石 この装置は台所の排水口に直結しているのですね(写真)。
大山 そうです。一般家庭だと、40×90センチの浄化槽で、残飯が処理でき、台所の流しから何を流しても全て液体化して、最期は魚も飼える安全な水になり、この水を畑に撒けば豊作になります。
 今はまだ手作り段階ですが、量産すれば設置コストもかなり安くなり、台所を預かる女性にも、生ゴミがなくなると喜ばれると思います。
仙石 これを可能にしているのがゴルフ場のお仕事を通して、大山さんが発見されたバイオ発酵素液なのですね。
大山 そうです。ゴルフ場の浄化槽の管理をする上で、合理化を迫られてあれこれ工夫を重ねている間に出来上がったものです。多種多様の微生物というか酵素というか菌類というか、複合の妙による不可思議とも言うべきパワーに気がつき、この自然循環サイクルの自然回帰をもたらす力に感激をもって驚かされている毎日です。
 一般の浄化槽の汚泥でも、有機物がかなり入っているので、きつい悪臭を出したりなど、処理にはかなり困っています。一般的には凝集剤を入れて脱水し、固形化して、相当なお金をかけて処分してます。
 それが液状化して無害なものに変われば下水を通じて流せるし、さらに、農業に応用すれば、安全に使える液体肥料にもなるというのなら最高ではないですか。
 少なくとも我が家の台所の生ゴミは畑用の液体肥料になっていますし、トイレの浄化槽でも時間はかかりますが、どろどろの汚泥が有益無害な液体となります。
 手ですくっても、手がすべすべというか、しっとりしてきます。
仙石 処理にはどれくらい時間かかるんですか?
大山 処理は半月くらいかけてやっていくんです。有機物が消えていくので、脱水の手間もいらなくなり、処分経費は大幅にダウンできます。
 そのできた水は還元電位が非常に強くなっているので、2年おいても3年おいても腐らない水になるわけです。
仙石 マイナス500ミリボルトとか?
大山 300〜400ぐらいになっていくんですね。
 この水が本当に害があるのかないのかを見た時に、この水で魚を飼っても病気になりにくく、魚がものすごく大らかになるんです。
 例えば、この水で飼った金魚と、きれいな井戸水で飼った金魚では落ち着きが全然違うんです。井戸水の金魚は絶えず落ち着きのない泳ぎ方をしますが、この水の金魚は大らかに泳ぐ。元気がないのかと思って手を入れると、ぱっと動くというような金魚になってくるわけです。たぶんストレスがない金魚になっていると思うんですよね。

農業への応用
速い・うまい・収穫量が多い

大山 還元電位が非常に強いので、植物にいろいろ与えてきたところ、農薬とか化学肥料をやってきたものよりもずっと成育が良くて、ものすごく量産できるのです。
 それがわかってきて、ではどのようにしたら一番効果があるのか色々試してみました。
 その一つが、米糠に添加して発酵させる「ぼかし」です。3週間くらいで、甘いような良い匂いを発するようになり、上手に発酵したぼかしを、植物の根の上あたりにバラバラ撒くと、ものすごく効果が出るんです。
 植物に対しては何年も何年も繰り返して試み、すばらしい効果が出るという確信が得られました。しかも肥料は農家が使う半分〜3分の1ぐらいですみ、このバイオ発酵素液と、糠菌体に戻したぼかしを使っていくと、作物は甘くなるし、増産できる。極端な事をいうと、普通の農家のトマト栽培の人の倍以上は収穫できます。
 スイカでもトマトでも水の中に入れますと、だいたい浮くのが普通です。ところが、この液肥とぼかしを使うと沈むんです。つまり比重が高い。だから同じ体積の作物だったら、重いです。農家は目方で取り引きするので、同じ量でも、比重が高い分だけ目方が増え、同時に増産、つまり、量もたくさんできるので、ものすごく収穫量が増えます。
 しかも食べてみて美味しいというのは、組織が充実しているからなんです。スイカなんかカスっぽいのと、コクのあるのとあるわけですよね。組織がしっかりしていると美味しいし、重いし、ということになるのだと思います。
 野菜でも、今はちょうど大根を外の家庭菜園でつくっていますが、直撒きで、2ヶ月くらいで1本が3キロくらいになり、ずっしり重いんですね。田楽にして、茹でて食べてみると、煮崩れしないし、美味しさがよくわかります。

