この人に聞く 27

肉体は魂の表現リーディングとヒーリング

ザビエル・スティ|ブン(リーディング・ヒーラー)

新時代の予言者 エドガー・ケイシーとリーディング

 ニューエイジという言葉が聞かれるようになって久しい。輪廻転生による魂の成長を説いたエドガー・ケイシーは、半世紀前、「今世紀の終わりの期間を通して、より良い世界―新時代―神の時代が来る」と予言した。これから時代はニューエイジ、「透き通った愛と光にあふれた時代」に入ると言う。この考えを背景にしたシャーリー・マクレーンの「アウト・オン・ア・リム」が全米で三〇〇万部を超えるミリオンセラーになり、既に日本でも同じ現象が起こっている。二十一世紀を目前に控え、これからどういう時代になって行くかは不明だが、人々が「愛と光にあふれた時代」を望んでいることに間違いはないだろう。

 物が豊かになって人々は幸せになったろうか。超能力開発、宇宙通信、神秘体験、ニューサイエンス…。
 エドガー・ケイシーは、これらニューエイジ現象と言われるものに先鞭をつけた第一人者である。霊視治療家として、また今世紀最大の予言者として名高い。
 エドガー・ケイシーが行なった医療リーディングとは、催眠透視によって患部を透視し、治療法をアドバイスすることで病気を治癒に導くものである。リーディングによってもたらされた治療法は、非常にユニークであるものの医学的に見て適切であり、これによって多くの難病者が救われたのは事実である。リーディングは後年、病気治療だけでなくあらゆる分野に及び、個人から社会現象に至るまでその負っているカルマを透視し、輪廻転生する人生の体験を通して行なわれる人々の魂の成長を説き続けた。
 ケイシーの死後、その業績はケイシー財団に所属する「A・R・E」よって引継がれ、リーディングや心霊現象を、医学・心理学・神学など多方面の分野から実験・研究・調査されている。また、そこではあらゆる層の会員が所属し、ボランティア活動などが行なわれている。
 今回登場のザビエル・スティーブン氏は、A・R・Eでリーディングヒーラーとして活動。現在はA・R・Eを離れ、独自にリーディングを始め能力開発の指導などによって、人々の精神的目覚めを助けている。
 病気の透視診断かけては、全米一と言われるほど評価が高い。

カルマの法則は、進化の法則であって、復讐ではない

 この地球での生涯は、魂の発展向上のためにあります。
 宇宙の法則として厳然存在するカルマ(原因結果、因果応報)の法則は、この魂の成長と発展のためにある法則であって、復讐や懲罰のためにあるのではありません。進化の法則であり、また宇宙(神)の愛の法則なのです。カルマを通して、より良い行為や生き方を学んで進化していく法則です。
 カルマには、「与えたものを得る」という側面と、「願うものを得る」という側面があります。傷つけられた体験は、必ずしも過去に傷つけた体験の結果から生じるとは限りません。自ら望んで自分にとって反対側の側面を学ぶということもあります。そうすることで理解が広がっていくことになるからです。
 一見、偶然に見えることも決して偶然ではありません。非情に見えること、突然降りかかった災いと見えることも、それを肯定的に受け止め、その中に含まれている学ぶべきことを、学び終えれば、カルマは解消されるのです。難病になるのもカルマの在りかたからみると、決して不幸とばかりは言えません。否定的に見えることを、否定的に受け止めたり拒否したりすれば、否定的な側面が増大するばかりです。これもカルマの法則に則った結果です。
 また、個人に限らず多くの文化、社会というものも、良くも悪くもカルマを引きずっています。戦争なども集団のカルマが引き起こします。
 現象に潜んでいる意味や教えを理解した後に意識が変化すれば、カルマは形を変えます。カルマの法則そのものは絶対的であっても、カルマの形態は変化し得るものです。このことからも、カルマが愛の法則ではあっても復讐の法則ではないということがわかります。また、運命は、変えることのできない絶対的宿命ではない、ということもわかります。ここに人間の自由意志があります。カルマを選ぶのは、結局自分自身なのです。
 復讐すべき事態に愛を以て応える時、悪いカルマが解消していくとも言えます。

リーディングとヒーリング

 カルマを学ぶ上で、リーディングはとても助けになる方法です。カルマを学ぶのに、リーディングは必ずしも必要とするものではありませんが(体験の中で悟っていく)、リーディングあれば何倍も早く学びに達することができます。
 肉体は魂の表現です。人には大いなる自己―神性が備っています。大いなる自己たる魂と肉体が分離するところに、病いが生じてきます。カルマの結果ということもあります。
 リーディングよって、存在のの真奥を知り、肉体と魂の分離から解放され、また病気の真の原因を知ることによって病気に適切に対処すれば、病気は自ずと治癒されます。知ることによって、盲目の状態から自由になります。
 ケイシーは、リーディングよる数多くの癒し(ヒーリング)の体験から、あらゆる治癒は内から来るもので、外からもたらされるものではないということを確信していました。しかし、魂と肉体が分離しているような状態ではこれを完全に悟ることはできません。
 このために、薬や治療器具、整体やまた運動療法などが存在します。これらは治癒を助けるものではあっても、それ自体が病気を治すということではありません。
 リーディングによるヒーリングは、神のエッセンスからもたらされた癒しといえましょう。
 ですからリーディングは、特殊な人だけが持つ能力ではありません。誰もができます。
 私は、少年期に遭遇したニアデス(近似死)体験などから、ケイシーの研究を始めて行くうちに、この能力に自然に目覚めました。
☆・☆・☆・☆・☆
 ダニエルさんのリーディングを、見学させてもらった。
 ダニエルさんは、リーディングの導入時にクライエントに暝想させ、その間に情報を読み取るようだ。ケイシーのリーディングでは、彼は完全なトランス状態に入り、覚醒後、その内容を全く記憶していなかったという。しかし、ダニエルさんのリーディングは、覚醒した意識状態で行なわれる。
 クライエントは、ダニエルさんの与える病気を始めとする人生の諸々の助言に、深く納得がいくようだった。ダニエルさんを注視したまま通訳の言葉を一心に聞いているクライアントの様子から、クライエントの意識が覚醒して行くのが、傍らからもわかる。
 短期間の滞日で、予約のスケジュールがつまった中、インタビューは昼休みを利用してダニエルさんの所望でお寿司をつまみながら行なわれた。
 和食、特にお寿司が大好きというダニエルさんは、器用に箸をあやつりながら、熱心に質問に答えてくれた。
 ダニエルさんは六月に再来日の予定。約三ヵ月間、東京で潜在能力開発のワークショップを開く。
 興味のある方は、二〇九―九二一七(西武西新宿クリニック)にお問い合せ下さい。
 (インタビュー構成 功刀)