高ストレス社会、食の欧米化、食品汚染等、現代人の腸が危ない

日本人の英知を生かした「腸内革命」のすすめ

独立行政法人国立病院機構 さいがた病院院長
松枝 啓 先生

検査では異常のない便通異常が増えている

 下痢や便秘などを繰り返し起こし、ひどくなると通勤や通学途中にもトイレに駆け込み、出社拒否や不登校の原因にもなる。しかし、検査をしても炎症などはなく、異常はみつからない…。
 「過敏性腸症候群(過敏性大腸症とも呼ばれる)」や、「機能性便秘」に代表される、そんな便通異常が急増しています。
 消化器がご専門の松枝啓先生は、急増の背景にはストレス社会の到来があり、加えて、欧米型の高蛋白・高脂肪・低繊維食≠フ普及、抗生物質や添加物などによる食品汚染、肉体労働が不要で自分の事に必要以上にかまける成熟社会など、現代ならではの生活環境が、腸内細菌叢をかく乱し、便通異常をもたらしていると語られます。
 松枝先生はさらに、こうした生活環境は大腸がん、免疫異常が関係しているクローン病や潰瘍性大腸炎の急増にもつながっていると警告されています。
 急増する腸のトラブルに対し、「腸内革命」の必要性を叫ばれ、その方策として、日本が培った発酵食品、乳酸菌の文化を高く評価されておられる松枝先生に、腸を健康にする生活全般を伺いました。

21世紀に急増する便通異常
──機能性胃腸症 「過敏性腸症候群」・機能性便秘」

──検査しても異常がないのに、下痢や便秘を繰り返す便通異常が増えているそうですね。
松枝 「過敏性腸症候群(表1)」や「機能性便秘(表2)」に代表される「機能性胃腸症」は、21世紀になって非常に急増し、世界的にも問題になっています。
 「機能性胃腸症」とは消化管が精神的ストレスなどに過敏に反応し、腸内細菌叢のかく乱が起こり、下痢や便秘などの便通異常を起こすものです。内視鏡などの検査ではがんや潰瘍などの疾患や炎症など、器質的な異常はみられず、機能性疾患と定義されています。
 日本での発生頻度は過敏性腸症候群では欧米とまったく変わらず、女性に多く、一般の外来患者さんを含めて16%という結果が出ています(図1)。機能性便秘も、一般人口の20%に発生しており、やはり女性が多く、加齢とともに増加するという欧米のデータもあります。
 腸が敏感な人は頭が良く、感受性が鋭敏で、そういう人はちょっとした症状に気づくことで不安が増大し、さらに悪化するという悪循環が起こりやすくなります、重症になると不意の便意を恐れて電車にも乗れなくなる。そうなると、まともに日常生活を送ることもできず、QOL(生活の質)は著しく低下し、難治性といわれる腸疾患のクローン病よりむしろ悩みが多い。機能性疾患だからといって侮れない病気です。

ストレスが最大の原因
食生活も大きい

松枝 では何故、21世紀になって、こうした便通異常が急増しているのか。その原因として私は、
@第一に、ストレス社会の到来
A肉体労働をしなくなった
B成熟社会で余裕ができすぎて、ちょっとしたことにも過敏に反応する人が増えた──ことが主原因と考えます。さらに、
C食生活が高脂肪・高蛋白・低繊維の欧米型になった
D抗生物質や添加物による汚染食品の摂取──等に加えて、
E高齢化社会で、寝たきりの高齢患者さんに下剤を乱用したり、静脈栄養によって食べ物の消化吸収に消化管を使わないなどの現実もあります。
 こうした要因によって腸内細菌叢がかく乱され、大腸の蠕動運動や分泌機能の異常を起こし、便通異常が起こるわけです。
 中でもストレスの関与は大きく、機能性胃腸症は、ストレスによって消化管機能異常を起こし、それによって誘発される便通異常とさまざまな消化器管異常があらわれる病気≠ニもいえます。

