激増する統合失調症に対処できるビタミンB3中心の栄養療法
岩手大学名誉教授 大沢博先生
統合失調症の引き金を引く低血糖症に、いちはやく警鐘
大沢博先生は現役の岩手大学教授時代から、白砂糖の過剰摂取からくる「低血糖症」について長い間警鐘を鳴らし続けて来られ、本誌も平成元年の第185号で低血糖症についてインタビューをお願いしています。
現在は同大学名誉教授として、低血糖症からくる精神疾患に関する多くの著述、『食原性症候群』、『食原性低血糖症』、『子どもも大人もなぜキレる』、『その食事では悪くなる』――等を著わされ、また精神的トラブルと栄養に関する研究では先進的な欧米研究者の訳書(フランクル著『意味への意志』、シャウス著『栄養と犯罪行動』、コームズ他著『認識心理学(上・下)』、レッサー著『栄養・ビタミン療法』、エイローラ著『低血糖症』、ファイファー著『精神疾患と栄養』、ホルフォード著『メンタルヘルスと栄養』、ジャンソン著『ビタ
ミン革命』、ホッファー著『ビタミンB|3の効果――精神分裂病と栄養療法』など)も手がけられるなど、沢山の本を世に出しておられます。
おりしも千葉県で中学三年生が警官のピストルを強奪しようとした事件がありましたが、少年は統合失調症の患者であると報じられています。今回は、精神病院のお世話になるレベルの精神疾患の一つ、統合失調症(精神分裂病)の栄養療法に焦点を合わせてのお話を伺いました。
現代っ子は低血糖症
大沢 栄養にかかわる医学書を数多く翻訳しているうちに、医師ではないのに心身を病む多くの人に接し、医師も知らない低血糖症の恐怖を実感をもって知ることになりました。しかし日本の精神医学者の視野には、今のところ「栄養」はないのです。視野にあるのはカウンセリングと薬物療法、それに拘束です。これだけでは、精神疾患の激増は防げないし、治療もうまくいきません。医師にも患者さんにも、なんとか、食事の大切さと栄養療法に気がついていただきたいものです。
お尋ねの統合失調症は、幻覚、妄想などの症状が主として出る精神疾患ですが、現在入院患者だけで三十万人位おり、入院していない人が、その何十倍もいるといわれています。
何でこんなに精神疾患が糖尿病と並んで増えてしまったのでしょうか。それは、糖尿病を増やしてきたような食生活の欧米化の中に統合失調症を増やしてきた原因もあるということだと思います。
スーパーにいけば、世界中の食材がところ狭しと並び、お金さえ出せば、なんでも自由に手に入るきわめて便利な世の中になりましたが、一方では食事の偏りが深刻な問題として浮上しました。食事らしい食事をとらないとか、とんでもないことが主として若者の間で起きています。またグルメと称してのぜいたくな食事は、豊かさの象徴に見えます。しかし、その実態は必須栄養素が不十分な食事が多いのです。ゆがんだ食生活が人間の体にどのような悪影響を与えるのか、その自覚を持っている人はほとんどいません。
なんとなくおなかを満腹にしてさえいれば、栄養は十分と思い込んでいる人が、意外と多いのです。しかし命の元は食べものという通り、毎日の食事こそが、生きていく上での原点です。母乳を飲んで育った赤ちゃんは、やがて成長とともに離乳食、普通の食事へと移行していきます。食べものから糖質やタンパク質、脂質、ビタミンやミネラルをとるのです。
体の各組織、心身の働きは、これらの栄養素によって大きく左右されます。歩いたり走ったりする運動機能、血液や骨をつくる他、人間の思考や行動をつかさどる脳に必要な栄養素が満たされるかどうかで、その働きが大きく違ってくるのは当然です。脳と栄養には、実に重大な関係があるのです。しかし、おかしな食事を続けていても、異常はすぐには現れないことが多いので、自らの肉体と精神が蝕まれていくことに気づかない人がほとんどです。