畜産への応用

大山 最近やっているのは畜産への応用です。
 豚屋さんで大量に豚を飼っていると、死ぬんです。例えば年間1000頭産まれても、その7割5分くらいしか出荷できない。そこで、この汚泥を液体化したバイオ発酵素液を使ったところ、死亡頭数がものすごく減るんです。そしてやっぱり豚も大らかになる。
仙石 エサに振りかけてやるという事ですか?
大山 その豚屋さんは、特に豚小屋が汚いんです。はっきりいって臭い。ところがバイオ発酵素液を豚小屋の床に流して洗い水に使うと、臭いがとれてくるんです。だから、同時に豚のストレスがものすごくとれ、キイキイ鳴く豚がいなくなる。大らかになってくるんです。
 それまで、1ヶ月50頭ぐらいは死んでいたのが、今は3頭とか、4頭とか、そういうレベルまで下がってきて、当然出荷量も増えてきました。
 最初は豚屋さんもこれまでいろいろ騙されているので、中々信用してくれず、それで死ぬに決まっているという跳ね出しの豚を30頭もらって飼育したところ、3〜4ヶ月後には、良い豚よりも大きくなって、死ぬといわれていた30頭のうち25頭が出荷できたんです。
 だから畜産にも応用すれば、抗生物質を沢山使ったりする必要もなくなると思っています。
 また、何千頭って飼っていますから、糞尿の処理にも困って、それを堆肥にして、1袋350円で売っても良い堆肥でないので全然売れない。むしろ、ただでもらって片付けて欲しいくらいのものなんです。ところが、この液をかけて発酵を促したところ、あそこの堆肥は良いということになって、堆肥が売れ出したんですよ。
 それともう一つは、堆肥化したものを、今度は燻炭にしてサラサラの炭にして、もう1回、この液を噴射して付着させてつくった堆肥は、さらに良い結果が出ています。
 だから糞尿が循環型で処理ができるようになってくれば、豚屋さんも助かりますよね。

固い土がフカフカに

大山 バイオ液を土にかけてますと土が次第に団粒構造になってフカフカになってきます。
 自宅近くで、野菜を研究用に少し育成してますが、家を建てるために埋め立てた土地なので、石混じりの土で埋めましたから硬い。近所の人が、そこに野菜を植えるのかと聞くんですよ。そんなとこじゃダメだよって笑われました。農業というのは「土づくりから」とよくいわれますけどカチカチですからね。私はテストだから良いんだよといってましたけど、3年くらい笑われましたね。
 ところが、わりかしほったらかしでも良い作物がとれて、結局家で食べ切れないから、欲しけりゃあげるよっていうと、近所の人たちが、農薬も化学肥料も殆ど使ってない野菜だから、自分の家にも野菜はあるんだけども、もらっていってくれる。
 「農薬を使ってないからまあ、安全だろうな」というところでもらっていって、食べてみたら、自分の家でつくったものより甘いから、最近では、そのやり方をちょっと教えてよっていう人がちょこちょこ、出てきています。
 それでね、野菜をつくった時の写真を撮っておいたのがありますから見てください。これがブロッコリーですね(写真左)。
仙石 ブロッコリーですね。
大山 一番花がなったところで、それで、ブロッコリーは普通、一番花を採ったら、それで終わりなんですよ。だけど二番花がこう出てくるわけです。二番花を採ると三番花まで続いて採れるんです。そして、もう1回、地面で切って、四番花を来年の4月までに採っていくわけです。
 で、葉っぱがね、ものすごく厚い。そういうものができてくるわけです。
仙石 粉が吹いたようになりますよね。
大山 ええ、なります。で、葉脈が凄いんですね。葉っぱが硬いんじゃないんです。硬そうに見えるんだけども、硬いんじゃなくて、葉肉が厚くて甘い。
 これがナスです(写真下)。で、私がここに立っています(写真矢印)。
仙石 大きいナスですね。
大山 ナスがこういうふうに2メートル級の木になってしまうんです。木が大きくなれば、なる量も多くなるし、春からずっと収穫していって、秋までなりっぱなし。葉っぱも凄い。
 花が私のところのは、3つ出るんですよ。その一つ一つにしっかりした柔らかくて、瑞々しい美味しいナスがなりますから、一本で数がものすごく多くとれます。
仙石 トマトも見事な鈴なりですね(写真右上・中段)。
大山 ええ。トマトも普通の桃太郎みたいなもので栽培しますと、こういうふうに、こっちに幹があって、こういうふうに枝が伸びてきて、これにブドウのようにだいたい10個ぐらいなる。
 普通は、この幹のところに大きいのが2〜3個が普通だと思いますが、一般で売られている苗を買ってきて植えても、こういうふうに伸びてくるんですよ。
仙石 トマトもトマトの木になっちゃうんですね。
大山 木になっちゃうんです。枝が伸びて充実した花が咲く。普通の農家ですとね、たくさん花が咲いたら、玉のびしないから、摘果するっていう人もあるかも知れない。だけど、うちは放置状態でも、全部実りますから。こういうふうに10個ぐらい。大きいトマトがね。プチトマトなんかもう一房にこう100個くらい、こうなってくる。
仙石 トマトは栽培する時、通常は雨水をよけるための、屋根を上にかけますよね。
大山 ああ、やらないです。忙しくてやってられない。でも、こういうトマトのなり方をするんです。普通の栽培ではね、こんなになったとするならば、必ずこの茎のところで、重たいから裂けてしまうの。でもうちでは裂けないんですよ。それだけ木が丈夫。
 だから、一房にこんなになるんですよ。そして味は美味しいです、甘いです。重たいです。こうやって持った時に。トマトの木の樹勢がものすごく強いんですよ。だから、こういうように、Yの字に竹をたてて伸ばします。
仙石 農家にとっては、減農薬・減肥料農法が少ない労力で可能となり、より安全で、美味しい作物が、しかも増産できるということですからすごい朗報ですね。また、家庭栽培に応用したいという人もいっぱいいると思います。
 大変貴重なお話ありがとうございました。