下痢型・便秘型・交替型

──過敏性腸症候群では、下痢や便秘を繰り返すということですが。
松枝 過敏性腸症候群では下痢型、便秘型、交替型の3つのタイプがあり、腹痛や膨満感などの不快症状を伴います。
 症状が1年間のうちに連続でなくても3ヶ月以上あり、@排便によって症状が軽快する、A排便頻度の変化を伴う、B便性状の変化を伴うのうち、2つ以上あれば立派な過敏性腸症候群といえます(表1)。
──下痢型では栄養吸収がされない状態になるのですか。
松枝 過敏性腸症候群では小腸は機能しているので、食べ物の消化吸収は終わっています。栄養吸収はされているけれど、腸の輸送的な機能が過敏になっていて、それで下痢をするわけです。
 だから原則的には体重減少を起こさない。最初から体重が落ちるようですと、例えば小腸に炎症を起こすクローン病など、器質的疾患を疑った方が良いと思います。クローン病では栄養吸収を司る小腸がやられてますから、体重もどんどん落ちるし、栄養状態も悪くなります。
 ただし、過敏性腸症候群でも、かなり重度になって鬱状態が加わると食欲が落ちて、体重が落ちてくることはあります。
──便秘では、腸内の腐敗物質が吸収されやすくなり、それがまた悪化を促進するということもありますか?
松枝 そういうこともあります。便秘は、腸管の中に便が停滞する時間が長くなって、その時に水分がどんどん吸収されて便量が減り、ますます蠕動運動が行われなくなって、便が腸管内に停滞するわけです。
 その便は体内から排出するためにいろんな物質、例えば発がん物質なども、便と一緒に排出するわけです。ところが便が腸に停滞すると、発がん物質に曝露する時間が長くなるので大腸がんの引き金になったりもします。
 また、便秘が起こると腸内細菌叢の悪玉細菌が増えやすく、その代謝産物を含めて体に悪い影響を及ぼしたりします。

脳とストレスと腸の 密接な関係
胃腸は第一の脳・ 考える臓器

──あらゆる臓器はストレスの影響を受けるといわれますが、特に腸はストレスの影響を強く受けるのですか。
松枝 そうです。
 「脳・腸相関」といって脳と腸はつながっており、脳の情報は脊髄から自律神経を通じて、腸管粘膜の中にある神経細胞にすべての情報が伝達されます(図2)。したがって、ストレスを頭で受けたらダイレクトに腸が反応すると思って下さい。
 腸の神経細胞(腸管神経叢)は脳の神経細胞(中枢神経系)の数と殆ど同じくらいびっしりと二層に敷きつめられ、それが自律神経でつながっています。また、脳の神経細胞と腸の神経細胞の発生部位は一緒で、同じ神経管なんです。腸は考える臓器だというのはまさにそこで、実際、プラナリアという原始的生物は脳がなく、腸で考えて生きているんですね。
 欧米では腸は「第二の脳」といわれますが、私は「第一の脳」と考えています。なぜなら、胎児が受精して神経管ができ、さらに心臓、肺ができ、胃を含めて消化管が完全にでき上がり、神経管から神経細胞が消化管の壁に移動した後でも大脳はまだできていない。つまり、最初にできるのが腸だからです。
 他の臓器もストレスや自律神経の影響を受けますが、腸ほどダイレクトではない。これほど神経細胞がびっしり並んでいる臓器は、腸が最たるもので、まさに腸は脳と同じで考える臓器であり、ストレスを一気に受けやすいのです。
 逆にいうと、腸を使わないと脳の刺激もしないし、高齢の方が静脈栄養に頼ってばかりいるとボケやすくなります。