ごく普通の人とみられている人が、いきなり犯罪につながる凶暴な振る舞いをする、いわゆる"キレる"という行動をすることがままありますが、このような振る舞いは、特におかしな栄養の取り方と関係が深いのです。犯罪の増加と食生活の異常は大きくかかわっているのです。栄養不足によって脳の正常な機能が低下すると、思考はもちろん停滞します。自分の行動がどういう事態をもたらすかということを、予測したり想像したりもできなくなります。そして否定的な感情が支配したとき、もし本人が低血糖症だと攻撃行動が展開されることが多いの
です。家庭内暴力から始まって学校でのいじめ、校内暴力、多発する社会での犯罪行為の多くは、この低血糖症のなせるわざと考えられます。
低血糖ではなぜ凶暴になるか
主に白砂糖の大量摂取による「食原性低血糖症」
大沢 私たちの体は、血糖値が1dl中60〜160mgに保たれるようにできています。この血糖値が50以下になる人がいます。それが低血糖症です。ある時点から一時間以内に血糖値が50以上下降した場合や、絶食時の血糖値より20以上下降した場合なども、低血糖症と診断されます。
低血糖というと、普通は糖尿病で血糖値を下げる薬を飲んでいたり、インスリン注射をしている人に現れるということが知られています。低血糖の症状としては、空腹感、あくび、脱力感、頭重感、冷や汗、ふるえ、動悸、けいれん、性格の変化(凶暴になったり、その反対もある)、意識障害などが次々に現れます。
糖尿病患者の低血糖の場合、少量の糖をとることですぐに回復します。そこで低血糖になったら糖をとれば良い、という考えになりがちです。ところが白砂糖などのとり過ぎでインスリンが過剰分泌され、そのために低血糖を起こしている人がいるのです。これが「食原性の低血糖症」です。体の動きを順を追って説明すると、低血糖になると血糖値を上げようとして、副腎からアドレナリンというホルモンが放出されます。これが肝臓を刺激し、グリコーゲンを出させて血糖値を上げます。このホルモンは"攻撃ホルモン"と呼ばれるもので、危機的な場
面に直面したとき、たたかうために心臓を活発にさせ、攻撃性を高めるホルモンです。このために、低血糖になると攻撃的になるのです。
血糖低下が起こると、それに対処するため、副腎からアドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。これらは大脳辺縁系を刺激し、怒り、不安などの情動変化を起こしやすくします。
攻撃ホルモンといわれるアドレナリンは、怒り、敵意、暴力といった攻撃的な感情を刺激し、反対にノルアドレナリンは、恐怖感、自殺観念、強迫観念、不安感といった感情を起こすのです。
ノルアドレナリンは大脳皮質前頭野46野の神経伝達物質となっているので、低血糖などによりノルアドレナリンの濃度が急上昇すると、理性的な判断ができなくなり、発作的な感情に支配されてしまうわけです。いわゆるキレる症状です。パニック障害も同じメカニズムによって起こると考えられています。
低血糖のときに多く分泌されるアドレナリンが、酸化されるとアドレノクロムという物質になりますが、このアドレノクロムこそ、さまざまな幻覚を起こす物質なのです。
しかし白砂糖の大量摂取が低血糖症につながることは、ほとんど知られていません。医師にさえもです。白砂糖はブドウ糖と果糖という二つの分子が結合している二糖類で、分解吸収されるのが早いので、量が多いとすぐに高血糖になります。
穀物や芋は、分子が何千何万と結合している多糖類なので、分解吸収されるのがゆっくりです。だからエネルギー源の安定供給にふさわしい食べものといえます。分解吸収が早ければ良いというものではないのです。
高血糖になると体はそれに対処する働きをします。膵臓からインスリンという、血糖を降下させるホルモンが出て血糖を下げます。しかし、そのインスリンが過剰に分泌されれば、血糖は低くなり過ぎて低血糖状態になってしまうのです。
ストレス