ストレスによる腸内細菌叢の かく乱・免疫異常
〜消化管・ストレス・免疫の トライアングル〜

──ストレスを受けると、腸はどんなふうに反応するのですか。
松枝 ストレスと消化管運動、および免疫反応は、トライアングルのように連携してつながっています(図3)。
 特に、腸管の運動は自律神経のバランスによってコントロールされています。自律神経のうち、副交感神経がアクセルで下痢を起こすシグナルを出し、一方の交感神経はブレーキで便秘を起こすシグナルを出します。ストレスが加わると、このブレーキとアクセルのバランスが崩れ、便通異常の大きな原因になるわけです。
 便通異常を起こすと、下痢でも慢性便秘でも有意に腸内善玉菌が減少することがわかっています。悪玉細菌も一応は減りますが、特に下痢ではビフィズス菌を急激に減らし、ここが腸内細菌叢のかく乱といわれる所以です(図4)。
 また、ストレスによっていろんな引き金が引かれる時、免疫に関してはサイトカインという物質が放出されたり抑制されたりします。腸が過敏な人は、同じ物質で制御されている免疫機構にも変化を起こしやすくなりますから、ストレスをかければ悪くなります。
 過敏性腸症候群や機能性便秘は内視鏡でみても異常がない、炎症によって粘膜が赤くなっているということはない。けれども、組織をとって顕微鏡でよくよく調べると、目には見えない炎症細胞(肥満細胞など)が存在し、免疫細胞も存在します(図3)。だからこそ、ストレスが関与しやすいのです。
 サイトカインは神経の伝達物質でもありますから、特にアレルギー体質の人ではそういう物質が出やすくなります。

クローン病などの 炎症性腸疾患と ストレス・免疫

──アレルギーや免疫異常に関係した「クローン病」や、大腸に潰瘍が起きる「潰瘍性大腸炎」も増えているそうですね。
松枝 大腸や小腸に炎症や潰瘍を起こすクローン病や、大腸に潰瘍を起こす潰瘍性大腸炎も増えています。
 これらの炎症性腸疾患は、特にクローン病では食事、特に動物性蛋白質と動物性脂肪、オメガ6系の油が非常に悪さをします。食物抗原を除けば割と簡単に良くなりますが、それでもやはりストレスが加わると急に悪くなります。
 ですから、炎症性腸疾患のクローン病や潰瘍性大腸炎も、また機能性胃腸症も、氷山の下では腸がストレスに敏感だという共通項があります。
──いわゆる腸管免疫というのは小腸が司っているのですか。
松枝 小腸も胃も大腸も関与していますけれど、非常に重要な免疫は小腸が司っています。
 胃は細菌などの外敵が侵入すると胃酸で一応防御します。また、大腸では絶えず細菌がいますから免疫的コントロールタワーにはなかなかなりにくい。ところが、小腸は正常な状態では殆ど細菌がいませんので、免疫をコントロールするのに非常に良い環境なのです。その小腸の免疫でさえストレスがかく乱します。
──クローン病では腸管の粘膜がかなり粗くなって、異物を通してしまうのが原因と聞きますが。
松枝 炎症によってバリアが壊れてますから、透過性ができる。防波堤がなくなりますから、外敵、異物がどんどん体内に入ってきます。
 腸管は普通はアレルギーを起こすような大きな物質を入れません。例えば、蛋白質はどんどん分解されてアミノ酸やスモールペプタイドになって初めて、体内に吸収される。要するにアレルギーを起こすのに十分な大きさの蛋白質が入ったりするから危ないんです。
 これも悪循環で、一度炎症が起こると入りやすい。入りやすいからどんどん悪くなるという悪循環を起こします。

抗生物質と 腸内細菌叢のかく乱
偽膜性大腸炎で 死に至ることも

松枝 抗生物質は、腸内の善玉細菌を殺すことで悪玉細菌を増やし、腸内細菌叢のかく乱をもたらします。
 抗生物質を約1週間投与すると約70%の人が下痢を起こし、そのうち数%の人が、「偽膜性大腸炎」といって、血便を伴う下痢を起こし、脱水症状を起こして命を落とす方もいるほどです。
 偽膜性大腸炎は、抗生物質で善玉と悪玉の両方の腸内細菌がやられ、普段は少数派でそれほど悪さをしないクロストリディウム・デフィシール菌が増殖して、腸の炎症を起こします。抗生物質の乱用による医原病として一時かなり多かったのですが、最近はその知識が多少行き渡って昔ほどは起こらなくなりました。
 それでも日本ではいまだに無節操に抗生物質が使われ、アメリカの教科書には「日本は新しい抗生物質が出て3ヶ月以内に耐性菌ができる珍しい国」と書いてあるほどです。
 しかも現代は、抗生物質が知らずのうちに肉や卵から口に入ってくる時代です(表3)。家畜の飼料に莫大な抗生物質が使われ、最近では魚類の飼育にも抗生物質が使われています。入院患者さんが下痢を起こし、いくら聞いても医者にかかったことがない。しかし、調べると立派な偽膜性大腸炎にかかっている。抗生物質が外から、つまり口から入ったと考えられます(表3)。

ピロリ菌がいないと バレット食道・ 食道がんが増える

──最近、胃潰瘍や胃がんはピロリ菌が一番の悪玉で、抗生物質でやっつけることが一番の予防といわれますね。
松枝 HP(ヘリコバクター・ピロリ)は、いわれるほどリスクはないと私は考えています。
 またHPがいないと、胃が健康で萎縮しないものだから、高齢になってもどんどん胃酸を出す。そうすると、胃酸が食道に逆流したり、誤嚥して肺炎を起こしたり、逆流した酸が食道の粘膜を胃の粘膜に変える「バレット食道」になったります。
 食道は扁平上皮がんができるのですが、西洋人は胃がんと同じがんが食道にできるのは、この「バレット食道」が原因です。日本でも今、増えてきています。ですから私は、HPはむやみに駆除せず自分で飼っていなさいといっています。

日本人の英知を生かした 「腸内革命」のすすめ
生活全般を改善

──先生は「腸内革命」の必要性を説いておられますね。
松枝 腸内革命とは、腸の中の環境をあるべき姿に整えてあげるということです。それには、ストレスや食生活を含めた生活全般が重要で、全てが上手に機能して初めて腸が安静に保て、良い状況になるわけです。
 日本人は昔から、頭で受けたストレスが腸に反射して腸が運動異常を起こすことをよく知っていた民族で、「腹わたが煮えくり返る」とか、「腹が立つ」とか、それが言語として定着しているのは日本だけなんですね。
 しかも、日本人の伝統的な食生活は高繊維で、味噌・醤油・納豆・漬け物と発酵食品の多い、我々が提唱する「腸内革命」をもたらすものが経験的に摂取されていました。