大沢 よくストレスは万病の元といわれますが、過酷なストレスのもとでは、やはりアドレナリンが出てくるんです。これも、また、酸化されると幻覚物質のアドレノクロムになります。前向きなストレスは必要ですが、後ろ向きの過酷なストレスは低血糖症同様危険です。今の社会は、殺伐とした人間関係が増えていますが、この中で多くの人が体も精神もズタズタにしてしまう食事の内容については、医学の世界、清涼飲料を含む加工食品の業界、薬業の世界などが官僚の世界を巻き込んで、人々が真実に気がつかないように工作し続けているのが実相
です。砂糖のテレビや健康雑誌を使った宣伝など、ひどいものがあります。多くの人を悩ませている「うつ」でも、まず低血糖症を疑うべきなのに、砂糖が頭を良くするみたいな宣伝で大がかりな洗脳をしているのが現状ではないでしょうか。
脳の働きと分子整合精神医学
大沢 アメリカ、カナダ、その他の国の精神医学の新しい流れで、「分子整合精神医学」と呼ばれる学問があります。
この学問の流れの中心となっているのは、カナダの精神医学者、ホッファーで、精神医学を含む『分子整合医学雑誌』の編集長という仕事をやっています。
ホッファーは分子整合精神医学とは、精神の健康を促進するために、体内に存在している分子の最適量を用いることである、と書いています。
また、盟友だった故ライナス・ポーリング博士の言葉を引用し、「分子整合療法は、脳の重要な正常成分の最適濃度を、個々の人に提供することで、多くの精神疾患患者の選り抜きの療法になるかもしれない」と紹介しています。分子とは、糖やビタミンやミネラルなどの、物質の最小の単位のことです。
さらに、ポーリングの分子整合医学の定義、「ビタミン・ミネラルのような、人体に正常に存在している物質の濃度を変えることで、健康を達成し維持すること、それが分子整合医学のもっとも大きなテーマである。そして脳の機能は、他の器官の機能よりももっと敏感に、分子的構成に依存している」という言葉を紹介しています。
わかりやすくいうと、脳の正常な働きには、ビタミンやミネラルの安定した供給が不可欠であり、これが欠乏したりバランスが崩れたりすることで、精神疾患といわれる症状や、犯罪とみなされる反社会的行動が出現する、という見地で、実に説得力がある理論です。
ホッファーはこの立場で、精神医学の最大の問題である「統合失調症」の発症原因と治療法を探究し、ビタミンB(ナイアシンまたはナイアシンアミド)による治療法を開発し、画期的な成果を上げてきました。
しかし残念なことに、こうした栄養療法は現代医学の主流ではありません。ほとんど薬物療法のみに頼る通常の精神医学は、食事とか栄養を全く無視しているのが現状です。
患者とその家族にとっては、本当に不幸なことですし、国の医療費支出も増大するばかりと思います。
脳の機能低下が行動を異常にする
大沢 精神疾患に対して教育の仕方を見直そうという考え方があります。しかしそもそも教育といえば、心を豊かにするいとなみで、心の教育は今に始まったことではありません。しかし"病める心"を生み出したものが、教育という次元の問題なのでしょうか。もしそれが、教育とは別次元の問題から発しているとしたら、栄養という生物的な次元に目を向けないカウンセラーを学校ごとに配置しても、抜本的な改善策とはなりえないと思います。
脳と栄養の関係、栄養と犯罪、栄養と精神疾患という関係を理解しないことには、カウンセラーは適切な援助はできません。若者の暴力、さらには親たちの幼児虐待、通り魔事件、配偶者への暴力、車内暴力、校内暴力など、"暴力列島"といいたくなる現状も、"心"の根底の次元にせまらなければ、増加の一途をたどるばかりだと思います。
食生活の大事さ ビタミンやミネラルの
欠乏でも、行動が異常に大沢 例えばビタミンBが欠乏すると、人はけんかしやすくなることが実験で確かめられています。
カルシウムは、"自然の精神安定剤"といわれるくらい、神経に関係があり、神経の異常興奮を抑える働きがあります。そして、マグネシウムの欠乏もまた、人を興奮させます。インスタント食品や、肉加工品などの食品にふんだんに使われている食品添加物のリン酸は、カルシウムやマグネシウムを低下させることは広く知られています。