和食を基本に、 とぐろを巻いたウンチ

松枝 食生活においては便は健康の鏡となり、便によって食事のこなれ具合なり、あるいは便の硬さや軟らかさで、自分のストレスの状況も判断できます。
1、食物繊維が最も重要    
松枝 腸内細菌叢を整え、良い便をもたらすのに一番重要なのは、食物繊維です。
 1940年代には日本人は食物繊維を平均27gとっていたのが、現在では10gそこそこです(図5)。朝も昼も晩もご飯に具沢山のおみおつけ、炊いた野菜で27g。その時にはとぐろを巻いたウンチが出て、その時代は大腸がんも非常に少なかった。それほど食物繊維は重要です。
 昔はお母さんが朝からご飯を炊いて朝昼晩日本食を食べさせていました。今、朝はパンを食べさせる。パンには残渣がない、そして牛乳を飲ませる。牛乳は良い面もありますが、乳糖不耐症があると下痢を起こしやすく、また、牛乳の消費量と大腸がんの罹患率は見事に相関します。ところが、繊維を食べていると、発がん物質をトラップしてくれて、しかも早く出してくれるので、大腸がんの予防にもなるわけです。
 食物繊維には、水溶性の繊維と非水溶性の繊維があって、水溶性の繊維は水を吸って下痢便に対しては固める作用がある。一方、非水溶性の繊維は大腸で便の量を増やし、それが腸を拡張すると強力な蠕動運動が起きます。
 すなわち、便量が十分だと蠕動運動が起こり、固形物が押し出されるのですが、繊維が少ないと便量が保てず、便秘になると同時に、何かの拍子にストレスで腸が動いた時に液体を固める要素がないから下痢も起こします。
 また、胃腸は組織をとっても痛みは感じません。痛むのは収縮した時と拡張した時です。腸管内に便量がたくさんあると、腸が収縮した場合にはクッションになります。クッションがあるとストレスで腸がギューッと収縮した時に最後まで収縮しないから、痛みも穏やかに止めてくれるわけです。
2、動物性食品・
  オメガ6の油を控える
松枝 日本人の繊維の摂取量が減ったということは逆に、脂肪や動物性の蛋白質の摂取が増えたということです。クローン病はその典型です。
 クローン病では、蛋白質をアミノ酸に置き換え、油はリノール酸などオメガ6系の多価不飽和脂肪酸の代わりに、シソやエゴマ油、魚油に多いオメガ3系を加えると、ものすごく良くなります。オメガ6系の油は体内でアレルギーを起こす物質をつくるのに対して、オメガ3系ではブレーキをかけるんです。
 肉は繊維が少なく、便のかさが少なくなるのと同時に、脂肪があるから、その脂肪がまた胆汁酸の分泌を高めて、その胆汁酸が大腸で発がんを起こす物質に変わりやすいんですね。
 肉より魚がいいのは、魚油に豊富なDHAはオメガ3系ですし、子供の頃にしっかり食べさせると頭の神経ネットワークが非常によく発達します。
3、発酵食品を多く
松枝 発酵食品を多くとって、乳酸菌などの善玉細菌を摂取します(図6)。
 ヨーグルトなどの乳発酵食品だけではなく、味噌や醤油、漬け物からも積極的に摂取すると良いでしょう。
4、汚染食品を避ける
松永 肉や卵など動物性食品には、抗生物質を知らずにとり入れてしまうというリスクもあります。魚でも、養殖のハマチやウナギなどは食べないことです。
 農薬や食品添加物も、アレルギーに悪い影響をもたらします。

成熟型社会の中で 生き抜く知恵

松永 このように食生活に気を付けていても、ストレスが加わると悪くなります。
──すごいですね。ストレスといういうのは。
松枝 そういう意味では、ストレスが現代社会の大きな問題となっているのですね。
 現代はまさに「小人閑居して不善を為す」で、あまりにも成熟した社会になって、人は不用意に時間を過ごして、自分のことにかまけすぎ、悪循環におちいることが多くなっています。
 昔のように貧しくても朝から晩まで肉体労働して汗を流し、ご飯が待ち遠しく、ご飯を食べたらバタンキューで寝るという生活の方がはるかに健康的で幸せです。
 今は時差のある生活をして、それがまた自律神経のバランスを崩し、それによって便通異常なども多くなっています。
 適度な肉体労働や運動で汗を流せば自律神経のリセットが起こり、心地よい疲れと爽快感がストレスを払拭してくれます。お風呂に入った後も同じことが起こります。
 お腹がいっぱいになると、精神的にも安定して、許容量が広がり、度量も大きくなります。ところが、満腹感を感じるまで食べてしまうと、後は苦しくなる。頭が満腹を感じるセンサーは実際より時差があって、腹8分目で止めたところで満腹に達します。昔から「腹8分目に医者いらず」といいますが、日本人の知恵は大したものです。腹8分目の理由を知っているんですね。
 その後の「腹ごなしの散歩」というのも、実際に食後に動くと排泄機能が良くなり、食後に散歩などすると便秘の人は排便しやすくなります。
 腸が過敏ということは、頭が良く、鋭敏な感受性という素晴らしい宝を持っているということです。そのことをよく自覚して、自分に自信を持って生きていくことが、ストレスに上手に対処する上でも非常に大事になります。
 治療にあたっては、お医者さんと患者さんの信頼関係を構築するのが第1ステップ、病態を説明して納得してもらうのが第2ステップ、3番目は食事を中心にした生活療法になります。
 すべてのエネルギーのもとが腸で吸収されて、エネルギーが供給できなければ、生命は維持できないので、腸の健康は全身の健康につながることにもなります。
──腸に感謝して、大事にしなくてはいけませんね。ありがとうございました。
(取材構成・本誌功刀)