糖質の違いをしっかり認識することが重要
大沢 好きだから美味しいから食べるという安易な食生活では、必ず栄養摂取が不適正になります。清涼飲料に加え、甘いものの大量摂取は、やがて低血糖症を引き起こします。
しかしわが国では、精神医学は全くといって良いほど、患者の食生活、栄養には無関心なのが現状です。
息子の暴力で悩む母親からの話ですが、一日に何回も砂糖たっぷりのコーヒーを飲んでいたので、入院させた病院の医師に相談したところ、「暴力には、全く関係ありません」と断定されてしまったといいます。息子さんは入院中でも、院内で自由にコーヒーを買えるので、好きなだけ飲んでいます。しかも空腹になると、外出してカップラーメンを買い、食べているとか。
こうした症状がまだ軽い人ならば、食生活を改善することで、すぐに症状が改善すると思います。チョコレートなどの菓子類、清涼飲料、人によっては缶コーヒーなど、砂糖、カフェインの多いものをやめるか、とことん控えることで、キレることもなくなるはずです。
しかしテレビなどで絶えずコマーシャルが流れますから、こうした誘惑をはねのけることは、ちょっとした勇気と知識がなければなかなか難しいと思います。
健康な心身を維持し、たった一回の人生をどう生きるかは、自分の食事にかかっていることを意識して、特に糖質に関する基本的な知識を持つことが大事です。糖類の中でも穀物や芋に含まれるデンプンは多糖類ですから主食として不可欠であるということ、白砂糖などの少糖類は分解吸収が早過ぎる上、ビタミンB群やカルシウムなどのミネラルも消耗させます。こうした糖質の違いを、しっかり認識することがポイントになります。
未精白穀類中心に砂糖・牛乳などは除く
大沢 玄米正食で精神疾患が治った、という話があります。この食事の思想は東洋のものです。漢方・生薬発祥の地である中国には、「薬食同源」という言葉があります。医学では「医食同源」といいますが、医や薬と食事は源が同じであり、食事の大切さを意味した言葉です。医と薬は同義語で、薬の原料を調合する薬研と生薬を持った者が医者でした。
人間が生きていく上で、食べることは決定的に大事です。生きていくには、食べものによって必要な栄養素を体にとり入れなければなりません。しかし現実には、この当然すぎるほど当然なことがなされていないのです。好きなものしか口にしないからです。
限られた好物が、菓子パンだったり、インスタント食品だったりすると大問題です。菓子をたくさん食べ、飲むのは清涼飲料ばかり、というのでは体がおかしくなってしまいます。もちろん体の一部である脳も例外なく、"誤作動"を起こしてしまいます。
栄養不足によって体調が変化するのと同じように、脳の働きも変化します。これを放置しておくと、心の病へとつながっていくのです。
アメリカなどで発展している前述の分子整合医学も、栄養サプリメントを勧めるだけではなく、並行して食事改善のアドバイスをします。たとえば、未精白穀物をとる、砂糖や牛乳を除く、などです。アレルギーを起こしやすいことで知られる牛乳は脳にもアレルギーを起こすことがあるのです。この危険性はやめてみると治ることで分かります。牛乳の他、アレルゲンになりやすいものとしては、チョコレート、小麦グルテンなどが知られています。
必要な微量栄養素をどうとるか
最大限に生かそうサプリメント
大沢 本来は食事でとるべき栄養素を、サプリメントで代用して良いのだろうかという疑問がわくかもしれませんね。しかし、食物でとれるはずの栄養素は、いつの時代でも同じにとれるわけではありません。農薬・化学肥料で土壌は力を失い、ハウス栽培では日光を直接浴びません。農産物のビタミン、ミネラルは減少しているのです。穀物、野菜を十分に食べていても、昔ほどの栄養素をとれないとみたほうが良いのです。さらに、食品加工でそれらはますます減っていくのが現状です。
日本のビタミン広報センターでも、米国CRN(全米栄養評議会)の科学情報を公表しました。
マルチビタミンやその他のサプリメントの継続摂取は、健康増進や疾病予防に効果があること、マルチビタミン(ミネラルを含む)や単一栄養素(カルシウムや葉酸など)の摂取は、衰弱している高齢者の免疫機能の強化に効果があることなどが報告されています。
ビタミン情報の重要な部分でも、まだ全く知られていない部分もあるので、視野を広くしておくことが必要だと思います。
薬よりも栄養療法を求める人々
「馬に喰わせるほど」の薬
大沢 あるお母さんは、「馬に喰わせるほどの薬が与えられてきたのですが良くならず、ほとほと困っています」と訴えていました。
医師からは「軽い分裂病ではないか」と言われている娘さんは在宅。
統合失調症の患者をかかえる親たちは、子どもに投与されている薬があまりにも多いので、早く良くなって薬から離れたいと願っている人がほとんどです。
精神安定剤、いわゆるトランキライザーには様々な薬がありまして、薬の多い患者には一日に16種類もの薬が処方されているのが現状です。その中には薬の副作用を抑える薬も入ります。便秘の薬とか、睡眠薬とか、筋肉の痙攣を防ぐ薬などがよく使われます。しかし、薬をこれだけ飲まされると遅発性ジスキネジアといわれる運動障害が起きてしまう人が多いのです。最近使われるようになった抗うつ剤「パキシル」の副作用の一つには「激越」とか「錯乱」とかいうのがありますから恐ろしい。そして、これらの薬の長期服用による副作用などは、
まだほとんどわかっていないのです。
精神疾患への栄養療法
大沢 統合失調症と栄養との関連についてのいろいろな論文を調べてみると以下のようなことがわかります。
・総脂肪と飽和脂肪の摂取が多いことと、統合失調症の経過と結果が思わしくないこととは関連しています。
・高いカフェイン摂取が不安を増大させ、ときには急性統合失調症を引き起こす可能性があります。
・何らかの特定の栄養素欠乏が、統合失調症型精神病を起こす。あるいは悪化させる可能性があります。例としては葉酸、ビタミンC、ビタミンB、マンガン、亜鉛、それに、おそらくはオメガ6脂肪酸の欠乏です。
・食物過敏性、特に小麦と牛乳に対する過敏性が、関係があるとされています。
ホッファーの栄養療法
ビタミンBの多量摂取
大沢 ホッファーが長年にわたって研究してきた結論は、「分裂病を治療するための三つの主要なビタミンは、ビタミンB、ビタミンB、それにビタミンCである。普通スタートする時の量は、ビタミンBが一日当たり3g、ビタミンCが一日当たり3g、ビタミンBが250mgである」というものです。
ビタミンBは、二つの型があります。ナイアシンとナイアシンアミドです。ナイアシンは末梢の血管を拡張させるので、顔から始まる皮膚の紅潮を起こすことがあります。ナイアシンアミドはそれを起こしません。
どちらのタイプのBもアドレナリンが生体内で化学変化して、幻覚を起こす物質であるアドレノクロムになるのを防ぐ働きがあるというのです。そのためには、Bをメガビタミンといわれるくらい多めにとることが必要になりますが、Bを服用して吐き気が起きたら、それが最大量であると考えて、減らすか中断して様子を見ます。
残念ながら日本では、Bを主にしたサプリメントは市販されていません。海外からの個人輸入の道しかないのが現状です。ミネラルとしては、亜鉛、鉄、セレンなどが重要です。また、必須脂肪酸、特にEPAが注目されています。
私は、薬物療法に走る前に、まず、低血糖症を治すように食事療法につとめ、サプリメントを活用した栄養療法に希望を見い出してトライしてみることをお勧めしています。
すでに何十年も前から発生している家庭内暴力も、栄養欠乏による脳の悲鳴です。心と食事・栄養の関係に関心を持つ人々が最近急速に増えてきたのは、闇の中に一筋の光明が射してきた感じです。